弁護ハック!-弁護士のためのライフハックブログ

「弁護士 × ライフハック × 知的生産」をテーマに、若手弁護士が日々の”気付き”を綴ります。

司法試験関係者必読の一冊 『37の法律フレームワーク -誰も教えてくれない事例問題の解法-』

第1 はじめに

 同期の井垣孝之弁護士が書いた『37の法律フレームワーク -誰も教えてくれない事例問題の解法-』を読みました。

 結論から言うと、紛れも無い名著です。今年5月に受験を控えている方も含め、司法試験受験生であれば必ず目を通しておくべき一冊ではないでしょうか。

 井垣氏の「フレームワーク」論についてはかねてTwitter等を通じて聞き及んでいましたが、本書を読んで初めてその体系的な思索内容に触れました。そこで今回は、本書についてささやかながら書評を書いてみたいと思います。


第2 「基本」=「三大法律フレームワーク」

 本書の功績は、司法試験合格の必要条件とされる「基本」とは何かを徹底的に論じ、かつ、それを「フレームワーク」という用語を導入して共通言語化した点にあると考えます。

 ここでいう「基本」とは、「法的三段論法のフレームワーク」「利益衡量のフレームワーク」「原則-例外のフレームワーク」(以上を合わせて「三大法律フレームワーク」といいます。)のことであり、それ自体、目新しいものではありません。

 しかし、井垣氏が指摘するとおり、①法的三段論法をはじめとする基本的な法律フレームワークは、多くの学生の間で誤って理解されています。また、②かかる基本的なフレームワークの習得については、現在のところ個人のセンスと運任せとなっており、体系的な教育方法が確立していない点に問題があります

 以上の2点について、本書は、これまで暗黙知とされていた実務家の法的思考(ex.法的三段論法)を言語化(=形式知化)し、学生が正確に理解することを助けるとともに、そのような法的思考に「フレームワーク」という汎用語を用いることによって体系的な法学教育の基礎を築こうとしています

 その点において、本書は、司法試験受験生向けのノウハウ本であると同時に、それを超えて、わが国の「法学教育の方法論のモデルを提示する」という極めて野心的な目的を有しています


第3 教育書としての秀逸さ

 そして、上記の目的に鑑みて本書が素晴らしいのは、教育書としての普遍性を持ち得ているという点です。

 それはまず、本書の構成によるものです。本書を手に取る学生の多くは、未だ法律フレームワークを身に付けていない者でしょう。そのような読者に対し、本書は、具体例をふんだんに使用することによって、法律フレームワークを身に付けたときに見える世界を擬似体験させます。これによって、学生は法律フレームワークの存在を実感し、その世界に少しずつ足を踏み入れることができます

 他方で、本書は、法理学といった基礎法学の潮流をしっかり押さえ、大学教授をはじめとする教育者の批評に耐える内容となっています

 こうして、学生と教育者は、法律フレームワークの世界で出会うこととなるのです。


第4 終わりに

 法律フレームワークの詳細な内容については、実際に本書を手に取ってご自身の目で確かめていただきたいと思います。しかし、確実に言えることは、本書で論じられている法律フレームワークは、司法試験合格の必要条件であるとともに、日頃の法律相談などで用いる法曹実務家の思考方法そのものだということです。その意味で、本書が理論と実務をつなぐことを使命とする法科大学院教育の新たなスタンダードとなることを願ってやみません。

 なお、本書は法律フレームワークの世界への入口に過ぎず、本書を読むことによって直ちに法律フレームワークの"中身"が身に付くものではありませんあくまでそれは、個々の学生が学習を通じて身に付けなければならないものだからです

 もっとも、ひとたび法律フレームワークという着想を得ることによって、見える世界が変わってくることも確かです。その意味では、井垣氏が本書を通じて本当に伝えたかったことは、以下の記述に集約されるのではないでしょうか。

 

 法律フレームワークを使いこなせるようになるためには、特に三大フレームワークについては常に「あのフレームワークは使えないか?」という視点で講義を受けたり、基本書を読んだり、問題を解いたりすることが重要です。そうすると、学ぶ姿勢が自然と受動から能動へと変化しますから、脳の働き方ががらっと変わって記憶の定着率も高まります。本書の中の具体例から法律フレームワークが効く場面を抽出し、他の法律や、他の論点、さらには法律と関係のない場面でも使えないかという観点で、世界を眺めてみてください。

(本書p.401)


 忙しい方には、総論部分に相当する第1~5章及び第14章だけでも読むことをお勧めします。

 この国の法学教育を変えるかもしれない法律フレームワークの世界を、本書を通じて是非体験してみませんか?

 

 

ご注文・書籍詳細は以下のバナーから:

司法試験ブログまとめ【2016年1月27日更新】

 玉石混淆の司法試験ブログの中で非常に参考になるものを合格年度ごとにまとめてみました。「これは」と思った記事とそのコメント、大体の優先度(☆~☆☆☆)も付けています。

 

 

・平成27年度

 

「司法試験関係記事まとめ」 / "ちゅうばふきの休日!新つれづれ日記"
優先度:☆
各科目の勉強法等について網羅的にまとめておられます。

http://tyuubafuki.blog.jp/archives/cat_10051026.html

 

 

・平成26年度

 

「法的三段論法について」 / "太郎の司法試験ブログ"
優先度:☆☆
法的三段論法について、深いところまで理解されています。いわゆる「答案の書き方」がわからない方には一読を勧めます。
http://ameblo.jp/sihouoishii/entry-11929840292.html

 

「目的と勉強方法(勉強内容を含む)」/ "おーらせらぴー"
優先度:☆
「目的」の把握と「自己分析」が大切という、当たり前だけれど多くの方が理解していない点について丁寧に説明されています。
http://ouraroom.blog.jp/archives/1009078281.html

 

 

・平成25年度

 

「論述の意識Ⅰ」/ "エスケイのブログ"

優先度:☆☆

二桁合格者のブログ。どのような答案が採点者に評価されるか、よく考えていらっしゃいます。王道と言うべきスタイルです。

http://ameblo.jp/potetocat/entry-11618861472.html

 

「【合格への道】採点実感と上位合格者答案集」/ "ギアの新司法試験一発上位合格するまでの記録"

優先度:☆

簡潔ですが、過去問分析を答案に反映させていった過程がうっすら見えてきます。

http://ameblo.jp/sieger-w/entry-11615625674.html

 

 

・平成24年度

 

「新司法試験・法科大学院入試の択一(短答)勉強方法」/ "凡人だって、新司法試験に合格したい!"

優先度:☆☆

短答の勉強方法についてはこれまで読んだ中で一番ためになりました。仮に再チャレンジすることになっていたら、この勉強法で行こうと思っていました。

http://blogs.yahoo.co.jp/delidelidesu/38382329.html (※リンク無効)

 

「H24(新)司法試験 再現答案 」/ "素LOWライフ"

優先度:☆

上位合格者による再現率の高い再現答案集

http://bufferlow.blog.fc2.com/blog-category-4.html

 

 

・平成23年度

 

「平成23年新司法試験憲法」/ "間違いだらけの憲法答案~よくわからないをスッキリに~"

優先度:☆

憲法の再現構成です。表現の自由v.s.プライバシー権を法令違憲と適用違憲で書き分ける部分が素晴らしいです。

http://ameblo.jp/lawschool-life/entry-10893618115.html

 

「H23新試論文答案の再現」/ "xc_ls→J"

優先度:☆☆

本年度総合3位の方の再現答案です。時間のない方は、行政法だけでも読まれることをお勧めします。

http://blog.goo.ne.jp/xc_ls/c/f1021b9c6edb928f98010f0aadb0f411

 

「択一の勉強法~総論~」/"just do it"

優先度:☆☆

一桁合格の方のブログ。王道一直線です。

http://kbkb2.seesaa.net/article/214707841.html

 

 

・平成22年度

 

「再チャレンジ成功までの記録(1.不合格に至るまで)」/ "新司法試験再チャレンジ日記"

優先度:☆☆☆

敗因を徹底的に分析されて、翌年素晴らしい結果を残された方のブログです。

http://lawnin.blog83.fc2.com/blog-entry-222.html

 

「日常的学習その3」/ "planetes"

優先度:☆

ロースクール1、2年生にお勧めします。

http://roguyomi.blog33.fc2.com/blog-entry-324.html

 

 

・平成21年度

 

「試験勉強戦略」/ "淡青あちーばー lightblue-achiever"

優先度:☆☆

再現答案の分析方法がとても参考になります。

http://lightblue-achiever.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/post-7033.html (※リンク無効)

 

「[司法試験]受験の記録・論文編・総論」/ "Out To Lunch!"

優先度:☆☆

「合格答案」と「優秀答案」を分けた上で、リスクなく「合格するために」は「優秀答案」を目指すべきとしています。あてはめの仕方についての説明が秀逸です。

http://d.hatena.ne.jp/fjknch/20090927/1254041370

 

「答案作成のプロセス」/ "masoブロ"

優先度:☆☆

この記事を読むと、極めて基本的な事項が合否を分けていることがわかると思います。「論証を覚える」のは注意です。

http://hayamaso.blog91.fc2.com/blog-entry-128.html

 

 

・平成20年度

 

「論文試験の戦略2」/ "新・単なる勉強記録"

優先度:☆☆☆

具体的に考えること。それが何よりもまず合格の条件だと。そうしたメッセージを感じます。

http://yaruze08.seesaa.net/article/107991739.html

 

 

・平成19年度

 

「論文力(4)」/ "Footprints"

優先度:☆☆

一連の記事で、論文力に関する緻密な分析をされています。

http://d.hatena.ne.jp/redips/20071015/1192415036

 

 

・平成18年度

 

「新司法試験・新たなる難現象。」/"Absolute Blue"

優先度:☆☆

合格者ブログの伝統は、このブログから始まったようです。

http://blog.livedoor.jp/eiji_inose/archives/51648897.html

 

 

・番外編

 

「解釈と評価の構造・必要性」/ "司法試験:勝利のアルゴリズム"

優先度:☆☆

法律答案の構造について、非常に論理的に説明されています。

http://ameblo.jp/4-algo-rhythm/entry-11621018978.html

 

「十年後の受験生へ」/ "司法試験情報局(LAW-WAVE)"

優先度:☆

「勉強の目的」という、忘れてはならないが、何故か多くの受験生が見失ってしまうものについて、口酸っぱく注意喚起をしています。

http://ameblo.jp/getwinintest/entry-11419781704.html

【改訂版】新社会人のためのブックリスト25選 ~新人弁護士編~

 お久しぶりです。

 さて、Twitterで報告したとおり、このたび前事務所から独立して、自身の弁護士事務所を開所致しました

  

 そのこともあって、今年は、私の仕事人生にとって非常に大きな節目の年となりました。

 そこで、今回の記事では、この2年間を通して私を支えてくれた数々の本のうち、特に新社会人にオススメしたい25冊を紹介したいと思います。

 

 主に新人弁護士の方を対象としていますが、それに限る趣旨ではないため、法律書籍や弁護士実務の書籍は除外しています。

 

 それでは、ご覧下さい。

 

 

1 ロジカルシンキング

 

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

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  • 作者: バーバラミント,グロービスマネジメントインスティテュート,Barbara Minto,山崎康司
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本
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ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)

 

 

 

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

 

 

 

 

2 人間関係・コミュニケーション

 

人を動かす 新装版

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自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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営業の魔法―この魔法を手にした者は必ず成功する

営業の魔法―この魔法を手にした者は必ず成功する

 

 

 

プロカウンセラーの聞く技術

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ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)

ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)

  • 作者: ロジャーフィッシャー,ウィリアムユーリー,金山宣夫,浅井和子
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 1989/12/19
  • メディア: 文庫
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ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)

ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)

 

 

 

この人と結婚していいの? (新潮文庫)

この人と結婚していいの? (新潮文庫)

 

 

 

 

3 時間管理

 

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

 

 

 

TQ-心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント (ソフトバンク文庫)

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  • 作者: ハイラム・W・スミス,Hyrum W. Smith,黄木信,ジェームス・スキナー,James Skinner
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2009/11/16
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4 キャリア形成

 

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))

 

 

 

仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね?

 

 

 

抜擢される人の人脈力  早回しで成長する人のセオリー

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー

 

 

 

 

5 自尊心・モチベーション

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

  

 

それでも人生にイエスと言う

それでも人生にイエスと言う

 

 

 

 

6 マネジメント

  

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと

  • 作者: マーカスバッキンガム,Marcus Buckingham,加賀山卓朗
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本
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ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか

ザ・ビジョン 進むべき道は見えているか

  • 作者: ケン・ブランチャード,ジェシー・ストーナー,田辺希久子
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2004/01/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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新1分間マネジャー――部下を成長させる3つの秘訣

新1分間マネジャー――部下を成長させる3つの秘訣

  • 作者: ケン・ブランチャード,スペンサー・ジョンソン,金井壽宏,田辺希久子
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2015/06/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ザ・コーチ - 最高の自分に出会える『目標の達人ノート』

ザ・コーチ - 最高の自分に出会える『目標の達人ノート』

 

 

 

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術

  • 作者: マイケル・E.ガーバー,Michael E. Gerber,原田喜浩
  • 出版社/メーカー: 世界文化社
  • 発売日: 2003/05/01
  • メディア: 単行本
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リーダーの人間力 人徳を備えるための6つの資質

リーダーの人間力 人徳を備えるための6つの資質

  • 作者: ヘンリー・クラウド,中嶋秀隆
  • 出版社/メーカー: 日本能率協会マネジメントセンター
  • 発売日: 2010/01/27
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7 マーケティング

 

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

〔エッセンシャル版〕マイケル・ポーターの競争戦略

  • 作者: ジョアン・マグレッタ,マイケル・ポーター(協力),櫻井祐子
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/09/21
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8 マネープラン

 

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学 (単行本)

 

 

 

 

 ※本記事は、昨年書いた下記記事の改訂版です。

 

 

弁護士の自炊(※Cookingじゃないほう)

第1 はじめに 

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 Amazonの電子書籍リーダー「Kindle Voyage」を買いました。

 これに伴い、雑誌・書籍の自炊(自力による私的利用のための電子書籍化)が本格化してきましたので、ここで一弁護士の自炊法について説明してみようと思います。

 

第2 定期購読している雑誌・書籍をPDFで読む

 自炊の目的は、定期購読する雑誌や書籍をPDF化して読むことです。

 以下、順次説明していきます。

 

1 雑誌・書籍

 まず、現在定期購読している雑誌・書籍は以下のとおりです。

 

(1) 判例時報

 法律家にとっては言わずと知れた判例雑誌です。

 最高裁判例はもちろん、重要な下級審判例が多数掲載されるので、実務感覚を磨くのに役立ちます。

 

(2) 判例タイムズ

 こちらも法律家にとっては言わずと知れた判例雑誌です。

 判例時報と同様に最高裁判例と重要な下級審判例が掲載されるのはもちろんですが、現役裁判官などが寄稿する特集記事も非常に読み応えがあります。

 

(3) 現代法律実務の諸問題 

日弁連研修叢書 現代法律実務の諸問題<平成25年度研修版>

日弁連研修叢書 現代法律実務の諸問題<平成25年度研修版>

 

 

 日弁連が毎年行っている「夏期特別研修」の講演録をまとめたものです。毎年7月頃に、前年度の分が発刊されます。

 主に各分野で実績のある弁護士が講師を務めるため、弁護士実務のノウハウを効率良く学ぶことができます。

 

2 PDF化までのプロセス

 さて、以上に述べた雑誌・書籍をPDF化していくわけですが、その方法について説明していきます。

 

(1) 裁断機 

DURODEX 自炊裁断機 ブラック 200DX

DURODEX 自炊裁断機 ブラック 200DX

 

 

 私が使用しているのは、デューロデックス社が製造する裁断機(国産)です。

 約3万9000円とやや値段は張りますが、長期使用することを考えれば、安価で問題のある(らしい)外国製を購入するよりも良いと思います。

 約200枚まで一度に裁断できます。

 

(2) スキャナー

 スキャナーは、「ScanSnap Evernote Edition」です。

 Evernoteとの連携に特化しており、生成したPDFファイルを自動でEvernoteに取り込んでくれます。

 

(3) Evernote

 したがって、生成されたPDFファイルは、全て一度Evernoteに保存されます。このことが重要です。

 なぜなら、Evernoteに保存されたPDFファイルは、EvernoteのOCR(文字認識)機能によって、キーワード検索が可能になるからです。 したがって、号数・頁数を忘れてしまったとしても、後に検索することが可能です。

 

(4) Kindle

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 そして、EvernoteからダウンロードしたPDFファイルをKindleに移します。

 Kindleの電子ペーパーは非常に高品質です。紙媒体で読む場合とほとんど感覚が変わりません。

 サイズはやや小さくなりますが、読むのに苦を感じるほどではありません。

 

第3 私的データベースの中核になる

  雑誌・書籍を定期購読するメリットは、実務の最前線の情報が入ってくることにああります。

 現在、どのような法律問題が存在するのか、そして、その法律問題を解決するに当たって参照される過去の判例や経験則は何かを学ぶことができます。実務における知識(理論知・実践知)の体系を学ぶことができるのです。

 このような知識の体系は、私的データベースを構築していくに当たって非常に役立つと考えています。

 

第4 終わりに

 以上、私の自炊法を紹介しました。

 自炊に興味がある、始めてみたいけど何から取り掛かればいいかわからないなど、聞きたいことがございましたら、本ブログのコメント欄やTwitterでご質問下さい。

弁護士の整理法 ~メール処理編~

第1 はじめに

 今回はメール処理に関する記事です。

 弁護士業にも既にIT化の波が押し寄せていて、顧客とのやり取りや弁護士会内部の活動の多くがメールによって行われるようになっています。

 そのため、メール処理の方法論を確立することは、業務効率化において極めて重要であり、私自身、この一年間を通して自分なりの方法論を磨いてきました。

 今回は、その方法論について書いてみたいと思います。


第2 Gmailに一元化

 1 Gmailこそが最適のツールである

 まず、メールソフトの中でGmailほど操作性や機能性に優れたツールを私は知りません。
 特に、Gmailの検索機能は優れており、求めている情報を瞬時に探し出すことができます。これは、日々何十通ものメールを処理する身としては大変助かります。
 そこで、独自ドメインを含む複数のメールアドレスを保有していたとしても、メールは全てGmailに一元化するのが適切であると考えます。

 

2 Gmailにメールを一元化する方法

 そこでGmailにメールを一元化する方法です。

 私は、以下に掲載する『月刊大阪弁護士会』の記事を参考に設定しました。

 

・【特集】弁護士業務に効く!Gmail徹底活用術

https://www.osakaben.or.jp/newsletter/db/pdf/2014/oba_newsletter-9.pdf

 

 

 また、以下の記事も非常に丁寧です。

 

 

 

第3 Inbox方式

 1 Inbox方式とは

 メールをGmailに一元化したら、次に、Inbox方式を実践するための準備を行う必要があります。

 「Inbox」とはいわゆる受信トレイのことですが、ここでは特に、後述する処理を行う前にメールを一時的に保管しておく受け皿のことを言います。そしてInbox方式とは、このInboxを活用して、効率の良い情報処理を行う仕組みのことを言います。

 

 2 Inboxを初期設定する

 Inbox方式では、Inboxは初期状態で空になっている必要があります。そこで、メールでいっぱいになったInboxを一度空にする必要があります。

 私は以下のリンクの記事を参考にしました。

 

 

 3 Inbox → 処理 のプロセス

 準備は整いました。いよいよメールごとに必要な処理を行っていくプロセスに移ります。

 未処理のメールは全てInboxに残しておき、以下に述べる処理を行った後にアーカイブに移動させます。

 

 (1) 一読するだけで足りるもの → 一読してアーカイブに移動

 まず、一読するだけで足りるメールです。これには、業者から届くメールマガジンや自分と直接関係のないメーリングリスト上のやり取りなどが含まれます。

 こうしたメールは、一読した後、アーカイブに移動させます。 

 

    f:id:odenya2:20150507041455p:plain

 

 

(2) 保存しておく価値があるもの → EvernoteにWebクリップ

 次に、保存する価値のあるメールは、EvernoteのWebクリッパーを利用して保存します。

 

    f:id:odenya2:20150507042448p:plain

 

 

(3) 返信の必要があるもの → 12時間以内に返信する

 そして、返信の必要があるメールは、できる限り早く返信するようにします。私の場合は、12時間以内に返信することを心掛けています。

 

 なぜ、仕事ができる人はメールの返信が早いのか? | sogilog

 

 

(4) その他

 そのほか、いつか読み返すかもしれないメールにはスターを付ける、決まった時刻に参照することが予定されているメールにはリマインダーを設定する(※後述する「Right inbox for Gmail」を利用。)といった処理をしています。

 

第4 メール送信の際の一工夫 ~送信予約~

 最後に、参考までにメール送信の際の一工夫をお伝えします。それは、送信予約機能を活用することです。

 

 

 送信予約機能を使うと、自ずと作成後にメールを読み返すため、誤字脱字やファイルの添付漏れを防止することができます。

 また、夜間を避けてメールを送信することができるため、受信者への配慮にもなります。

 

第5 終わりに

 以上、私の行っているメール処理法について述べました。

 たかがメール処理、されどメール処理。時間を測ってみると、一日のうち、それなりの時間をメール処理に費やしていることに気付きます。

 そのようなルーティーンワークを可能な限り効率化し、より本質的な作業(知的生産)に時間を割く工夫がナレッジワーカーには求められています。

 日々膨大な量のメールと格闘している方の参考になれば幸いです。

 

 

 

 

予定と記録を一致させる習慣 ~仕事能力のPDCA~

第1 はじめに

 私が仕事で心掛けている習慣として、予定と記録をできる限り一致させる、というものがあります。

 その習慣の内容、そして、そのような習慣によって何が得られるのかについて、本日は私の考えをまとめてみたいとおもいます。


第2 具体例

1 電話メモ、期日メモ、打合せメモ

 まず、「予定」と「記録」とはどういったものを言うのでしょうか。抽象的に述べていても伝わらないと思うので、具体例を挙げましょう。

 

 例えば、電話メモです。

 これは多くの方が実践していると思いますが、電話を掛ける前に、以下のように箇条書きで連絡事項、聴取事項をメモしておくと、漏れを防ぐことができます。

 

4/12  Aさん

1 ○○送付のお願い

 

2 ××で良いか確認してほしい

 

 

 こういった準備をしておくと通話時間が短くなり、双方にとってメリットです。

 

 そして、通話後には、この箇条書きのメモがそのまま記録として残ります。場合によっては、相手の回答を前記メモに書き込んでもいいと思います。

 

4/12  Aさん

1 ○○送付のお願い

 → 本日、郵送する。

2 ××で良いか確認してほしい

 → 確認して折り返し連絡する。

 

 さて、予定と記録を一致させるとは、作業前に作ったメモ(予定メモ)作業後に結果として残るメモ(記録メモ)の項目・内容を、可能な限り一致させることを言います。想定(シミュレーション)と結果を一致させると言い換えてもいいと思います。

 

 なお、電話メモと同様に、私は、裁判期日前に期日メモを依頼者との打合せ前に打合せメモを作っています。

 

2 デイリータスクリスト

 さらに、予定と記録を一致させる習慣において重要だと思うのが、デイリータスクリストです。私の場合、そのようなデイリータスクリストとして、タスクシュートというタスク管理ツールを使用しています。

 

 

 タスクシュートでは、一日の初めに全タスクをセル上に並べた上、それぞれの見積り時間を入力します。これは、言わばタスク処理の予定メモと言えます。

 そして、タスクを順次実行するたびに、実績としての開始時刻と終了時刻を入力していきます。これによってタスク処理の記録メモが出来上がります。

 

 ところで、タスクシュートでは、全タスクとその見積り時間を入力した時点で、全タスクの終了時刻、すなわち想定される帰宅時刻が明らかとなります。ところが、その後実績時間(終了時刻-開始時刻)を入力していくと、実際の帰宅時刻は想定よりも遅くなることがしばしばです。これは想定と記録のズレと言うことができます。

 そこで、見積り時間の精度を磨いていくことで、想定される帰宅時刻と実際の帰宅時刻を限りなく一致させることを目指していくことになります。


第3 予定と記録を一致させる意味

 さて、そのようにして予定と記録を一致させる意味とは何でしょうか。

 これについて、私は、少なくとも、①想定の精度を磨くことができる②記録作成の労力を省くことができる、といった意味があると考えています。

 

1 想定の精度を磨く

 予定メモを作る目的は、事前に結果の想定を行うことにあります。これによって、悪い結果が予想されるならば、方法を変えたり、対策を施すといった対処をすることができ、無用な失敗をしないで済みます。

 そして、乱暴に言ってしまえば、仕事能力の大部分は、この想定の精度に依存します。したがって、仕事能力の成長過程では、想定の精度を磨いていくことが求められます。

 この点、予定メモを作る習慣があれば、結果と照らし合わせることによって、常に自己の想定の精度を測ることができます。そして、もし想定が結果とズレていたならば、ズレの原因を分析し、次回から想定を改善することができます

 つまり、仕事能力の成長過程は、①想定を立て(Plan)、②これに沿って作業を実行し(Do)、③想定と結果を照らし合わせ(Check)、④以後の想定の改善につなげる(Act)という、一連のPDCAサイクルにあるのです。


2 記録作成の労力を省く

 上記のPDCAサイクルを回すためには、作業記録を残す必要があります。

 ところが、一から作業記録を作成するのは非常に面倒です。日報を作成する面倒さを想起すればわかると思います。

 これに対し、予定メモを作成する習慣があり、しかも予定と記録が概ね一致しているならば、事前に作った予定メモがほぼ記録メモとして機能します。記録作成の労力が大幅に削減できるのです(この点については、以下の記事を参照。)。

 

 

  

第4 終わりに

 さて、以上が私の実践している予定と記録を一致させる習慣でした。

 私もまだまだ未熟ですが、日々、想定の精度を磨こうと頑張っています。一見地味な習慣ですが、じわじわと仕事能力の向上に現れてくると思いますので、是非参考にしてみて下さい。

 

 

 

■今週の注目記事

【節約】『賢い人のシンプル節約術』リチャード・テンプラー:マインドマップ的読書感想文

 

 最近、節約と投資に関心が高まっているので、「節約」についての記事をご紹介。

 「給料から自動振替で貯蓄する」などは、貯蓄の仕組み化として非常に優れていると思います。是非、実践してみようと思います。

弁護士一年目の確定申告(青色65万円控除)をサクッと終わらせる方法

第1 はじめに

 先週、初めての確定申告を終えました。青色申告、しかも65万円控除です。

 実は昨年以来、私は、税金についてそれなりに勉強をしてきました。そのため、いざ確定申告を迎えるときには、だいぶ楽な気持ちで過ごすことができました。

 そこで今回は、初めての確定申告を終えて気付いたコツのようなものについて書いてみようと思います。

 

第2 下準備 

1 開業届出書、青色申告承認申請書の提出

 まず、事業所得の発生する新人弁護士は、管轄の税務署に「個人事業の開業届出書」を提出しなければなりません。「事業開始から1か月以内」に提出するものとされているので、できる限り速やかに提出しましょう(少し遅れても勘弁してくれます)。

 また、青色申告を目指す人は、管轄の税務署に「青色申告承認申請書」を出すことが必要です。

 こちらは、最初に青色申告をしようとする年の3月15日(提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日)までに提出する必要があります。消印有効だそうなので、まだ出していない方は郵送で早く送ってしまいましょう。

 

参照: 江戸野郎:新人弁護士向け税金講座(その3)

 

2 会計ソフトの導入

 そして、確定申告をサクッと終わらせるために欠かせないのが、会計ソフトです。

 

 私が使っているのはコレ。「やよいの青色申告 オンライン」です。



 なんと、昨年はキャンペーンにより、年会費無料でした。

 

3 経費入力に役立つスマートフォンアプリ

 確定申告の準備で最も面倒なのが経費入力です。ところが、その経費入力を自動化するスマートフォンアプリがあります。

 「Streamed」というアプリです。



 このアプリは、スマートフォンのカメラでレシートを撮影するだけで、日付、金額、勘定科目、摘要などを自動入力してくれます

 

第3 日々の記帳 

 さて、具体的な記帳作業に入っていきましょう。

 

 1 経費の入力(Streamedで撮影するだけ!)

 経費の入力は、定期的に行うのがオススメです。入力の漏れがなくなるからです。

 私は毎日早朝の時間を利用して行っています。

 もっとも、経費入力といっても、Streamedを使ってレシートを撮影するだけなので、5分から10分で終わります

 

2 売上の入力(報酬の振込先口座は一つに!)

 次に、売上は、その都度、やよいの青色申告オンラインに入力します。

 その際注意すべきは、報酬の振込先口座を一つにしておくことです。これによって、売上を見落とすことがなくなります。

 弁護士一年目であれば、悲しいかな、そう頻繁に報酬が入金されることはありませんので、売上の入力は、月に数回程度、まとめて行えば十分です

 

3 経費のレシート等はバインダーで保管する

 なお、経費のレシート等は、当該年度の確定申告の提出期限から7年間の保管義務が課せられています

 レシート等の管理にこれといった決まりはありません。月ごとに分けて封筒やクリアファイルで入れておく程度で構いません。



 

 私はキングジムの領収書バインダーを使用しています。

 

キングジム 領収書ファイル A4 1/3  2380 ライトグレー

キングジム 領収書ファイル A4 1/3 2380 ライトグレー

 

 

 

 なお、この点誤解しがち(?)なのが、「領収書の電子保存」です。

 確かにそのような制度はあるのですが、要件が極めて煩瑣である上、Acrobat等の有料ソフトをダウンロードする必要があり、少なくとも個人事業主にとってメリットはないと思われます。



 

第4 確定申告書の作成

 1 「事業主借」、「事業主貸」を活用する

 さて、いよいよ確定申告書類の作成です。

 といっても、会計ソフトを使用するため、ガイドに沿って数字を入力したり、メニューを選択していけばよく、これまでにきちんと記帳を行っていれば決して面倒な作業ではありません。

 ただ、唯一コツ(?)を上げるとすれば、勘定科目を全て「事業主借」(経費の場合)、「事業主貸」(売上の場合)にしてしまうことです。

 細かい説明は省きますが、こうすることによって金銭の振替を行う必要がなくなり、取引の入力が圧倒的に楽になります

 ただし、このような会計処理は事業会計と家計をごちゃ混ぜにしているも同然であるため、事業規模が小さく、従業員がいない間にとどめておいたほうがいいかもしれません。



 

 2 経費の勘定科目にはこだわらない

 経費には、「研究費」、「接待交際費」といった勘定科目があります。

 しかし、結論から言うと、勘定科目にこだわる必要はありません。経費の金額が一致さえしていれば、納税額が変わることはなく、税務署側にも追及する動機がないからです。

 もっとも、特定の科目のみが突出して高いと税務署に怪しまれるそうなので、完成した損益計算書を見て、金額を平準化するようにしましょう

 この当たりの豆知識は、きたみりゅうじ『フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。』に網羅されています。

 

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

 

 

 

第5 e-taxを活用する

 さて、確定申告書は郵送で提出することもできますが、さらに提出を簡素化したいのであればe-taxを使うのがオススメです。

  文字数の都合上、詳しい説明は省きますが、代わりに以下の記事を紹介しておきます。



 

第6 まとめ

 正しい節税のためには、青色申告を行い、かつ、掛かった経費を漏れなく計上することが重要です。

 他方で、確定申告やそのための記帳作業に時間を取られ、本業に支障が出てしまっては本末転倒です

 そこで今回は、しっかり節税しつつ、その作業を最大限効率化する方法を紹介しました。

 この記事を読んだ新人弁護士の皆様が、来年3月に晴れやかな気持ちで確定申告を迎えられたら望外の喜びです。

 

 

 ■ 今週の注目記事



 ファーレンハイトさんの記事。

 「自分のスタイル」を持つことの大切さは、恋愛に限らず、人間全般に言えることなんだと思います。

 そういえば、ファーレンハイトさんは、昨年の「ブロガーズフェスティバル」のパネルディスカッションでもそんな話をしていました。それは「企業に求められるブロガーになるには」というテーマだったと思います。

 私ももっと自分のスタイルを開示していこうと思いました。モテたいしね。

私的データベース構想の概要

第1 はじめに

 私は、昨年12月に以下のツイートをしました。

 

 

 法令や判例などのリサーチ業務は、企業法務に就いている弁護士に限らず、町弁にとってもしばしば必要です。

 そのようなリサーチ業務に要する資料へのアクセスについて、私は、これまで個人レベルで工夫を行ってきました。Evernoteをプラットフォームにした資料の収集・管理です。

 

 ところで、その過程で、現在個人で行っているような工夫をチーム単位で行うことができれば、業務効率化を数倍に加速することができるのではないかと考えるようになりました。

 それが、以下に述べる「私的データベース構想」です。

 

 すなわち、①データベースを構成する資料を「収集」する段階、②他人が使用できる形に資料を「規格化」する段階、そして③資料をチームで「共有」する段階を循環させることによって、無限に成長していくデータベースを作ろうという構想です。

 

第2 Evernoteへの収集

 1 紙の資料をスキャン

 民間のデータベースの難点は、何よりもコンテンツが既定されていることです。そのため、日常業務に必要な資料が網羅されていない反面、必要のない資料が多数登載されていたりします。そして料金が高いのです。

 

 これに対し、私的データベースであれば、コンテンツは自由自在です。

 例えば、スキャナーがあれば、紙媒体でのみ提供されている資料をデータベースに取り込むことができます。

 

 2 WEB上の書式を収集

 また、WEB上の公開情報にも有益なものが多くあります。

 例えば、各地方裁判所が公開している申立書の書式などは、これを加工することによってそのまま業務に使用することができます。

 

 3 固有書式、ノウハウを形式知化

 さらに、弁護士個人が作成した書式を、個人情報を匿名化した上でデータベースに登載することも考えられます。

 また、仕事をしている中で発見したノウハウなども、言語化して形式知化することによって、十分にコンテンツになり得ます。

 

第3 規格化

 1 ファイルタイプ等の統一

 このようにして収集した資料を他の弁護士と共有するに当たっては、他のメンバーにとって利用しやすい形に規格化されていることが重要です。

 例えば、閲覧用の資料は、PDFに統一されているほうが便利だと考えられます。これに対し、書式などの編集用の資料は、多くの人が使っているWord形式で統一されているほうが便利です。

 また、ダウンロードすることを前提に考えれば、ファイルサイズなども出来る限り小さくしたほうがよいと考えられます。

 

 2 タイトル付け、ラベル付け

 加えて、事後の検索を容易にするために、タイトル付けのルールをメンバー全員で合意しておくことが重要です。例えば、「記事名」「媒体名」「刊行日」などの要素を入れておくと検索がし易いと思われます。

 さらに、検索で探しづらいコンテンツには、必要に応じてラベル付けをしておくとよいと思います。

 

第4 共有

 1 共有ノートブックの作成

 そして、いよいよコンテンツを共有ノートブックに移し、チームで共有を行います。

 共有ノートブックの作成以後は、コンテンツの収集を分担したほうがいいと思います。スピード、コストの両面からです。

 また、共有によって、コンテンツの規格化の速度も早まることが考えられます。あるメンバーが投稿したコンテンツを、他のメンバーが編集するといった共同作業が可能になるためです。

 

 2 ワークチャットで資料をサジェストする

 さらに、個人的に重要だと思うのが、Evernoteに最近導入された「ワークチャット機能」です。これを利用して、有益な資料をお互いにサジェストし合うことができます。
 このようなやり取りは、普段、同僚弁護士との間で行っているものですが、ワークチャットを使うことによって、それを他事務所の弁護士との間で行うことができるのです。

 

第5 終わりに

 いかがだったでしょうか。

 一つ誤解していただきたくないのは、私は、単に時間や費用の削減のために資料の共有ということを言っているものではないということです。

 

 究極の目的は、知的生産のネットワーク化です。

 これをまずは弁護士業務の効率化として始めてみようというのが上記構想なのです。

 

 業務効率化や知的生産に関心の高い先生からのご意見をお待ちしております。

 

 

 ■ 今週の注目記事



 ここでちょっとしたコツがあるとすれば、じゃあ空き時間を有効に活用しなければと、必死に頭を回転させようとはしないことだ。
 次、なんだっけ? という程度で十分だと思う。
 これが自然にできるようになると、ひとつひとつの作業はお互いにまったく別物だったりするのに、間髪入れず連続して作業ができるようになったりする。
 技術的な作業をしていたかと思えば、数字的な作業に移り、対人作業に移り、それぞれの関係者と言葉を交わし、といった具合だ。

 

 これはその通りだと思います。

 そして、そのような動きを可能にするツールが、『マニャーナの法則』で述べられている「クローズ・リスト」です。

 

 

マニャーナの法則 明日できることを今日やるな

マニャーナの法則 明日できることを今日やるな

  • 作者: マーク・フォースター,青木高夫
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
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 近いうちに、タスク管理に絡めて同書の内容を紹介したいと思っています。

私の読書法持論

第1 はじめに

 仕事を始めて以来、私は、実用書を中心に多くの本を読んできました。言うまでもなく、仕事の質を向上させるためです。

 

 

 

 働きながら一定量の読書をこなすというのは、想像以上に難しいことでした。余暇の総時間数が限られており、まとまった読書時間を確保できるとは限らないからです。

 そこで本日は、限られた時間の中で効率的・効果的に本を読むために、私が試行錯誤して編み出した読書の方法論を紹介したいと思います。

 

第2 読書の目的を明確にする(目的論)

 1 読書の「目的」とは?

 私たちは、貴重な余暇をどのような活動に振り向けるかという問題に直面しています。そのような余暇をあえて読書に費やそうとするのであれば、読書には明確な目的意識が必要となります。

 すなわち、「なぜ本を読むのか?」という問いを常に持つということです。

 このことは様々な「読書法」「速読法」で語られる、言い古された格言ではありますが、確かに読書の質を飛躍的に向上させる効果があります。

 

 2 読むべき本を限定する

 (1) 全ての本を読むことはできないし、読む必要もない

 読書の目的を明確にすることの効用としては、読むべき本を限定することができる点が挙げられます。これには3つの含意があります。

 

 第1に、そもそも読書の目的から外れる本は読む必要がないということです。

 第2に、読書の目的があるとしても、他の手段によって目的が達成できる場合に、あえて時間を掛けて読書をする必要はないということです

 第3に、読書の目的があり、その目的を達するために読書が最良の手段であるとしても、あえて何冊もの同種の本を読む必要はないということです。

 

 以下、順次説明していきましょう。

 

 (2) 目的を欠く本は読まない

 まず、あなたが何らかの目的(ある分野の知識を得たい、自己啓発したいといった、etc.)を持って読書をしようとしているのであれば、そのような目的を満たさない本は読む必要がありません。

 本好きの人がしばしば陥りがちですが、目的を意識することなく読書していると、読書自体が目的化してしまうことがあります。

 時間の余っている学生時代であれば問題はありませんが余暇の限られている社会人にそのような余裕はありません。

 

 (3) ネット検索で事足りてしまうこともある

 次に、あなたの目的を達する手段は読書だけではありません。現代においては、様々な情報獲得手段があり、とりわけインターネット検索で前記目的を達成できることも少なくありません

 読書は一定の時間とお金の投資を伴うものです。インターネット検索のような手段で目的を達することができ、しかもそのほうが低コストであれば、あえて読書をする必要はないのです

 

 

 

 (4) 目的のための最良の一冊を読む

 そして、目的を達する最良の手段が読書であったとしても、あなたはその目的ける最良の一冊だけを読めばよいのです。

 最良の一冊を探す方法の要点は以下のとおりです。

 

・ 各書籍の目次を読む

・ Amazon検索のランキング、点数、レビューの数・内容を比べる

・ 書評ブログを読む

 

 要するに、予め本の内容を大雑把に把握しておくことが重要です。 

 

 3 読む部分を限定する

 さらに、そのようにして選んだ「最良の一冊」の中にも、読書の目的に関係のない部分が含まれていることがあります。

 そのような場合、まず目次を概観した上で、読むべき部分・読むべきでない部分を区別します。そして、大胆に飛ばし読みしていくのです。

 

第3 高速大量回転法(手段論)

 1 「高速大量回転法」とは?

 さて、これまで目的論について述べてきましたが、ここからは手段論に入っていきたいと思います。すなわち、①読書の目的を定め②そのような目的を満たす最良の一冊が決まり、しかも、③最良の一冊の中でも読むべき部分・読むべきでない部分が決まった後、どのようにして効率的・効果的に読書を進めていくかがここから先の問題になります。

 そのような手段として、私が勧めるのが、宇都出雅巳氏が提唱する「高速大量回転法」です。 

 

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫)

どんな本でも大量に読める「速読」の本 (だいわ文庫)

 

 

 

 2 具体的方法

 「高速大量回転法」の要旨は以下のとおりです。

 

① 最初の2~3分で目次を5~10回転する

② まえがき・あとがきを5~6分で10回転する

③ 5~6分かけて本文を見出しの拾い読みをしながら3回転する

④ 15分で自分の気になった言葉・箇所を中心に本文を回転読みする

(同書p.121)

 

 この方法を使えば、どんな本でも30分で「読める」(注:「要約が言える」程度に内容を理解すること(同書p.111))ようになります

 

 その詳細や、30分で本が読めるようになる理由については、前掲書をお読み下さい。

 

第4 おわりに

 以上、私の読書法持論を紹介しました。

 多忙な社会人の方の参考になれば幸いです。

 

「レシピ」があれば、ブログは書ける!

第1 はじめに

 先週、二度寝を防ぐ習慣について記事を書いている過程で気付いたことがありました。

 それは、自分が普段行っている習慣を手順に沿って紹介するだけで、ブログ記事が一本書けてしまうという事実です。

 今回はそのことから気付いたブログ記事作成のコツについて、「レシピ」という概念を交えて紹介したいと思います。

 

第2 「レシピ」とは?

 「レシピ」とは、文字通り料理のレシピのように、何らかの作業をする際に参照する手順書、あるいはチェックリストのようなものです(「シゴタノ!」の大橋悦夫さん、佐々木正悟さんによる造語です。)。

 例えば、朝、職場に着いてから、コーヒーを淹れる、メールチェックをする、・・・etcといった、毎回行う定例の作業手順があるとすれば、それは立派なレシピです。そのような意味では、誰でも意識的または無意識のうちに複数のレシピを持ち、かつ、実践しているはずです。

 そして、私が先週の記事で紹介した「真冬の朝の二度寝を100%防ぐ4つの習慣」も、私にとってそのようなレシピの一つでした。

 

 

  このような「レシピ」は、元々自ら実践するためのものですが、それがもし普遍性を持ち、他人にとっても実践可能な習慣であれば、これを公開することに意義が出てきます。

 そして、そのような「レシピ」を公開するメディアとして、ブログは最適ではないかと思うのです。


第3 「レシピ」を中心にブログを書く

 1 「レシピ」を公開する

 そこで、「レシピ」を中心にブログを書く際の手順を紹介します。

 

 記事を書くに当たっては、まず、紹介したい「レシピ」を選び、ブログに転記することが必要となります。

 先週の記事について言えば、

 

① 起床時刻に合わせてエアコンのタイマーを設定する

② 目覚まし時計を手の届かない範囲に置く

③ 早朝の10分間ウォーキングをする

④ 帰宅後、顔を洗って水を一杯飲む

 

という手順が「レシピ」の部分に当たります。

 

2 「Why?」「What?」「How?」の観点から「レシピ」を掘り下げる

 そして、転記した「レシピ」を記事の形にする際には、「レシピ」の各手順を掘り下げていくことになります。

 

 その際、

 

Why?・・・理由、目的
What?・・・定義、説明
How?・・・方法


という三つの観点から掘り下げていくことが有効です。

 

 特に、この場面では「Why?」の観点が重要です。新たな習慣の確立に当たっては、なぜその習慣が必要になるのかを理屈によって納得することが欠かせないからです。

 実際、先週の記事もそのように「Why?」の観点から各手順を掘り下げるものとなっています。

 

第4 終わりに

 これまで私はブログの更新を難しく考え過ぎていたように思います。

 しかし、実際には、最低限「レシピ」を公開し、必要に応じてそれを掘り下げることによって十分読むに耐える記事を書けるわけです。

 そして、数の点で言えば、私にはこれまでEvernoteに書き溜めてきた膨大な数の「レシピ」があります。ネタは尽きないわけです。

 これから難しく考えずに、記事を量産していけたらと思います。

 

真冬の朝の二度寝を100%防ぐ4つの習慣

第1 はじめに

 大寒を過ぎてますます寒くなってきました。

 さて、この季節は、これまで私にとって最も厄介な季節でした。寒さのために布団から出ることができず、二度寝をして時間を無駄にしていたからです。

 ところが、今年になって、以下に紹介する4つの習慣を実践し始めてからというもの、思い通りの時刻に快適に目覚めることができるようになりました。

 そこで、今回の記事では、かつての私と同じ悩みを持つ方のために、真冬の朝の二度寝を100%防ぐための習慣をお伝えしたいと思います。


第2 二度寝を防ぐ4ステップ

 その習慣とは、以下に述べる単純なステップです。

 

① 起床時刻に合わせてエアコンのタイマーを設定する

② 目覚まし時計を手の届かない範囲に置く

③ 早朝の10分間ウォーキングをする

④ 帰宅後、顔を洗って水を一杯飲む

 

 これらは、一つ一つを取ってみても、心地良い目覚めのためのTipsとして紹介されているものですが、4つを組み合わせることによって絶大な効果を生むのです。

 以下、順番に説明していきます。


 1 ①起床時刻に合わせてエアコンのタイマーを設定する

 真冬の朝に布団から出ることができない最大の理由は、言うまでもなく部屋の寒さに耐えられないからです。したがって、第1のステップとして、起床時刻に合わせて部屋を温めておくことが必要となります。

 そこで、前日の夜にエアコンのタイマー機能をセットしておきます。

 これによって、まず、布団から出るための準備を整えることができました。


 2 ②目覚まし時計を手の届かない距離に置く

 さて、準備ができた後は、実際に布団から出て起き上がることが必要です。

 

 これを実現するのは気力でしょうか?

 いえ、違います。気力だけで布団から出ることができるのであれば、そもそも二度寝で悩んでなどいないはずです。我々に必要なのは、強制的に布団から出るための装置です。

 そのための強制装置として最も有効なのが、目覚まし時計を手の届かない距離に置くことです。言い古されたアイデアではありますが、これで確実に布団から出ることができます。


 3 ③10分間の早朝ウォーキングをする

 ところが、一度は起き上がることができたのに、その後、誘惑に負けて再び心地の良い布団に戻ってしまうというのは、多くの人が経験するところではないでしょうか?

 誘惑に負けてしまうのは、起き上がっただけでは脳が目覚めておらず、睡眠の態勢に戻ろうとしてしまうためです。そこで、何らかの方法によって脳を目覚めさせる必要があります。

 そのために最適なのが、10分間の早朝ウォーキングです。起床後すぐにウォーキングをするルーティンタスクを己に課すのです。

 早朝ウォーキングには、2つの効用があると感じています。

 1つ目の効用は、ウォーキングという行為自体によって、交感神経が活性化し、自然と脳が覚醒することです。

 また、2つ目の効用として、起床後のタスクが予定されていることにより、無為に二度寝してしまうことがなくなります。

 

 4 ④帰宅後、顔を洗って水を一杯飲む

 最後に、早朝ウォーキングによって目覚めはじめた脳を完全に覚ましましょう。

 そのために効果的なのが、冷たい水で顔を洗うこと、そして冷たい水を飲むことです。冬ならではの刺激を利用して、体内外から脳に刺激を与えるのです。


第3 終わりに

 以上に紹介したのは極めて単純な習慣ですが、これを実践することによって驚くほどに寝覚めが良くなります。是非一度お試し下さい。

 

 

 ■今週の注目記事



 最近のことですが、『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んで以来、資産運用に関心を持ち始めています。

 といっても、現段階では元手も十分ではないので、まずはしっかり家計簿を付けて貯金を蓄えつつ、近い将来の投資先について少しずつ勉強を重ねていきたいと思っています。

 それにしても、金融資産1億円というのは夢ですね(・_・)

Inbox上流・下流理論

第1 はじめに

 既に記事にしたとおり、私は、「GTD」と呼ばれる手法を用いてタスクを管理しています。

 

 

 このGTDの鍵となるのが「Inbox」という概念です。

 そこで、本日は、Inboxについて、私の理解をお伝えしたいと思います。


第2 Inboxとは

 Inboxという概念については、デビッド・アレン『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』の記載が参考になると思います。以下、引用します。

 

 実のところ、「気になること」の多くは、本書を読んでいる間にも自然に集まってきているはずだ。郵便受けには郵便物が届くし、書類受けにもメモが置かれる。パソコンの受信箱にはメールが入ってくる。それだけではない。何とかしなくちゃと思っているもやもやとしたものが頭の中にたくさん詰まっているはずだ。これらはメールのようにはっきりとした実体はないが、何らかの解決を必要としている「気になること」であるはずだ。また、キャビネットには種々のアイデアが書かれたレポート用紙があり、引き出しの中には修理するか捨てるかしないといけない雑多なものが眠っているだろう。これらのすべてがあなたにとっての「気になること」となっているのである。


(中略)


 これらの「解決していないこと」をうまく管理していくには、いったんそれらをすべて一時的な受け皿に保管しておこう。GTDではその受け皿を「Inbox」と呼ぶことにする。Inboxに保管したものは、時間のあるときにその意味を考え、行動の必要があるなら具体的に何をするのか考えるとよいだろう。そして、このInboxは、次に説明する「処理」によって定期的に空にし、収集ツールとしての機能を維持していかなくてはならない。

(同書p.46~47)

 

第3 Inboxは複数存在する

 ここで注意しなければならないことがあります。GTDの理論において、Inboxは複数存在することが前提とされていることです。

 

 私の場合、典型的には、以下のようなツールをInboxとして使用しています。

 

 (1) 手紙、FAX → レターケース

 (2) メール → GmailのInbox

 (3) データファイル → デスクトップ

 (4) 領収書 → 財布

 (5) 出先で受け取った書類 → クリアファイル

 (6) アイデア → EvernoteのInboxノートブック

 (7) タスク → Nozbe

 

第4 Inboxの数は本当に「必要最小限」でなくてはならないか

 ところで、GTDの理論においては、Inboxの数は必要最小限にするのがポイントとされております。集める場所が多すぎると「処理」(Inboxに集めたものひとつひとつについて必要な判断を下し、とるべき行動を見極めること)が煩雑になったり、「処理」を定期的に行うことが難しくなるためです。

 

 確かに、「処理」を行う場としてInboxを定義するならば、その数は必要最小限でなくてはならないと思います。この意味におけるInboxを、”下流のInbox”と呼びます。

 これに対し、単に「気になること」が「収集」される場としてInboxを定義するならば、その数は先の下流のInboxよりもはるかに多くなるはずです。この意味におけるInboxを、”上流のInbox”と呼びます。

 

 上流のInboxには、以下のようなものが含まれます。

 

 a. 物 → あらゆる空間

  例えば・・・

   仕事に使う物、書類 → デスク

   家事に関する物 → 洗濯かご、流し台、洗い物かご、床

 

 b. アイデア、タスク → 脳

 

 こうした上流のInboxには、「気になること」が自然と集まってきます。そのような「気になること」を放置していては、空間は物で支配され、脳みそは懸案で一杯になってしまいます。

 そこで、上流のInboxに集まった「気になること」を下流のInboxに「収集」し、下流のInboxにおいて「処理」しなければなりません。

 Inboxという概念の本当の意義は、各自がこうしたInboxの上流・下流を認識し、「気になること」を整理するシステムとして確立することにあるのではないでしょうか。


第5 終わりに

 以上、Inboxという概念について、私の考えを述べました。

 このような理解がGTDの理論に照らして正しいか否かはともかくとして、少なくとも私は、Inboxの上流・下流を意識して、物やアイデア、タスクの整理を行っています。

 部屋を綺麗に保つことができているという点では成功していると思います(笑)

 ご参考にしてみてください。

 

 

 ■ 今週の注目記事

 

 

 最近、心理学が仕事にもたらす効果について関心を持っています。

 上記記事は、スポーツや仕事で最高のパフォーマンスを可能にするとされる「フロー理論」に関するものです。

 「フロー理論」は非常に奥が深いので、記事を読んで興味を持たれた方は、チクセントミハイ氏の著書を読んでみることをお勧めします。

  

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

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上司が教えてくれた「考える技術」

第1 はじめに

 この一年で学んだスキルのうち、最も重要なものは何だろうかと考えたとき、それは間違いなく「考える技術」だと断言できます。

 そして、具体的な技術こそロジカルシンキング系の書籍から学んだものの、基本的な考え方を私に教えてくれたのは、他ならぬ直属の上司(ボス弁)でした。

 そこで、本日は、「考える技術」について、私の思うところを記事にしたいと思います。


第2 「考えること」と「判断すること」

 1 上司の手足ではなく、頭脳になる

 イソ弁(勤務弁護士のこと)になりたての頃の私は、いわゆる「指示待ち社員」でした。何か問題が生じると、すぐ上司に報告し、どのように解決すればよいか指示を求めていました。

 しかし、そのような態度は、当然ながら叱られました。「考えろ」と何度も言われました。

 思い返せば、当時の私は、部下(イソ弁)は上司の手足として働くものだと思っていました。

 しかし、上司は数人いる部下にそれぞれ数十件の案件を割り振っている上、自分自身でも案件を抱えているわけですから、全ての案件について頭脳たることはできません。必然的に、部下が上司の頭脳となる必要があるのです

 そのことに気付いてから、私は部下の役割について考えを改めました。部下は、上司の頭脳として働かなければならないのです

 

 2 独断専行ではいけない

 考えることを学んだ私ですが、ある日、上司の許可を得ることなく仕事を進めたことがありましたその仕事が、その状況では誰もがその方法を選ぶような自明のものだったからです。

 ところが、そのことを事後報告したところ、私は、上司からこっぴどく叱られました。「君個人の案件ではないのだから、必ず事前に相談しろ」と言われました。

 今から振り返ってみれば、仕事のプロセスは常に「考える」→「判断する」→「実行する」の順序で成り立っています。そして、上司の案件である以上、判断は必ず上司が下さなければならないのです。

 したがって、上司の判断をすっ飛ばして実行に移してしまった私が叱られるのは当然のことでした。


 3 部下の役割、上司の役割

 そのような経験を通して、私は、部下の役割と上司の役割を学びました。
 すなわち、部下の役割は、考えて仮の結論(以下「仮説」といいます。)を出すことにあります。これに対し、上司の役割は、その仮説の採否を判断することにあります。

 言い方を変えれば、部下は適切な仮説を作ることに対して責任を負い上司は仮説を実行に移した結果に対する責任を負うということです。


第3 適切な仮説の条件

 1 疑問が残らない

 そこで、次なる問題は、適切な仮説の条件とは何か、ということです。

 

 さて、部下の役割を学んだ私ですが、その後も上司には「考えること」について何度も叱られました。ただし、単純に「考えろ」と叱られることはなくなり、その代わりに「十分に考えろ」と叱られるようになりました。

 十分に考えていないのは、仮説に疑問が残るためでした。「なぜ?」、「いつ?」、「どこで?」といった問いに対して答えが準備できていなかったのです。

 そこで、以後、5W1Hに照らして、仮説に疑問が残らないかどうかを精査するようになりました。


 2 Yes or No を迫ることができる

 疑問が残らない仮説は、上司に直ちに採否の判断を迫ることのできるものです。なぜなら、その時点で必要となる事実調査や情報収集を済ませているからです。

 そして、上司に仮説の採否を迫る際は、ほとんどの場合、Yes or No の形を取ります。

 確かに、いくつかの選択肢の中から自分で考えたいという上司に対しては、A or B の形で判断の迫るのが適切という場合もあります。しかし、そのような性格の上司でない限りは、2案を示す以上、「自分としてはA案が妥当と考える(なぜなら・・・)」というところまで意見を示す必要があります。

 結局、Yes or No が原則型になるのです。


 3 実行に結び付く

 そして、最後の条件として、仮説は、直ちに実行に結び付くものでなければなりません

 

 仮説思考の有名な比喩に、「空・雨・傘・紙」というものがあります(河瀬誠『戦略思考コンプリートブック』(日本実業出版社))。

 すなわち、

 

 ① 空を見上げると、濃い雲がかかっている(事実)

 ② 明日は雨が降りそうだ(分析)

 ③ 明日は傘を持って行こう(解決策)

 ④ 傘を忘れないために、紙を玄関に貼っておこう(行動)

 

 という4つのステップのうち、具体的な行動を指す④の段階まで仮説を具体化する必要があるのです。 


第4 終わりに

 以上、「考える技術」に関する私の考えを紹介しました。

 偉そうに書きましたが、私、今でも「十分に考えろ」と叱られています(苦笑)

 叱られることを通して、考えることがいかに我々知識労働者の仕事の基礎であり、同時に奥深いものであるかを日々実感しています。

 

 ところで、冒頭にも述べましたが、考える技術については、ロジカルシンキング系の書籍が非常に参考になります。末尾に参考書籍を掲げますので、興味のある方はお読みになってみてください。


第5 参考書籍

  

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)

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新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

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考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

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  • 作者: バーバラミント,グロービスマネジメントインスティテュート,Barbara Minto,山崎康司
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本
  • 購入: 76人 クリック: 775回
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入門 考える技術・書く技術

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戦略思考コンプリートブック

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■ 今週の注目記事

やることを管理しよう ー 自己管理のベーシックレシピ

 

 作業内容締め切りを明確にすることや、マスタータスクリストデイリータスクリストを区別することなど、私のタスク管理手法と共通する部分が多く、興味深く読みました。

 紹介した記事は、「自己管理のベーシックレシピ」と題する連載の第4回目の記事ですが、以前の記事も非常に勉強になる内容でしたので、興味のある方は、是非お読みになることをお勧めします。

睡眠の質を保つために私が実践していること

第1 はじめに

 質の高い睡眠は、疲労を回復し、ストレスを解消する最も優れた手段であり、生活の質を保つために欠かせません
 私自身、この1年間はそれなりに大変なものでしたが、睡眠の質を保つことができたからこそ、心身の調子を崩すこともなく、元気に過ごすことができました。
 そこで今回は、睡眠の質を保つために私が実践していることを紹介したいと思います。

 

第2 質の高い睡眠のための三段階

 1 総論

 私は、質の高い睡眠を確保するためには、次の三段階に着目することが重要と考えています。

 その三段階とは、①入眠②メジャースリープ③目覚めです。

 

 2 入眠

 入眠とは、文字通り眠りに入るまでの段階を言います。

 質の高い睡眠のためには、次に述べるメジャースリープに早く入ることが重要であるところ、入眠が阻害されると、それだけメジャースリープに入る時刻が遅れるため、睡眠効率が下がります

 

 3 メジャースリープ

 メジャースリープとは、レム睡眠とノンレム睡眠からなる長くまとまった睡眠のことです。睡眠の効率は、いかにこのメジャースリープをしっかり取ることができるかにかかっています。

 そして、メジャースリープが阻害されると、眠りが過度に浅くなり、夜中に目が覚めてしまいます。

 

 4 目覚め

 目覚めとは、眠りから覚める段階のことを言います。

 目覚めが阻害されると、朝、なかなか起きることができず、無駄に二度寝をしてしまったりします。

 

第3 各段階において睡眠の阻害要因を防ぐ

 そこで、睡眠の質を高めるためには、前記の各段階ごとに阻害要因を認識し、それを防ぐことが重要になってきます。

 

 1 入眠の阻害要因とその対策

 (1) 頭を使う活動

 入眠を妨げる要因としては、まず、頭を使う活動があります。

 具体的には、寝る直前まで仕事をしてしまうと、興奮してなかなか眠れなくなってしまいます。文章の執筆などの作業も同様です。

 そこで、私は、寝る30分前以降は頭を使う活動を避け、頭よりは手を動かす家事などの活動を行うようにしています。

 

 (2) カフェイン

 言うまでもないことですが、カフェインには覚醒効果があるため、入眠を妨げます。私は寝る3時間前からはカフェインを取らないようにしています。

 

 (3) 遅い入浴

 入浴には、血圧を高め、体を興奮させる作用があります。程よい時間帯の入浴には、むしろ入眠を促進する作用があるそうですが、寝る直前に入浴することはNGです。

 そのような考えから、私は、寝る1時間前に入浴を済ませています。

 

 (4) 強い光

 寝る前の時間帯に強い光を浴びることは、脳に刺激を与え、入眠を阻害します。特に、スマートフォンやパソコンのバックライトは、寝る直前に見ないほうが良いとされています。

 私は、寝る直前の10分間ほどは、極力スマートフォン等を見ないようにしています。

 

 2 メジャースリープの阻害要因とその対策

 (1) アルコール

 アルコールは、入眠を促進する作用がある一方、眠りを浅くし、メジャースリープを妨げます

 そのことを知ってから、私は、いわゆる寝酒を止めました。

 

 (2) 音

 メジャースリープの最中は、できるだけ音のない環境が望ましいです。大きな音がすると、睡眠中に目覚めてしまうおそれがあるためです。

 特に、携帯電話の着信音はオフにしておくべきと考えます。

 

 (3) 光

 強い光はメジャースリープの阻害要因でもあります。

 寝るときは、消灯するか、あるいは豆電球にしましょう

 

 (4) トイレ

 夜中、トイレのために目覚めることもメジャースリープの阻害要因です。

 そのため、私は、寝る直前には水分を取らないようにしています。

 

 (5) 寝る直前の食事

  寝る直前に食事を摂ると、消化活動が始まってしまい、深い眠りに入ることができません

 そのため、私は、遅くとも寝る1時間半前には夕食を終えるようにしています。また、食事量としても、夕食の量は少なめにしています。

 

 3 目覚めの阻害要因とその対策

 (1) 暗闇

 目覚めの段階では、それまでと反対に、暗闇の環境が阻害要因となります。朝が来たことを体が実感することができないのです。

 そこで、目覚める時間が来たら、カーテンを開け、朝日を浴びることが推奨されます。

 また、朝日の昇る時間より前に起きるライフスタイルの人には、人工の光を活用することを勧めます。

 以下に紹介するのは「光目覚まし」という商品ですが、最近導入し、非常に重宝しています。  

 

 

 (2) 寒さ

 また、冬の季節には、寒さが目覚めの阻害要因となります。寒くて布団から出たくないアレです。

 そこで、これも巷でよく言われていますが、起床時刻の30分~1時間前に暖房のタイマーをセットしておくと、目覚める時刻に部屋が暖まっており、スムーズに目覚めることができます。

 

 (3) 「時間がある」という錯覚

 最後に、出勤まで時間があるという錯覚も、目覚めの阻害要因となります。本来有効活用できる時間を二度寝に費やしてしまうのです。

 そこで、翌朝の予定を前日に立ててしまうことを勧めます。取り組むべきタスクが明確になることで、貴重な時間を二度寝に費やすことが少なくなるはずです。

 

第4 まとめ

 以上、睡眠の質を保つために私が実践していることを紹介しました。

 きちんとした睡眠を取ることは、現在の私にとって食事以上の最優先事項です。睡眠なくして仕事の効率も生活の充実も保つことはできません。

 ところで、睡眠に関しては多くのハウツー情報が存在しますが、その多くは短時間睡眠を実現し、可処分時間を増やすことを目指すものです。

 しかし、私の実感する限り、一定量のメジャースリープは不可欠であり、短時間睡眠には限界があります(私の場合、6時間の睡眠を必要とします。)。そこで、無理に睡眠時間を短くする方向ではなく、自分に合った睡眠時間と時間帯を認識し、その中で最大限の睡眠効率を達成することが何より大切と考えて、今回の記事を書きました。

 あくまで個人的実践ではありますが、読まれた方の参考になれば幸いです。

 

 

■ 今週の注目記事

 

 

 垂涎ものですね・・・。

 休日に訪れてみたいと思います。

日常の弁護士業務で繰り返し参照しているWEBリンク集

 今回の記事では、私が日常業務で参照しているWEBサイトを紹介したいと思います。

 各リンクに対するコメント等は後日追記予定です。

 

・リーガルリサーチ

「裁判例情報」 / "裁判所"

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1

 

「法令検索」 / "e-Gov"

http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi

 


・書籍

"弁護士会館ブックセンターWEB"

http://www.b-books.co.jp/

 

"至誠堂書店WEB"

https://ssl.shiseido-shoten.co.jp/index.php

 

"丸沼書店WEB"

http://www.marunumashoten.com/

 

「第3部 参考書籍」 / "即時・早期独立開業マニュアル 三訂版"

http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/legal_apprentice/data/sokuji_soukidokuritumanual.pdf

 

「会務研究委員会報告 業務に役立つ書籍アンケート結果発表 」 / "法曹同志会"

http://housou-doushikai.jp/about/recommendedbooks.html

 

 

・事務

「利息計算」 / "実務の友"

http://www5d.biglobe.ne.jp/~Jusl/Keisanki/Risoku/risoku.html

 

「郵便番号検索」 / "郵便局"

http://www.post.japanpost.jp/zipcode/index.html

 

"登記・供託オンライン申請システム"

http://www.touki-kyoutaku-net.moj.go.jp/

 

 

・報酬

「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」

http://www.ohkubolaw-jiko.jp/bengoshihousyu.pdf

 

「民事法律扶助 代理援助立替基準」

http://www.hirano-office.jp/houterasu-hiyou.pdf

 

 

・弁護士情報検索

「弁護士情報検索」 / "日本弁護士連合会"

https://www.nichibenren.jp/member_general/lawyerandcorpsearchselect/corpInfoSearchInput/changeBarSearch/

 

「弁護士の登録番号と修習期の早見表(2014.4版)」 / "弁護士鶴間洋平の「新時代のプロフェッションを目指して」"

http://tsuruma-law.jp/archives/660

 

 

■ 今週の注目記事



 著者は、この方法を「本当に読んだ人と感想をなんとなく語り合える程度には内容を理解する」ために用いていますが、そもそも読む本を選別する方法としても応用できると思います。

 実際、私はこれと似た方法で読む本を選別しています。そのため、気になった本でも、実際に買わなかったり、買っても読まなかったりすることがよくあります。

 その方法については、今後記事にしたいと思っています。