弁護ハック!-若手弁護士によるライフハックブログ

「弁護士 × ライフハック × 知的生産」をテーマに、若手弁護士が日々の”気付き”を綴ります。

新人弁護士研修資料 ~前文・目次~

 お久しぶりです。実に3年ぶりのブログ更新となります。

 この間、私の経営する弁護士法人には大きな変化がありました。すなわち、2020年12月に初めての勤務弁護士が加入し、つい先日の2022年4月には二人目の勤務弁護士が加入しました。そして、現在は、弁護士3名の体制で、収益共同のワン・ファームを運営しています。

 さて、弁護士が私一人の時代は、私がいかに効率的に事件処理をしたり、有効な結果を達成するかを考えていれば十分でした。しかし、勤務弁護士を雇用するとなると、彼らに案件を任せるとともに、彼らにも私と同水準の事件処理をしてもらう必要が出てきます。そのため、私は、2020年12月以降、手を変え品を変え、勤務弁護士に対して「期待するスキル・マインド」を解説し、実践して見せ、そして勤務弁護士に実際に仕事をさせてみるということを繰り返してきました。

 本研修資料は、そのような試行錯誤の過程で、私なりに新人の弁護士に伝えたい大切な事項をまとめたものになります。そして、現在、私の弁護士法人では、まず最初に本研修資料を基にした新人研修を行い、その後、実際のOJT(On-the-Job Training)に入ってもらうことにしています。

 今回は、試しにその研修資料の内容をブログに公開し、所外の方々にも読んでいただこうと考えています。そのようにした動機は2つあります。

 第一に、所外の方、特に弁護士実務家の方の批評を通じて、本研修資料の内容が弁護士実務や新人弁護士育成過程の真実(少なくともその一部)を反映しているものなのかどうかを検証したいからです。なぜなら、実際に研修を受ける新人弁護士には、経験値の浅さや私への遠慮等により本研修資料に対する批評が難しいからです。そのため、こうした資料は常にボス弁護士の独りよがりになる危険をはらんでいます。そこで、記事を読まれた弁護士実務家の方には、ぜひ忌憚のないコメントをいただけたらと考えています。

 また、第二に、今回研修資料の内容をブログに公開することにしたのは、仮に弁護士実務家の方の批評を通じて本研修資料の真実性が(少なくとも一定程度)検証されるのであれば、それは他所の新人弁護士やこれから弁護士になろうとする方にとっても有益であるはずだからです。研修資料の中にも書きましたが、私は、一人目の勤務弁護士を雇用することを決めた頃から、自分が身に付けたスキルを後輩弁護士に伝えたいという気持ちを抱くようになりました。そのため、新人弁護士の皆さんやこれから弁護士になろうとする皆さんが、本記事を読むことによって何かしらを得ることができるのであれば、私にとってこれ以上の喜びはありません。

 

 本研修資料の構成は、「第1 総論 ~弁護士という仕事について~」、「第2 各論 ~コアとなるスキル・マインド~」、「第3 終わりに ~新人の皆さんに伝えておきたいこと~」に分かれています。

 まず「第1」では、「弁護士業も世の中に存在する数多くの仕事のうちの一つに過ぎない」ことを前提とした上で、仕事一般に通じると考える価値観や社会人の成長過程について解説しています。

 次に「第2」では、弁護士業でコアとなるスキル・マインドと考えるものを、各論的に解説しています。

 そして「第3」では、弁護士業に限らず、知的プロフェッショナルとして長期間にわたって活動していくのであれば欠かせないであろう考え方を、補足的に解説しています。

 具体的な目次は以下のとおりです。

 

第1 総論 ~弁護士という仕事について~
1 「仕事」とは何か?
2 弁護士が顧客に提供する「価値」とは何か?
3 期待に応える弁護士になるには

第2 各論 ~コアとなるスキル・マインド~
1 「代理人」としてのあり方
2 弁護士の面接技法
3 弁護士の交渉術
4 法律文書作成

第3 終わりに ~新人の皆さんに伝えておきたいこと~
1 仮説形成と仮説検証が何よりも大切
2 ロジカル・シンキングはあらゆる仕事の基礎
3 「何のために弁護士の仕事をするのか?」に対する回答を見つけてほしい

 

 記事を読まれた皆様には、コメント欄でもSNSでもよいので、コメントをお寄せいただけると嬉しいです。

  なお、記事の内容は、あくまで「私の考える仕事の勘所」であり、決してそれらと異なる仕事の方法論や価値観を否定するものではありません。ただし、研修資料としている以上、私の弁護士法人の内部ではその方法論や価値観を透徹したいと思っています。