予定と記録を一致させる習慣 ~仕事能力のPDCA~
第1 はじめに
私が仕事で心掛けている習慣として、予定と記録をできる限り一致させる、というものがあります。
その習慣の内容、そして、そのような習慣によって何が得られるのかについて、本日は私の考えをまとめてみたいとおもいます。
第2 具体例
1 電話メモ、期日メモ、打合せメモ
まず、「予定」と「記録」とはどういったものを言うのでしょうか。抽象的に述べていても伝わらないと思うので、具体例を挙げましょう。
例えば、電話メモです。
これは多くの方が実践していると思いますが、電話を掛ける前に、以下のように箇条書きで連絡事項、聴取事項をメモしておくと、漏れを防ぐことができます。
4/12 Aさん
1 ○○送付のお願い
2 ××で良いか確認してほしい
こういった準備をしておくと通話時間が短くなり、双方にとってメリットです。
そして、通話後には、この箇条書きのメモがそのまま記録として残ります。場合によっては、相手の回答を前記メモに書き込んでもいいと思います。
4/12 Aさん
1 ○○送付のお願い
→ 本日、郵送する。
2 ××で良いか確認してほしい
→ 確認して折り返し連絡する。
さて、予定と記録を一致させるとは、作業前に作ったメモ(予定メモ)と作業後に結果として残るメモ(記録メモ)の項目・内容を、可能な限り一致させることを言います。想定(シミュレーション)と結果を一致させると言い換えてもいいと思います。
なお、電話メモと同様に、私は、裁判期日前に期日メモを、依頼者との打合せ前に打合せメモを作っています。
2 デイリータスクリスト
さらに、予定と記録を一致させる習慣において重要だと思うのが、デイリータスクリストです。私の場合、そのようなデイリータスクリストとして、タスクシュートというタスク管理ツールを使用しています。
タスクシュートでは、一日の初めに全タスクをセル上に並べた上、それぞれの見積り時間を入力します。これは、言わばタスク処理の予定メモと言えます。
そして、タスクを順次実行するたびに、実績としての開始時刻と終了時刻を入力していきます。これによってタスク処理の記録メモが出来上がります。
ところで、タスクシュートでは、全タスクとその見積り時間を入力した時点で、全タスクの終了時刻、すなわち想定される帰宅時刻が明らかとなります。ところが、その後実績時間(終了時刻-開始時刻)を入力していくと、実際の帰宅時刻は想定よりも遅くなることがしばしばです。これは想定と記録のズレと言うことができます。
そこで、見積り時間の精度を磨いていくことで、想定される帰宅時刻と実際の帰宅時刻を限りなく一致させることを目指していくことになります。
第3 予定と記録を一致させる意味
さて、そのようにして予定と記録を一致させる意味とは何でしょうか。
これについて、私は、少なくとも、①想定の精度を磨くことができる、②記録作成の労力を省くことができる、といった意味があると考えています。
1 想定の精度を磨く
予定メモを作る目的は、事前に結果の想定を行うことにあります。これによって、悪い結果が予想されるならば、方法を変えたり、対策を施すといった対処をすることができ、無用な失敗をしないで済みます。
そして、乱暴に言ってしまえば、仕事能力の大部分は、この想定の精度に依存します。したがって、仕事能力の成長過程では、想定の精度を磨いていくことが求められます。
この点、予定メモを作る習慣があれば、結果と照らし合わせることによって、常に自己の想定の精度を測ることができます。そして、もし想定が結果とズレていたならば、ズレの原因を分析し、次回から想定を改善することができます。
つまり、仕事能力の成長過程は、①想定を立て(Plan)、②これに沿って作業を実行し(Do)、③想定と結果を照らし合わせ(Check)、④以後の想定の改善につなげる(Act)という、一連のPDCAサイクルにあるのです。
2 記録作成の労力を省く
上記のPDCAサイクルを回すためには、作業記録を残す必要があります。
ところが、一から作業記録を作成するのは非常に面倒です。日報を作成する面倒さを想起すればわかると思います。
これに対し、予定メモを作成する習慣があり、しかも予定と記録が概ね一致しているならば、事前に作った予定メモがほぼ記録メモとして機能します。記録作成の労力が大幅に削減できるのです(この点については、以下の記事を参照。)。
第4 終わりに
さて、以上が私の実践している予定と記録を一致させる習慣でした。
私もまだまだ未熟ですが、日々、想定の精度を磨こうと頑張っています。一見地味な習慣ですが、じわじわと仕事能力の向上に現れてくると思いますので、是非参考にしてみて下さい。
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