弁護ハック!-若手弁護士によるライフハックブログ

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弁護士一年目の確定申告(青色65万円控除)をサクッと終わらせる方法

第1 はじめに

 先週、初めての確定申告を終えました。青色申告、しかも65万円控除です。

 実は昨年以来、私は、税金についてそれなりに勉強をしてきました。そのため、いざ確定申告を迎えるときには、だいぶ楽な気持ちで過ごすことができました。

 そこで今回は、初めての確定申告を終えて気付いたコツのようなものについて書いてみようと思います。

 

第2 下準備 

1 開業届出書、青色申告承認申請書の提出

 まず、事業所得の発生する新人弁護士は、管轄の税務署に「個人事業の開業届出書」を提出しなければなりません。「事業開始から1か月以内」に提出するものとされているので、できる限り速やかに提出しましょう(少し遅れても勘弁してくれます)。

 また、青色申告を目指す人は、管轄の税務署に「青色申告承認申請書」を出すことが必要です。

 こちらは、最初に青色申告をしようとする年の3月15日(提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日)までに提出する必要があります。消印有効だそうなので、まだ出していない方は郵送で早く送ってしまいましょう。

 

参照: 江戸野郎:新人弁護士向け税金講座(その3)

 

2 会計ソフトの導入

 そして、確定申告をサクッと終わらせるために欠かせないのが、会計ソフトです。

 

 私が使っているのはコレ。「やよいの青色申告 オンライン」です。



 なんと、昨年はキャンペーンにより、年会費無料でした。

 

3 経費入力に役立つスマートフォンアプリ

 確定申告の準備で最も面倒なのが経費入力です。ところが、その経費入力を自動化するスマートフォンアプリがあります。

 「Streamed」というアプリです。



 このアプリは、スマートフォンのカメラでレシートを撮影するだけで、日付、金額、勘定科目、摘要などを自動入力してくれます

 

第3 日々の記帳 

 さて、具体的な記帳作業に入っていきましょう。

 

 1 経費の入力(Streamedで撮影するだけ!)

 経費の入力は、定期的に行うのがオススメです。入力の漏れがなくなるからです。

 私は毎日早朝の時間を利用して行っています。

 もっとも、経費入力といっても、Streamedを使ってレシートを撮影するだけなので、5分から10分で終わります

 

2 売上の入力(報酬の振込先口座は一つに!)

 次に、売上は、その都度、やよいの青色申告オンラインに入力します。

 その際注意すべきは、報酬の振込先口座を一つにしておくことです。これによって、売上を見落とすことがなくなります。

 弁護士一年目であれば、悲しいかな、そう頻繁に報酬が入金されることはありませんので、売上の入力は、月に数回程度、まとめて行えば十分です

 

3 経費のレシート等はバインダーで保管する

 なお、経費のレシート等は、当該年度の確定申告の提出期限から7年間の保管義務が課せられています

 レシート等の管理にこれといった決まりはありません。月ごとに分けて封筒やクリアファイルで入れておく程度で構いません。



 

 私はキングジムの領収書バインダーを使用しています。

 

キングジム 領収書ファイル A4 1/3  2380 ライトグレー

キングジム 領収書ファイル A4 1/3 2380 ライトグレー

 

 

 

 なお、この点誤解しがち(?)なのが、「領収書の電子保存」です。

 確かにそのような制度はあるのですが、要件が極めて煩瑣である上、Acrobat等の有料ソフトをダウンロードする必要があり、少なくとも個人事業主にとってメリットはないと思われます。



 

第4 確定申告書の作成

 1 「事業主借」、「事業主貸」を活用する

 さて、いよいよ確定申告書類の作成です。

 といっても、会計ソフトを使用するため、ガイドに沿って数字を入力したり、メニューを選択していけばよく、これまでにきちんと記帳を行っていれば決して面倒な作業ではありません。

 ただ、唯一コツ(?)を上げるとすれば、勘定科目を全て「事業主借」(経費の場合)、「事業主貸」(売上の場合)にしてしまうことです。

 細かい説明は省きますが、こうすることによって金銭の振替を行う必要がなくなり、取引の入力が圧倒的に楽になります

 ただし、このような会計処理は事業会計と家計をごちゃ混ぜにしているも同然であるため、事業規模が小さく、従業員がいない間にとどめておいたほうがいいかもしれません。



 

 2 経費の勘定科目にはこだわらない

 経費には、「研究費」、「接待交際費」といった勘定科目があります。

 しかし、結論から言うと、勘定科目にこだわる必要はありません。経費の金額が一致さえしていれば、納税額が変わることはなく、税務署側にも追及する動機がないからです。

 もっとも、特定の科目のみが突出して高いと税務署に怪しまれるそうなので、完成した損益計算書を見て、金額を平準化するようにしましょう

 この当たりの豆知識は、きたみりゅうじ『フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。』に網羅されています。

 

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。

 

 

 

第5 e-taxを活用する

 さて、確定申告書は郵送で提出することもできますが、さらに提出を簡素化したいのであればe-taxを使うのがオススメです。

  文字数の都合上、詳しい説明は省きますが、代わりに以下の記事を紹介しておきます。



 

第6 まとめ

 正しい節税のためには、青色申告を行い、かつ、掛かった経費を漏れなく計上することが重要です。

 他方で、確定申告やそのための記帳作業に時間を取られ、本業に支障が出てしまっては本末転倒です

 そこで今回は、しっかり節税しつつ、その作業を最大限効率化する方法を紹介しました。

 この記事を読んだ新人弁護士の皆様が、来年3月に晴れやかな気持ちで確定申告を迎えられたら望外の喜びです。

 

 

 ■ 今週の注目記事



 ファーレンハイトさんの記事。

 「自分のスタイル」を持つことの大切さは、恋愛に限らず、人間全般に言えることなんだと思います。

 そういえば、ファーレンハイトさんは、昨年の「ブロガーズフェスティバル」のパネルディスカッションでもそんな話をしていました。それは「企業に求められるブロガーになるには」というテーマだったと思います。

 私ももっと自分のスタイルを開示していこうと思いました。モテたいしね。