弁護ハック!-若手弁護士によるライフハックブログ

「弁護士 × ライフハック × 知的生産」をテーマに、若手弁護士が日々の”気付き”を綴ります。

Inbox上流・下流理論

第1 はじめに

 既に記事にしたとおり、私は、「GTD」と呼ばれる手法を用いてタスクを管理しています。

 

 

 このGTDの鍵となるのが「Inbox」という概念です。

 そこで、本日は、Inboxについて、私の理解をお伝えしたいと思います。


第2 Inboxとは

 Inboxという概念については、デビッド・アレン『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』の記載が参考になると思います。以下、引用します。

 

 実のところ、「気になること」の多くは、本書を読んでいる間にも自然に集まってきているはずだ。郵便受けには郵便物が届くし、書類受けにもメモが置かれる。パソコンの受信箱にはメールが入ってくる。それだけではない。何とかしなくちゃと思っているもやもやとしたものが頭の中にたくさん詰まっているはずだ。これらはメールのようにはっきりとした実体はないが、何らかの解決を必要としている「気になること」であるはずだ。また、キャビネットには種々のアイデアが書かれたレポート用紙があり、引き出しの中には修理するか捨てるかしないといけない雑多なものが眠っているだろう。これらのすべてがあなたにとっての「気になること」となっているのである。


(中略)


 これらの「解決していないこと」をうまく管理していくには、いったんそれらをすべて一時的な受け皿に保管しておこう。GTDではその受け皿を「Inbox」と呼ぶことにする。Inboxに保管したものは、時間のあるときにその意味を考え、行動の必要があるなら具体的に何をするのか考えるとよいだろう。そして、このInboxは、次に説明する「処理」によって定期的に空にし、収集ツールとしての機能を維持していかなくてはならない。

(同書p.46~47)

 

第3 Inboxは複数存在する

 ここで注意しなければならないことがあります。GTDの理論において、Inboxは複数存在することが前提とされていることです。

 

 私の場合、典型的には、以下のようなツールをInboxとして使用しています。

 

 (1) 手紙、FAX → レターケース

 (2) メール → GmailのInbox

 (3) データファイル → デスクトップ

 (4) 領収書 → 財布

 (5) 出先で受け取った書類 → クリアファイル

 (6) アイデア → EvernoteのInboxノートブック

 (7) タスク → Nozbe

 

第4 Inboxの数は本当に「必要最小限」でなくてはならないか

 ところで、GTDの理論においては、Inboxの数は必要最小限にするのがポイントとされております。集める場所が多すぎると「処理」(Inboxに集めたものひとつひとつについて必要な判断を下し、とるべき行動を見極めること)が煩雑になったり、「処理」を定期的に行うことが難しくなるためです。

 

 確かに、「処理」を行う場としてInboxを定義するならば、その数は必要最小限でなくてはならないと思います。この意味におけるInboxを、”下流のInbox”と呼びます。

 これに対し、単に「気になること」が「収集」される場としてInboxを定義するならば、その数は先の下流のInboxよりもはるかに多くなるはずです。この意味におけるInboxを、”上流のInbox”と呼びます。

 

 上流のInboxには、以下のようなものが含まれます。

 

 a. 物 → あらゆる空間

  例えば・・・

   仕事に使う物、書類 → デスク

   家事に関する物 → 洗濯かご、流し台、洗い物かご、床

 

 b. アイデア、タスク → 脳

 

 こうした上流のInboxには、「気になること」が自然と集まってきます。そのような「気になること」を放置していては、空間は物で支配され、脳みそは懸案で一杯になってしまいます。

 そこで、上流のInboxに集まった「気になること」を下流のInboxに「収集」し、下流のInboxにおいて「処理」しなければなりません。

 Inboxという概念の本当の意義は、各自がこうしたInboxの上流・下流を認識し、「気になること」を整理するシステムとして確立することにあるのではないでしょうか。


第5 終わりに

 以上、Inboxという概念について、私の考えを述べました。

 このような理解がGTDの理論に照らして正しいか否かはともかくとして、少なくとも私は、Inboxの上流・下流を意識して、物やアイデア、タスクの整理を行っています。

 部屋を綺麗に保つことができているという点では成功していると思います(笑)

 ご参考にしてみてください。

 

 

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