「院」の在学生との個人面談でもお話ししたことですが、「答案の書き方」というような厳密なルールは法律答案に存在しないと思います。評価される答案とは、結局出題趣旨によく応えている答案のことを言うのだと思います。
もっとも、少ないながら法律家の文章として必須の条件というものがあります。その典型的なものが①法律要件を全て満たしたときに法律効果が発生するという論理、そして②法的三段論法(大前提→小前提→結論)ではないでしょうか。過去の「出題趣旨」を読んでいても、上記の2つだけは当然の前提とされています。
それを除けば、いわゆる事実重視(羽広政夫『平成20年再現答案集 羽広式分析版』(早稲田経営出版)がいうところの「書き写し型」答案)ではないかと考えます。
なお、読み手に対する配慮として一文ごと、段落ごと、ナンバリングごとのトピックが明確になるような心掛けはしていました。
参考資料として、私が今年の3、4月に書いた平成23年度の答案(公法系、刑事系)を掲載します。民事系が含まれていないのは、他の系統よりも年度ごとの出題趣旨によるところがあり、「民事系の答案」として形式面で守るべき点はそれほど多くないのではないかと考えたためです。その点ご容赦下さい。