弁護ハック!-若手弁護士によるライフハックブログ

「弁護士 × ライフハック × 知的生産」をテーマに、若手弁護士が日々の”気付き”を綴ります。

調査官解説百選

 ①事案としての奥深さ、②説明の網羅性、③「試験」における出題可能性、の三点に照らしてセレクトしてみました。

  

憲法

No.1 最判平成20.03.06(増森珠美)

住民基本台帳ネットワークシステムにより行政機関が住民の本人確認情報を収集,管理又は利用する行為と憲法13条

 

No.2 最判平成17.11.10(太田晃詳)

1 人の容ぼう,姿態をその承諾なく撮影する行為と不法行為の成否

2 写真週刊誌のカメラマンが刑事事件の法廷において被疑者の容ぼう,姿態を撮影した行為が不法行為法上違法とされた事例

3 人の容ぼう,姿態を描写したイラスト画を公表する行為と不法行為の成否

4 刑事事件の法廷における被告人の容ぼう,姿態を描いたイラスト画を写真週刊誌に掲載して公表した行為が不法行為法上違法とはいえないとされた事例

5 刑事事件の法廷において身体の拘束を受けている状態の被告人の容ぼう,姿態を描いたイラスト画を写真週刊誌に掲載して公表した行為が不法行為法上違法とされた事例

 

No.3 最大判昭和60.10.23(高橋省吾)

一 福岡県青少年保護育成条例一〇条一項、一六条一項の規定憲法三一条

二 福岡県青少年保護育成条例一〇条一項の規定にいう「淫行」の意義

 

No.4 最大判平成1.03.08(門口正人)

一 法定で傍聴人がメモを取ることと憲法八二条一項

二 法廷で傍聴人がメモを取ることと憲法二一条一項

三 法廷警察権行使についての裁量の範囲

四 法廷でメモを取ることを報道機関の記者に対してのみ許可することと憲法一四条一項

五 法廷警察権の行使と国家賠償法一条一項の違法性

 

No.5 最判平成7.03.07(近藤崇晴

一 公の施設である市民会館の使用を許可してはならない事由として市立泉佐野市民会館条例(昭和三八年泉佐野市条例第二七号)七条一号の定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」の意義と憲法二一条、地方自治法二四四条

二 「関西新空港反対全国総決起集会」開催のための市民会館の使用許可の申請に対し市立泉佐野市民会館条例(昭和三八年泉佐野市条例第二七号)七条一号が使用を許可してはならない事由として定める「公の秩序をみだすおそれがある場合」に当たるとして不許可とした処分が憲法二一条、地方自治法二四四条に違反しないとされた事例

 

No.6 最大判平成20.06.04(森英明)

1 国籍法3条1項が,日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子につき,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した(準正のあった)場合に限り日本国籍の取得を認めていることによって国籍の取得に関する区別を生じさせていることと憲法14条1項 

2 日本国民である父と日本国民でない母との間に出生した後に父から認知された子は,日本国籍の取得に関して憲法14条1項に違反する区別を生じさせている,父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得したという部分(準正要件)を除いた国籍法3条1項所定の国籍取得の要件が満たされるときは,日本国籍を取得するか

 

No.7 最大判平成4.07.01(千葉勝美)

一 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一号と憲法二一条一項

二 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一号と憲法二二条一項

三 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一、二号と憲法二九条一、二項

四 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一項一、二号と憲法三一条

五 新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法(昭和五九年法律第八七号による改正前のもの)三条一、三項と憲法三五条

 

No.8 最大判平成17.01.26(高世三郎)

1 地方公共団体が日本国民である職員に限って管理職に昇任することができることとする措置を執ることと労働基準法3条,憲法14条1項

2 東京都が管理職に昇任するための資格要件として日本の国籍を有することを定めた措置が労働基準法3条,憲法14条1項に違反しないとされた事例

 

No.9 最大判平成17.09.14(杉原則彦

1 公職選挙法(平成10年法律第47号による改正前のもの)が在外国民の国政選挙における投票を平成8年10月20日に施行された衆議院議員の総選挙当時全く認めていなかったことと憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書

2 公職選挙法附則8項の規定のうち在外国民に国政選挙における選挙権の行使を認める制度の対象となる選挙を当分の間両議院の比例代表選出議員の選挙に限定する部分と憲法15条1項,3項,43条1項,44条ただし書

3 在外国民が次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員通常選挙における選挙区選出議員の選挙において在外選挙人名簿に登録されていることに基づいて投票をすることができる地位にあることの確認を求める訴えの適否

4 在外国民と次回の衆議院議員の総選挙における小選挙区選出議員の選挙及び参議院議員通常選挙における選挙区選出議員の選挙において投票をすることができる地位

5 国会議員の立法行為又は立法不作為国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受ける場合

6 平成8年10月20日に施行された衆議院議員の総選挙までに国会が在外国民の国政選挙における投票を可能にするための立法措置を執らなかったことについて国家賠償請求が認容された事例

 

行政法

No.10 最判平成18.02.07(川神裕)

1 公立学校施設の目的外使用の許否の判断と管理者の裁量権

2 学校教育法85条に定める学校教育上の支障の意義

3 公立学校施設の目的外使用の許否の判断の適否に関する司法審査の方法

4 公立小中学校等の教職員の職員団体が教育研究集会の会場として市立中学校の学校施設を使用することを不許可とした市教育委員会の処分が裁量権を逸脱したものであるとされた事例

 

No.11 最判平成21.10.15(清野正彦)

1 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺に居住する者等は,いわゆる位置基準を根拠として上記許可の取消訴訟原告適格を有するか 

2 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において文教施設又は医療施設を開設する者は,いわゆる位置基準を根拠として上記許可の取消訴訟原告適格を有するか 

3 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺において文教施設又は医療施設を開設する者が,いわゆる位置基準を根拠として上記許可の取消訴訟原告適格を有するか否かの判断基準 

4 自転車競技法(平成19年法律第82号による改正前のもの)4条2項に基づく設置許可がされた場外車券発売施設の周辺に居住する者等は,いわゆる周辺環境調和基準を根拠として上記許可の取消訴訟原告適格を有するか

 

No.12 最大判平成20.09.10(増田稔)

市町村の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定と抗告訴訟の対象

 

No.13 最判平成21.12.17(倉地康弘)

東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例第89号)4条3項に基づく安全認定が行われた上で建築確認がされている場合に,建築確認の取消訴訟において安全認定の違法を主張することの可否

 

No.14 最判平成11.11.19(大橋寛明)

一 住民監査請求に関する一件記録に含まれる関係人の事情聴取記録の逗子市情報公開条例(平成二年逗子市条例第六号)五条(2)ウ該当性

二 逗子市情報公開条例(平成二年逗子市条例第六号)五条(2)ウに該当することを理由として付記してされた公文書の非公開決定の取消訴訟において実施機関が当該公文書に他の非公開事由があると主張することの許否

三 住民監査請求に関する一件記録に含まれる関係人の事情聴取記録の逗子市情報公開条例(平成二年逗子市条例第六号)五条(2)ア該当性

 

No.15 最判平成19.01.25(増森珠美)

1 都道府県による児童福祉法27条1項3号の措置に基づき社会福祉法人の設置運営する児童養護施設に入所した児童を養育監護する施設の職員等と国家賠償法1条1項にいう公権力の行使に当たる公務員 

2 国又は公共団体以外の者の被用者が第三者に加えた損害につき国又は公共団体が国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負う場合における使用者の民法715条に基づく損害賠償責任の有無

 

No.16 最判平成2.12.13(富越和厚)

一 工事実施基本計画に準拠して新規の改修、整備の必要がないものとされた河川における河川管理の瑕疵

二 河川の改修、整備がされた後に水害発生の危険の予測が可能となった場合における河川管理の瑕疵

三 河道内に許可工作物の存在する河川部分における河川管理の瑕疵

 

No.17 最判平成21.04.17(清野正彦)

1 出生した子につき住民票の記載を求める親からの申出に対し特別区の区長がした上記記載をしない旨の応答は,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるか 

2 母がその戸籍に入る子につき適法な出生届を提出していない場合において,特別区の区長が住民である当該子につき上記母の世帯に属する者として住民票の記載をしていないことが違法ではないとされた事例

 

No.18 最判平成4.09.22(高橋利文)

 一 行政事件訴訟法三六条にいう「その効力の有無を前提とする現在の」法律関係に関する訴えによって目的を達することができない一の意義

二 設置許可申請に係る原子炉の周辺に居住する住民が右原子炉の設置者に対しその建設ないし運転の差止めを求める民事訴訟を提起している場合における右住民が提起した右原子炉の設置許可処分の無効確認の訴えの適法性

 

No.19 最判平成14.07.09(福井章代)

1 国又は地方公共団体が専ら行政権の主体として国民に対して行政上の義務の履行を求める訴訟の適否

2 地方公共団体が建築工事の中止命令の名あて人に対して同工事を続行してはならない旨の裁判を求める訴えが不適法とされた事例

 

民法

No.20 最判平成18.02.23(増森珠美)

不実の所有権移転登記がされたことにつき所有者に自らこれに積極的に関与した場合やこれを知りながらあえて放置した場合と同視し得るほど重い帰責性があるとして民法94条2項,110条を類推適用すべきものとされた事例

 

No.21 最判平成18.01.17(松並重雄)

不動産の取得時効完成後に当該不動産の譲渡を受けて所有権移転登記を了した者が背信的悪意者に当たる場合

 

No.22 最判平成17.02.22(志田原信三)

動産売買の先取特権者による物上代位権の行使と目的債権の譲渡

 

No.23 最判平成9.02.14(春日通良)

 所有者が土地及び地上建物に共同抵当権を設定した後に右建物が取り壊されて新建物が建築された場合の法定地上権の成否

 

No.24 最判平成17.03.10(戸田久)

1 所有者から占有権原の設定を受けて抵当不動産を占有する者に対して抵当権に基づく妨害排除請求をすることができる場合

2 抵当権に基づく妨害排除請求権の行使に当たり抵当権者が直接自己への抵当不動産の明渡しを請求することができる場合

3 第三者による抵当不動産の占有と抵当権者についての賃料額相当の損害の発生の有無

 

No.25 最判平成18.07.20(宮坂昌利)

1 動産譲渡担保が重複設定されている場合における後順位譲渡担保権者による私的実行の可否 

2 構成部分の変動する集合動産を目的とする譲渡担保の設定者が目的動産につき通常の営業の範囲を超える売却処分をした場合における処分の相手方による承継取得の可否

 

No.26 最判平成19.07.06(宮坂昌利)

土地を目的とする先順位の甲抵当権が消滅した後に後順位の乙抵当権が実行された場合において,土地と地上建物が甲抵当権の設定時には同一の所有者に属していなかったが乙抵当権の設定時には同一の所有者に属していたときの法定地上権の成否

 

No.27 最判平成14.03.28(中村也寸志)

賃料債権に対する抵当権者の物上代位による差押えと当該債権への敷金の充当

 

No.28 最判平成5.03.30(井上繁規)

一 同一の債権について差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明である場合における差押債権者と債権譲受人との間の優劣

二 同一の債権について差押通知と確定日付のある譲渡通知との第三債務者への到達の先後関係が不明である場合と当該債権に係る供託金の還付請求権の帰属

 

No.29 最判平成14.03.28(矢尾渉)

事業用ビルの賃貸借契約が賃借人の更新拒絶により終了しても賃貸人が信義則上その終了を再転借人に対抗することができないとされた事例

 

No.30 最判平成5.10.19(大橋弘

建物建築工事の注文者と元請負人との間に出来形部分の所有権は注文者に帰属する旨の約定がある場合と一括下請負人が自ら材料を提供して築造した出来形部分の所有権の帰属

 

No.31 最判平成8.11.12(近藤崇晴

一 同一当事者間で締結された二個以上の契約のうち一の契約の債務不履行を理由に他の契約を解除することのできる場合

二 いわゆるリゾートマンションの売買契約と同時にスポーツクラブ会員権契約が締結された場合にその要素たる債務である屋内プールの完成の遅延を理由として買主が右売買契約を民法五四一条により解除することができるとされた事例

 

No.32 最判平成13.11.22(瀬戸口壮夫)

遺留分減殺請求権を債権者代位の目的とすることの可否

 

No.33 最判平成12.03.09(高部眞規子)

一 離婚に伴う財産分与として金銭の給付をする旨の合意が詐害行為に該当する場合の取消しの範囲

二 離婚に伴う慰謝料を支払う旨の合意と詐害行為取消権

 

No.34 最判平成4.12.10(田中豊)

一 親権者の代理権濫用の行為と民法九三条ただし書 

二 親権者において子を代理してその所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為と代理権の濫用

 

No.35 最判平成10.02.26(山下郁夫)

内縁の夫婦による共有不動産の共同使用と一方の死亡後に他方が右不動産を単独で使用する旨の合意の推認

 

No.36 最判平成16.11.12(松並重雄)

1 階層的に構成されている暴力団の最上位の組長と下部組織の構成員との間に同暴力団の威力を利用しての資金獲得活動に係る事業について民法715条1項所定の使用者と被用者の関係が成立しているとされた事例

2 階層的に構成されている暴力団の下部組織における対立抗争においてその構成員がした殺傷行為が民法715条1項にいう「事業ノ執行ニ付キ」した行為に当たるとされた事例

 

(商法)

No.37 最決平成19.08.07(森冨義明)

1 株主平等の原則の趣旨は株主に対して新株予約権の無償割当てをする場合に及ぶか 

2 株主に対する差別的取扱いが株主平等の原則の趣旨に反しない場合 

3 特定の株主による経営支配権の取得に伴い,株式会社の企業価値がき損され,株主の共同の利益が害されることになるか否かについての審理判断の方法 

4 株式会社が特定の株主による株式の公開買付けに対抗して当該株主の持株比率を低下させるためにする新株予約権の無償割当てが,株主平等の原則の趣旨に反せず,会社法247条1号所定の「法令又は定款に違反する場合」に該当しないとされた事例 

5 株式会社が特定の株主による株式の公開買付けに対抗して当該株主の持株比率を低下させるためにする新株予約権の無償割当てが,会社法247条2号所定の「著しく不公正な方法により行われる場合」に該当しないとされた事例

 

No.38 最判平成18.04.10(太田晃詳)

1 いわゆる仕手筋として知られるAが大量に取得したB社の株式を暴力団の関連会社に売却するなどとB社の取締役であるYらを脅迫した場合においてAの要求に応じて巨額の金員を交付することを提案し又はこれに同意したYらの忠実義務,善管注意義務違反が問われた行為について過失を否定することができないとされた事例 

2 会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為と商法(平成12年法律第90号による改正前のもの)294条ノ2第1項にいう「株主ノ権利ノ行使ニ関シ」利益を供与する行為

 

No.39 最決平成17.12.13(山田耕司)

新株の引受人が会社から第三者を通じて間接的に融資を受けた資金によってした新株の払込みが無効であるとして商業登記簿の原本である電磁的記録に増資の記録をさせた行為につき電磁的公正証書原本不実記録罪の成立が認められた事例

 

No.40 最判平成9.01.28(近藤崇晴

商法二八〇条ノ三ノ二に定める公告又は通知を欠くことと新株発行の無効原因

 

No.41 最判平成11.03.25(八木一洋)

取締役等を選任する甲株主総会決議の不存在確認請求に同決議が存在しないことを理由とする後任取締役等の選任に係る乙株主総会決議の不存在確認請求が併合されている場合における先の決議の存否確認の利益

 

No.42 最判平成2.12.04(篠原勝美)

一 商法二〇三条二項所定の指定及び通知を欠く株式の共同相続人と株主総会決議不存在確認の訴えの原告適格

二 商法二〇三条二項所定の指定及び通知を欠く株式の共同相続人が株主総会決議不存在確認の訴えの原告適格を有するとされた事例

 

No.43 最判平成6.01.20(野山宏)

一 商法二六〇条二項一号にいう重要な財産の処分に当たるか否かの判断基準

二 会社の総資産の約一・六パーセントに相当する価額の株式の譲渡が商法二六〇条二項一号にいう重要な財産の処分に当たらないとはいえないとされた事例

 

No.44 最判昭和60.12.20(篠原勝美)

一 株式会社のいわゆる全員出席総会における決議の効力

二 株主の代理人の出席を含むいわゆる全員出席総会における決議が有効となる場合

 

(民訴法)

No.45 最決平成13.01.30(高部眞規子)

取締役会の意思決定が違法であるとして取締役に対し提起された株主代表訴訟において株式会社が取締役を補助するため訴訟に参加することの許否

 

No.46 最判平成10.04.30(長沢幸男)

訴訟上の相殺の抗弁に対し訴訟上の相殺を再抗弁として主張することの許否

 

No.47 最判平成18.04.14(増森珠美)

反訴請求債権を自働債権とし本訴請求債権を受働債権とする相殺の抗弁の許否

 

No.48 最判平成16.07.06(太田晃詳)

共同相続人間における相続人の地位不存在確認の訴えと固有必要的共同訴訟

 

No.49 最判平成10.06.12(山下郁夫)

金銭債権の数量的一部請求訴訟で敗訴した原告が残部請求の訴えを提起することの許否

 

No.50 最判平成17.07.15(松並重雄)

第三者異議の訴えの原告についての法人格否認の法理の適用

 

No.51 最判平成7.12.15(井上繁規)

建物収去土地明渡請求訴訟の事実審口頭弁論終結後における建物買取請求権の行使と請求異議の訴え

 

No.52 最判昭和61.07.17(平田浩)

将来の賃料相当損害金の請求を認容する判決が確定した場合においてその後公租公課の増大等により認容額が不相当となつたときと損害金の追加請求

 

No.53 最判昭和52.04.15(東條敬)

書証の成立の真正についての自白の裁判所に対する拘束力

 

(刑法)

No.54 最決平成16.03.22(平木正洋)

1 被害者を失神させた上自動車ごと海中に転落させてでき死させようとした場合につき被害者を失神させる行為を開始した時点で殺人罪の実行の着手があるとされた事例

2 いわゆる早過ぎた結果の発生と殺人既遂の成否

 

No.55 最決平成16.08.25(上田哲)

公園のベンチ上に置き忘れられたポシェットを領得した行為が窃盗罪に当たるとされた事例

 

No.56 最決平成16.10.19(上田哲)

高速道路上に自車及び他人が運転する自動車を停止させた過失行為と自車が走り去った後に上記自動車に後続車が追突した交通事故により生じた死傷との間に因果関係があるとされた事例

 

No.57 最決平成15.05.01(芦澤政治)

暴力団組長である被告人が自己のボディガードらのけん銃等の所持につき直接指示を下さなくても共謀共同正犯の罪責を負うとされた事例

 

No.58 最判平成16.12.10(大野勝則)

窃盗の犯人による事後の脅迫が窃盗の機会の継続中に行われたとはいえないとされた事例

 

No.59 最決平成15.12.09(多和田隆史)

甲が乙を欺いて金員を交付させるに当たり甲及び乙が別途丙を欺いて丙から甲に上記金員を交付させた場合と甲の乙に対する詐欺罪の成否

 

No.60 最決平成1.07.14(香城敏磨)

複数の建物が廻廊等により接続されていた神宮社殿が一個の現住建造物に当たるとされた事例

 

No.61 最決昭和61.06.27(安廣文夫)

公文書の内容に改ざんを加えたうえそのコピーを作成した場合の擬律

 

No.62 最決昭和62.07.16(仙波厚)

百円紙幣を模造する行為につき違法性の意識の欠如に相当の理由があるとはいえないとされた事例

 

No.63 最決昭和62.03.26(岩瀬徹)

傷害致死につき誤想過剰防衛であるとされた事例

 

No.64 最決昭和61.11.18(安廣文夫)

いわゆる一項強盗による強盗殺人未遂罪ではなく窃盗罪又は詐欺罪といわゆる二項強盗による強盗殺人未遂罪との包括一罪になるとされた事例

 

No.65 最判昭和60.09.12(安廣文夫)

殺人につき防衛の意思を欠くとはいえないとされた事例

 

No.66 最決平成13.10.25(平木正洋)

刑事未成年者に指示命令して強盗を実行させた者につき強盗の共同正犯が成立するとされた事例

 

No.67 最決平成17.07.04(藤井敏明)

重篤な患者の親族から患者に対する「シャクティ治療」(判文参照)を依頼された者が入院中の患者を病院から運び出させた上必要な医療措置を受けさせないまま放置して死亡させた場合につき未必的殺意に基づく不作為による殺人罪が成立するとされた事例

 

No.68 最決昭和55.11.13(神作良二)

一 被害者の承諾と傷害罪の成否

二 被害者の承諾が傷害行為の違法性を阻却しないとされた事例

 

No.69 最決平成16.02.09(多和田隆史)

クレジットカードの名義人に成り済まし同カードを利用して商品を購入する行為が詐欺罪に当たるとされた事例

 

No.70 最決平成4.06.05(小川正持

一 共同正犯が成立する場合における過剰防衛の成否の判断方法

二 殺人の共同正犯者中の一人に過剰防衛が成立する場合に他の一人について過剰防衛が成立しないとされた事例

 

No.71 最決平成15.10.06(平木正洋)

正規の国際運転免許証に酷似する文書をその発給権限のない団体の名義で作成した行為が私文書偽造罪に当たるとされた事例

 

No.72 最決平成1.06.26(原田國男)

共犯関係が解消していないとされた事例

 

No.73 最判平成1.11.13(川口宰護)

刑法三六条一項にいう「巳ムコトヲ得サルニ出テタル行為」に当たるとされた事例

 

No.74 最決昭和55.10.30(木谷明)

 窃盗罪の成立に必要な不正領得の意思があるとされた事例

 

No.75 最決平成20.06.25(松田俊哉)

正当防衛に当たる暴行及びこれと時間的,場所的に連続して行われた暴行について,両暴行を全体的に考察して1個の過剰防衛の成立を認めることはできないとされた事例

 

(刑訴法)

No.76 最判昭和50.04.03(香城敏磨)

一、現行犯逮捕のため犯人を追跡した者の依頼により追跡を継続した行為を適法な現行犯逮捕の行為と認めた事例

二、現行犯逮捕のための実力行使と刑法三五条

三、現行犯逮捕のための実力行使に刑法三五条が適用された事例

 

No.77 最決平成13.04.11(池田修)

1 殺害の日時・場所・方法の判示が概括的で実行行為者の判示が択一的であっても殺人罪の罪となるべき事実の判示として不十分とはいえないとされた事例

2 殺人罪の共同正犯の訴因において実行行為者が明示された場合に訴因変更手続を経ることなく訴因と異なる実行行為者を認定することの適否

3 殺人罪の共同正犯の訴因において実行行為者が被告人と明示された場合に訴因変更手続を経ることなく実行行為者が共犯者又は被告人あるいはその両名であると択一的に認定したことに違法はないとされた事例

 

No.78 最決平成17.07.19(山田耕司)

治療の目的で救急患者から尿を採取して薬物検査をした医師の通報を受けて警察官が押収した上記尿につきその入手過程に違法はないとされた事例

 

No.79 最決平成17.09.27(芦澤政治)

捜査官が被害者や被疑者に被害・犯行状況を再現させた結果を記録した実況見分調書等で実質上の要証事実が再現されたとおりの犯罪事実の存在であると解される書証の証拠能力

 

No.80 最決平成17.10.12(上田哲)

「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」5条違反の罪の公訴事実が多数回にわたり多数人に譲り渡した旨の概括的記載を含んでいても訴因の特定として欠けるところはないとされた事例

 

No.81 最決平成19.02.08(入江猛)

被疑者方居室に対する捜索差押許可状により同居室を捜索中に被疑者あてに配達され同人が受領した荷物について同許可状に基づき捜索することの可否

 

No.82 最決平成18.11.07(芦澤政治)

刑訴法328条により許容される証拠

 

No.83 最判平成15.02.14(朝山芳史)

1 逮捕当日に採取された被疑者の尿に関する鑑定書の証拠能力が逮捕手続に重大な違法があるとして否定された事例

2 捜索差押許可状の発付に当たり疎明資料とされた被疑者の尿に関する鑑定書が違法収集証拠として証拠能力を否定される場合において同許可状に基づく捜索により発見押収された覚せい剤等の証拠能力が肯定された事例

 

No.84 最決平成15.05.26(永井敏雄)

1 警察官がホテル客室に赴き宿泊客に対し職務質問を行った際ドアが閉められるのを防止した措置が適法とされた事例

2 警察官がホテル客室において宿泊客を制圧しながら所持品検査を行って発見した覚せい剤について証拠能力が肯定された事例

 

No.85 最決平成15.11.26(山田耕司)

大韓民国の裁判所に起訴された共犯者の公判廷における供述を記載した同国の公判調書と刑訴法321条1項3号にいう「特に信用すべき情況」

 

No.86 最決平成3.07.16(木谷直人)

錯乱状態に陥り任意の尿の提出が期待できない状況において実施された強制採尿手続に違法はないとされた事例

 

No.87 最決平成20.08.27(三浦透)

火災原因の調査,判定に関し特別の学識経験を有する私人が燃焼実験を行ってその考察結果を報告した書面について,刑訴法321条3項は準用できないが,同条4項の書面に準じて同項により証拠能力が認められるとされた事例

 

No.88 最決平成12.07.17(後藤眞理子)

いわゆるMCT118DNA型鑑定の証拠としての許容性

 

No.89 最決昭和53.03.06(香城敏磨)

枉法収賄と贈賄の各訴因の間に公訴事実の同一性が認められる事例

 

No.90 最決平成12.07.12(稗田雅洋)

相手方の同意を得ないで相手方との会話を録音したテープの証拠能力が認められた事例

 

No.91 最決昭和52.08.09(新矢悦二)

甲事実について逮捕勾留中の被疑者を乙事実について取調べることが違法ではないとされた事例

 

No.92 最決平成16.07.12(多和田隆史)

1 おとり捜査の許容性

2 大麻の有償譲渡を企図していると疑われる者を対象にして行われたおとり捜査が適法とされた事例

 

No.93 最決平成14.10.04(永井敏雄)

捜索差押許可状の呈示に先立ってホテル客室のドアをマスターキーで開けて入室した措置が適法とされた事例

 

No.94 最決平成10.05.01(池田修)

フロッピーディスク等につき内容を確認せずに差し押さえることが許されるとされた事例

 

No.95 最決平成8.01.29(木口信之)

一 刑訴法二一二条二項にいう「罪を行い終ってから間がないと明らかに認められるとき」に当たるとされた事例

二 逮捕した被疑者を最寄りの場所に連行した上でその身体又は所持品について行われた捜索及び差押えと刑訴法二二〇条一項二号にいう「逮捕の現場」

三 逮捕した被疑者を最寄りの警察署に連行した上でその装着品及び所持品について行われた差押え手続が刑訴法二二〇条一項二号による差押えとして適法とされた事例

 

No.96 最決平成6.09.08(小川正持

甲の居住する場所に対する捜索差押許可状によって、そこに同居する乙がその場で携帯していたボストンバッグについて捜索することの適否

 

No.97 最判平成7.06.20(池田耕平)

一 退去強制によって出国した者の検察官に対する供述調書の証拠能力

二 退去強制によって出国した者の検察官に対する供述調書について証拠能力が認められた事例

 

No.98 最決平成20.04.15(鹿野伸二)

1 捜査機関が公道上及びパチンコ店内にいる被告人の容ぼう,体型等をビデオ撮影した捜査活動が適法とされた事例 

2 捜査機関が公道上のごみ集積所に不要物として排出されたごみを領置することの可否

 

No.99 最決平成1.07.04(出田孝一)

被疑者に対する長時間の取調べが任意捜査として許容される限度を逸脱したものとまではいえないとされた事例

 

No.100 最決平成6.09.16(中谷雄二郎)

一 いわゆる強制採尿令状により採尿場所まで連行することの適否

二 任意同行を求めるため被疑者を職務質問の現場に長時間違法に留め置いたとしてもその後の強制採尿手続により得られた尿の鑑定書の証拠能力は否定されないとされた事例