弁護ハック!-若手弁護士によるライフハックブログ

「弁護士 × ライフハック × 知的生産」をテーマに、若手弁護士が日々の”気付き”を綴ります。

日常の弁護士業務で繰り返し参照しているWEBリンク集

 今回の記事では、私が日常業務で参照しているWEBサイトを紹介したいと思います。

 各リンクに対するコメント等は後日追記予定です。

 

・リーガルリサーチ

「裁判例情報」 / "裁判所"

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1

 

「法令検索」 / "e-Gov"

http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi

 


・書籍

"弁護士会館ブックセンターWEB"

http://www.b-books.co.jp/

 

"至誠堂書店WEB"

https://ssl.shiseido-shoten.co.jp/index.php

 

"丸沼書店WEB"

http://www.marunumashoten.com/

 

「第3部 参考書籍」 / "即時・早期独立開業マニュアル 三訂版"

http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/legal_apprentice/data/sokuji_soukidokuritumanual.pdf

 

「会務研究委員会報告 業務に役立つ書籍アンケート結果発表 」 / "法曹同志会"

http://housou-doushikai.jp/about/recommendedbooks.html

 

 

・事務

「利息計算」 / "実務の友"

http://www5d.biglobe.ne.jp/~Jusl/Keisanki/Risoku/risoku.html

 

「郵便番号検索」 / "郵便局"

http://www.post.japanpost.jp/zipcode/index.html

 

"登記・供託オンライン申請システム"

http://www.touki-kyoutaku-net.moj.go.jp/

 

 

・報酬

「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」

http://www.ohkubolaw-jiko.jp/bengoshihousyu.pdf

 

「民事法律扶助 代理援助立替基準」

http://www.hirano-office.jp/houterasu-hiyou.pdf

 

 

・弁護士情報検索

「弁護士情報検索」 / "日本弁護士連合会"

https://www.nichibenren.jp/member_general/lawyerandcorpsearchselect/corpInfoSearchInput/changeBarSearch/

 

「弁護士の登録番号と修習期の早見表(2014.4版)」 / "弁護士鶴間洋平の「新時代のプロフェッションを目指して」"

http://tsuruma-law.jp/archives/660

 

 

■ 今週の注目記事



 著者は、この方法を「本当に読んだ人と感想をなんとなく語り合える程度には内容を理解する」ために用いていますが、そもそも読む本を選別する方法としても応用できると思います。

 実際、私はこれと似た方法で読む本を選別しています。そのため、気になった本でも、実際に買わなかったり、買っても読まなかったりすることがよくあります。

 その方法については、今後記事にしたいと思っています。

「いつかやる」を今すぐやるためのタスク管理詳論

第1 はじめに

 既に記事にしているとおり、私は、今年の春からNozbeとTaskchuteというツールを使ってタスク管理を行ってきました。

 

 

 私がタスク管理を始めた主な理由は、タスクの先送りを防ぐことにありました。この点、確かにタスク管理を本格的に初めて以来、タスクの先送りは格段に少なくなりました。

 しかし、最近になって、タスク管理をしているにもかかわらず先送りの生じてしまうタスクがあることに気付きました。

 そして、先送りが生じてしまう原因は、タスク管理自体にあるのではなく、私のやり方に問題があるためだということに気付きました。

 そこで今回は、タスクの先送りが生じる原因に関連して、私のタスク管理のどこに問題があり、どのように改善することになったかを紹介したいと思います。


第2 先送りが生じる3つの原因とその対策

 1 先送りが生じる3種類のタスク

 さて、タスク管理をしているにもかかわらず、先送りが生じてしまうタスクを分析したところ、次の3つの種類に分類できることがわかりました。

 

① 書き出されていないタスク

=(頭の中で「やりたい」と思っているだけ)

 

② 期限の定められていないタスク

=(「いつか」やりたいと思っているだけ)

 

③ 実行する日が決まっていないタスク

=(「あの日までにやろう」と思って先送りにしている)

 

 書き出されていないタスクとは、頭の中で「やりたい」と思っているだけで、放置されているタスクのことです。そのようなタスクは、日々の忙しさに紛れてしまい、いつまでも実行されることがありません。

 期限の定められていないタスクとは、書き出されてはいるものの、「いつまでに」やるかが定まっていないタスクのことです。期限の定められていないタスクは、緊急性を持たないため、緊急性の高い他のタスクに押しやられてしまいます。

 実行する日が決まっていないタスクとは、期限は決まっているものの、実際に取り掛かるが決まっていないタスクのことです。このようなタスクは、少なくとも期限が目前に迫るまで放置されてしまいます。

 

 2 タスクの先送りを防ぐためには

 しかし、先送りが生じる原因がわかっていれば、対策を施すことにより、先送りを防ぐことが可能です。

 すなわち、先の3種類のタスクに対しては、それぞれ次のとおり先送りを防ぐ対策を施すことになります。

 

① 書き出されていないタスク

→ タスクを漏れなく書き出す

 

② 期限の定められていないタスク

→ 各タスクについて期限を定める

 

③ 実行する日が決まっていないタスク

→ デイリータスクリストにタスクを登録する

 

 さて、ここまで考えて、あくまで先送りの防止を目的とする場合、タスク管理には一定の踏むべきステップがあることに気付きました。

 それが以下で述べる、①タスクの書き出し②期限設定、③デイリータスクリストへの登録・実行の各ステップです。


第3 タスク管理の3ステップ

 1 タスクの書き出し

 まず、タスクの書き出しでは、原則としてボトムアップ型のアプローチを取ることになります。すなわち、目的を達成するまでに必要となる「次に取るべき行動」を繰り返し考えていくというものです。

 例を挙げます。ある訴訟で次回の期日までに当事者(依頼者)の陳述書を裁判所に提出しなければならないとします。事件の担当となったあなたが次に取るべき行動は何でしょうか。

 

 必要なタスクとして、

 

・ 依頼者と打合せをする

 

 

というのが思い浮かぶと思います。

 

 しかし、依頼者と打合せをするためには、

・ 依頼者に電話を掛けて、打合せ日程を調整する

 


というタスクが必要となりますし、さらにその前には、

 

・ 打合せ可能な日時を洗い出す

 

 

といったタスクが必要です。

 

 そのため、陳述書を裁判所に提出するまでに必要となる「次に取るべき行動」を順次書き出していくと、次のようなタスク群が明らかとなります。


・ 打合せ可能な日時を洗い出す
・ 依頼者に電話を掛けて、打合せ日程を調整する
・ 依頼者と打合せをする
・ 陳述書を作成する
・ 陳述書についてボス弁の決裁を得る
・ 陳述書に依頼者の署名・押印をもらう
・ 陳述書を裁判所に提出する

 

 2 期限設定

 次に、書き出されたタスク群について期限を設定していくことになります。

 タスクの書き出しがボトムアップ型のアプローチだったのに対し、期限は、より後ろのタスクから順に設定していくことになるため、いわばトップダウン型のアプローチとなります。

 

 例えば、次回の裁判期日が12月24日だったとすると、陳述書の提出は、その1週間前である12月17日と決まります。

 したがって、

 

・ 打合せ可能な日時を洗い出す
・ 依頼者に電話を掛けて、打合せ日程を調整する
・ 依頼者と打合せをする
・ 陳述書を作成する
・ 陳述書についてボス弁の決裁を得る
・ 陳述書に依頼者の署名・押印をもらう
・ 陳述書を裁判所に提出する ← 12月17日

 

このように、最も後ろにある「陳述書を裁判所に提出する」というタスクの期限が最初に決まることになるのです。

 そして、これを前提に、順次その前にあるタスクの期限を定めていくことになります。

 

・ 打合せ可能な日時を洗い出す ← 11月28日
・ 依頼者に電話を掛けて、打合せ日程を調整する ← 11月28日
・ 依頼者と打合せをする ← 12月 8日
・ 陳述書を作成する ← 12月10日
・ 陳述書についてボス弁の決裁を得る ← 12月12日
・ 陳述書に依頼者の署名・押印をもらう ← 12月15日
・ 陳述書を裁判所に提出する ← 12月17日


 3 デイリータスクリストへの登録・実行

 最後に、デイリータスクリストに各タスクを登録していきます。その際に意識すべきことは、定められた期限よりも前倒しでタスクに取り掛かることです。
 どういうことかというと、先のステップで「依頼者に電話を掛ける」というタスクの実行期限を11月28日と定めましたが、依頼者が何らかの事情でその日に電話に出られない可能性があるため、11月28日に取り掛かったとしても同日中にタスクが完了するという保証はありません。そして、タスクの完了が遅れた場合、順次後ろのタスクの予定に遅れが生じる恐れがあります。

 さらに、このようなタスクの完了の遅れは、相手側の都合に限らず、割り込みタスクや所要時間の見積りミスといった自分の側の都合によっても生じ得るものです。

 

 そのため、タスクの実行に当たっては、ある程度の余裕を持っておく必要があります。例えば、先の「依頼者に電話を掛ける」というタスクは、11月28日のデイリータスクリストではなく、11月25日のデイリータスクリストに登録しておくべきなのです。

 

第4 まとめ

 以上、先送りを防ぐという観点でのタスク管理手法について紹介しました。

 先の3ステップを意識してタスク管理をするようになったのは比較的最近のことですが、それ以来、先送りの数は目に見えて少なくなり、それに比例してストレスを感じることも少なくなりました。日々押し寄せるタスクの波に対して、再びコントロールを取り戻したのです。

 

 タスク管理は、基本的な考え方とツールを導入しただけでは完結しないところに奥深さがあります。自らの仕事の状況や量に応じて、常に改善していかなければならないのです。

 この記事が、皆さんにとってタスク管理を見直すきっかけの一つとなれば幸いです。

 

 

■ 今週の注目記事



 ブログへの安定的なアクセスを保つための記事作成のコツについて書かれた記事です。私もブロガーの端くれなので、興味深く読みました。

 当ブログには一日当たり150~200程度のアクセスがありますが、リンク元を調べてみると、最も多いのはやはり検索エンジンです。そして、検索からの流入は、そのほとんどが以下の3つの記事に集中しています。

 

 

 

 

 

 これらの記事の内容と、それに関連付けられた検索ワードは、今後私がブログを運営していくに当たって大きなヒントになると思います。

 これからも長く読まれる記事を書いていきたいと思います。

司法試験に関する私の考えを総括します。

第1 本記事の目的

 私は、本ブログやツイッターで、これまで司法試験に関する記事やコンテンツを公開してきました。

 しかし、合格から2年以上が経ち、本ブログはもちろん、私自身、受験指導に携わる適性を失いつつあるように感じています。

 そこで、節目として、司法試験に関する私の考えを総括しておきたいと思います。


第2 司法試験合格への3ステップ

 私は、受験生が司法試験に合格するまでに踏むこととなるステップを、以下の3つと考えています。

 

 ① 「合格答案」と「基礎知識」のイメージの確立


 ② 「基礎知識」の習得


 ③ 各人固有の弱点の確認・克服

 

 

 上記のうち、②は①を前提とし、③は①と②を前提とする関係にあります。

 そして、③のレベルを達成したとき、その受験生は十中八九合格できる実力を身に付けることができると考えています。

 

 以下、それぞれに分けて説明していきます。


第3 「合格答案」と「基礎知識」のイメージの確立

 1 2つの代表的方法 ~過去問分析と合格者のアドバイス~

 「合格答案」のイメージと「基礎知識」のイメージを確立するために、受験業界で伝統的に取られてきた方法が2つあります。

 言うまでもなく、①過去問を分析すること、そして②合格者にアドバイスを求めることです。

 

 2 過去問分析

 (1) 総論

 過去問分析に関しては、司法試験の場合、問題文とともに、法務省から公表される「出題趣旨」「採点実感」を使って分析を行っていくこととなります。

 そして、私はその中でも出題趣旨を重要視していました。出題趣旨は、具体的出題を通じて、試験委員が求める答案の形(理想形)を明らかにした資料だと考えるためです。

 私は、出題趣旨を以下のように活用していました。

 

 ①マーカーを使って要素(一般論、法的構成、事実、評価)を分析する。

 ②各要素を踏まえて出題趣旨を答案構成化する。

 ③答案構成化した出題趣旨を答案化する。

 

 (2) 各論(平成23年度刑事系第1問の甲の罪責を例に)

  ア 要素を分析する

 私の場合、赤=一般論緑=法的構成と当該年度の論点解説青=事実と評価というように色分けしていました。

 色分けの結果、平成23年度刑事系第1問の出題趣旨は以下のように分析されます。

 

    f:id:odenya2:20141109210829p:plain

 

 イ 答案構成化する

 次に、分析の結果を踏まえ、出題趣旨の要素を答案構成の形に組み立てます

 平成23年度刑事系第1問の甲の罪責については、以下のようになります。

 

    f:id:odenya2:20141109211530p:plain

 

 ウ 答案化する

 そして、先の答案構成を答案の形に仕上げます

 ここまでやることによって、出題趣旨から試験委員の求める答案の形を導くことができます。

 平成23年度刑事系第1問の甲の罪責については、以下のとおりです。

 Dropbox - 答案例(平成23年度刑事系第1問甲の罪責).pdf

 

 3 合格者のアドバイス

 大規模ロースクールであれば、毎年多くの合格者が出るため、先輩や同期から十分なアドバイスを得ることができます

 これに対し、合格者の少ない環境にいる場合は、合格者ブログを利用することになります。

 

 

 

 合格者ブログを侮ることはできません。目的意識を持って読めば、必ず「合格答案」や「基礎知識」のイメージを掴むことができます。 

 

第4 「基礎知識」の習得

 1 「基礎知識」とは?

 「合格答案」と「基礎知識」のイメージを掴んだ上で、合格に不可欠な「基礎知識」を学んでいくことになります。ここでいう「基礎知識」とは、条文・判例・基本原理(ex.弁論主義)のことです。

 司法試験業界においては、「基礎知識」のイメージがないままに勉強をしている受験生があまりに多いと言わざるを得ません。

 受験勉強の目的は合格するレベルに達することであり、それは試験委員の求めるレベルと現状との差を埋めることに他なりません。そのためには、まず試験委員の求めるものを把握することが不可欠であり、それができないといつまでもあさっての方向に勉強を進めていくことになってしまいます。

 私自身、かつてはあさっての方向に向かって勉強していたため、その救いの無さはよくわかります。

 

 

 2 条文

 基礎知識の最たるものは条文です。そして、条文を理解する最善の方法は、六法を素読することです。

 また、短答式試験の過去問も条文学習に適しています。

 そう思い、かつて短答式試験のスマートフォンアプリの開発に着手したこともありましたが、時間が確保できず、頓挫してしまいました。

新司法試験短答式肢別演習教材【トライアル版】 - Google Play の Android アプリ

 

 もっとも、他の方が私のものよりも優れたアプリケーションを開発してくれたので良しとしましょう。

司法試験短答式アプリ Tantow 択一 法科大学院 - Google Play の Android アプリ

 

3 判例・基本原理

 条文の次に重要な基礎知識が、判例基本原理です。そして、これらを学ぶ最適の教材が「最高裁判所判例解説」、いわゆる調査官解説です。

 司法試験への出題可能性等を踏まえて、差し当たって読むべき調査官解説については、以前記事にまとめました。

 

 また、 調査官解説の用い方についても、詳しく記事にまとめています。

 

第5 各人固有の弱点の確認・克服

 基礎知識が一定程度習得できれば合格は目前です。最後にやらなければいけないのは、自分固有の弱点を確認し、克服することです。

 私の場合、途中答案が最大の弱点でした。必ず尻切れトンボになってしまうのです。

 そこで、直前期には徹底的に途中答案を防ぐ対策をしていました。その苦闘については、かつて記事にしています。

 

 

第6 まとめ

 以上、司法試験に関する私の考えを総括しました。

 既におわかりのとおり、これだけ司法試験ブログの充実している現在、合格するための方法論は確立したといっても過言ではありません。少なくとも私はそう考えています。

 だから、合格を目指している人は、情報を大切にして下さい

 私の基本的な考えは、3年近く前につぶやいた以下のツイートから何ら変わるものではありません。

 

新司においては、正しい勉強の目標も方法も様々な資料によって示されています。かつての僕を含め成績の伸びない人に共通するのは、①そもそも資料の存在を知らない(情報収集力の低さ)、②資料に接しても何も感じない(情報感受性の低さ)、③何か感じても自分のやり方にこだわる(頑固さ)、です。

2012年2月6日 @odenya2 

 

 masoブロさんの言うとおり、「方法は必ずある」のです。

 本記事を読んだことが、そのことに気付く一つのきっかけとなれば幸いです。

 

 

 

■今週の注目記事



  『TQ』『7つの習慣』で紹介されている「ミッション・ステートメント」についての記事です。

 何を隠そう、私もつい先日、自分の価値観を振り返るために10箇条からなるミッション・ステートメントを作成してみました。

 上記ブログ主のjMatsuzakiさんのように、ミッション・ステートメントそのものを公開する勇気はまだありませんが、作成の際の視点や効果については今後記事にしていきたいと思っています。

承認欲求を満たすもう一つの方法 ~『嫌われる勇気』を読んで~

第1 今回の記事のテーマ

 

 他者から重要な人物だと思われたい

 全ての人は多かれ少なかれそのような「承認欲求」を持っています。

 過去を振り返ってみると、ご多分に漏れず、私もそのような承認欲求を主たる動機として行動してきた覚えがあります。人は、人生の重要な局面における選択さえ、承認欲求に突き動かされて行動してしまうのですから、この欲求がいかに強固であるかがわかります。

 しかし、他者からの承認を常に期待して生きることは苦しい。なぜなら、往々にして他者からの承認が与えられることは稀だからです。

 そのため、私は、他者からの承認に頼らずに承認欲求を満たす方法について、これまで考えを巡らせてきました。

 

 そのような折に読んだのが、岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)です。



 同書では、他者からの承認に頼らないもう一つの「ライフスタイル」が提示されていました。そして、それは私がこれまで漠然と考えてきたことと一致するものでした。

 そこで、今回の記事では、同書の引用を交えて、他者からの承認に頼らない生き方、すなわち「自己受容」によって承認欲求を満たしていく生き方について、私の考えを述べてみようと思います。

 

第2 なぜ自己受容なのか

 1 「承認欲求を否定する」? 

青年 先生もご存じのはずです。いわゆる「承認欲求」ですよ。対人関係の悩みは、まさしくここに集約されます。われわれ人間は、常に他者からの承認を必要としながら生きている。相手が憎らしい「敵」ではないからこそ、その人からの承認がほしいのです!そう、わたしは両親から認めてほしかったのですよ!


哲人 わかりました。いまのお話について、アドラー心理学の大前提をお話しましょう。アドラー心理学では、他者から承認を求めることを否定します


青年 承認欲求を否定する?


哲人 他者から承認される必要などありません。むしろ、承認を求めてはいけない。ここは強くいっておかねばなりません。


青年 いやいや、なにをおっしゃいます!承認欲求こそ、われわれ人間を突き動かす普遍的な欲求ではありませんか!

 

(同書p.132)

 

 同書において、アドラー心理学に通じた「哲人」は、他者からの承認を求めてはいけないと言います。そして青年は、これを「承認欲求を否定する」意味と理解しています。

 しかし、欲求はそれを否定することで満たすことはできません。食欲を否定したからといって、空腹が満たされないのと同様のことです。

 むしろ、私は、ここで言っているのは、哲人が注意深く言葉を選んでいるように、「他者から承認を求めること」を否定する意味だと理解しました。

 なお、哲人は、前記引用箇所の後で、「他者からの承認を求め、他者からの評価ばかりを気にしていると、最終的には他者の人生を生きることに」なると指摘しています。(本書p.135)。


2 自己受容によって承認欲求を満たす

 承認欲求そのものを否定することができないとすれば、他者からの承認を求める以外の方法でそれを満たすしかありません

 本書では、その方法として「自己受容」という概念が提示されています。

 以下の引用箇所は、多少長いですが、重要な部分なので全文を引用します。

 

哲人 われわれは「わたし」という容れ物を捨てることもできないし、交換することもできない。しかし、大切なのは「与えられたものをどう使うか」です。「わたし」に対する見方を変え、いわば使い方を変えていくことです。

 

青年 それは、もっとポジティブになって自己肯定感を強く持て、何事も前向きに考えろ、ということですか?

 

哲人 ことさらポジティブになって自分を肯定する必要はありません。自己肯定ではなく、自己受容です。

 

青年 自己肯定ではない、自己受容?

 

哲人 ええ、この両者には明確な違いがあります。自己肯定とは、できもしないのに「わたしはできる」「わたしは強い」と、自らに暗示をかけることです。これは優越コンプレックス(注:あたかも自分が優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸ること)にも結びつく発想であり、自らに嘘をつく生き方であるともいえます。

 一方の自己受容とは、仮にできないのだとしたら、その「できない自分」をありのままに受け入れ、できるようになるべく、前に進んでいくことです。自らに嘘をつくものではありません。

 もっとわかりやすくいえば、60点の自分に「今回はたまたま運が悪かっただけで、ほんとうの自分は100点なんだ」と言い聞かせるのが自己肯定です。それに対し、60点の自分をそのまま60点として受け入れた上で「100点に近づくにはどうしたらいいか」を考えるのが自己受容になります。

 

青年 仮に60点だったとしても、悲観する必要はないと?

 

哲人 もちろんです。欠点のない人間などいません。優越性の追求について説明するときにいいましたよね?人は誰しも「向上したいと思う状況」にいるのだと。

 逆にいうとこれは、100点満点の人間などひとりもいない、ということです。そこは積極的に認めていきましょう。

 

青年 ううむ、ポジティブなようにも聞こえるし、どこかネガティブな響きも持った話ですね。

 

哲人 そこでわたしは、「肯定的なあきらめ」という言葉を使っています。

 

青年 肯定的なあきらめ?

 

哲人 課題の分離もそうですが、「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極めるのです。われわれは「なにが与えられているか」について、変えることはできません。しかし、「与えられたものをどう使うか」については、自分の力によって変えていくことができます。だったら「変えられないもの」に注目するのではなく、「変えられるもの」に注目するしかないでしょう。私のいう自己受容とは、そういうことです。

 

青年 ・・・変えられるものと、変えられないもの。

 

哲人 ええ。交換不能なものを受け入れること。ありのままの「このわたし」を受け入れること。そして変えられるものについては、変えていく”勇気”を持つこと。それが自己受容です。

 

(同書p.227~229)

 

第3 どうすれば自己受容できるのか

 1 本書からわかることとわからないこと

 先の引用箇所からわかることは、自己受容とは、ありのままの「このわたし」を受け入れることであり、それは自分に対する「見方」を変えることによって可能だということです。

 しかし、私を含め多くの人は、自分に対する見方を変えることができないから苦しんでいるのであって、前記引用箇所を読んだだけで自己受容ができるようにはならないはずです。

 そこで、以下、前記引用箇所を補う形で、自己受容に対する私の考えを説明していきたいと思います。


 2 コップ半分の水の比喩

 

     f:id:odenya2:20141101090520p:plain

 


 コップに半分の水が入っています

 「水」の部分は、自分に「ある」もの「空(から)」の部分は、自分に「欠けている」ものです。

 このコップの水を見たとき、「水が半分ある」と思う人と、「水が半分足りない」と思う人がいると思います。

 そして、コップの水が自分自身だとすれば、自己受容するためにはコップの水を「半分ある」と考えられるようにならなければなりません。前記引用箇所にいう、自分に対する見方を変えるとは、そのような意味だと理解しています。

 では、コップの水を「半分ある」と見ることができるようになるにはどうすればよいのでしょうか。


 3 自分に対する見方を変えるためには

 (1) 自分の強みと弱みを理解する

 コップの水の絵を描くためには、まず、自分の「水」の部分と「空」の部分を知らなければなりません。すなわち、自分の「強み」と「弱み」を知ることです。

 欠点のない100点満点の人間がいないのと同様に、0点の人間もいません。むしろ、全ての人は等しく50~60点なのではないでしょうか。

 そのような冷静な目で、自分の「強み」と「弱み」を洗い出してみることになります。

 

 (2) 0点からの足し算という認識パターンを身に付ける

 次に、コップの水を「半分足りない」と考えてしまうのは、頭のどこかでコップ一杯に満たされている水を理想としているからです。

 心理学では、そのような100点満点の理想の自分のことを「理想自己」と呼び、現に存在するありのままの自分のことを「現実自己」と呼ぶそうです。

 そして、多くの人が自己受容できずに苦しむのは、理想自己と現実自己のギャップに着目してしまうためです。

 そこで、そのような認識パターンを変えることが、自己受容への道ということになります。

 つまり、100点からの引き算ではなく、0点からの足し算によって現実自己を認識することです。

 

 (3) 60点の自分にオーケーを出す

 100点からの引き算ではなく、0点からの足し算で自分を見ることができるようになると、60点の自分は、-40点ではなく、+60点だということがわかります。これが自分をありのままに認識するということです。

 そして、60点の自分、つまりそれなりに上手くやっている自分を認めることができれば、人は自己受容することができます。

 それなりでいいのです。注意すべきは、自分を認めるときにvery good(90~100点)の評価は必要ないということです。good enough(60点)でよいのです。

 very goodになるための努力が必要ないとは言いませんが、その努力はありのままの自分を認めてあげた後ですればよいのです。


 (4) 自己受容できない自分を自己受容する

 最後に、前記のプロセスに沿って、自分なりに自己受容する方法を身に付けたとしても、ふとした瞬間に他人に対して劣等感を感じたり、嫉妬心を抱いたりすることを止めることはできないでしょう。その意味では、人はどこまで言っても、承認欲求から自由になることはできないと言えるかもしれません。

 しかし、自己受容できない自分(現実自己)を、自己受容”すべき”自分(理想自己)と比べてしまっては、先に述べた100点からの引き算に逆戻りです。

 ですから、時々自己受容できなくなってしまう自分を否定しないようにしましょう。そのような弱さを捨てきれない自分こそ、ありのままの自分であり、愛すべき自分なのですから。


第4 まとめ

 以上、自己受容について私の考えを述べました。

 しかしながら、『嫌われる勇気』でも指摘されているように、自己受容は「言うは易く、行うは難し」の分野であり、私自身、日々自己受容できない自分に直面しています。

 今回の記事は、稀に見る名著である『嫌われる勇気』を紹介すると同時に、承認欲求を満たす生き方は一つだけではありませんよというご紹介でした。

 『嫌われる勇気』、ご興味のある方は是非手に取ってみて下さい。

 

 

■今週の注目記事



 わかってはいるけれど、コントロール不可能な事象に心を悩ませることがいかに多いか・・・。

 しかし、日々様々なことに忙しく、もっと言えば人生の時間だって短いからこそ、貴重な時間をコントロール可能な対象に集中することが大切だということでしょう。

 さらに自己受容との関係で言えば、遺伝や幼少期の経験によって形成された自分の素質や性格は、もはやコントロール不可能な事象に位置付けられるのでしょう。そうした意味でも、ありのままの自分を受け入れることが必要なのかもしれません。

社会人1年目の自己投資について

 仕事を始めて以来、必要となる様々なモノやサービスにお金を投資してきました。その投資も最近落ち着いた感があります。

 そこで今回は、この1年間に投資してきたものについて、振り返ってみたいと思います。

 

 

・モバイルPC 約14万円

 



 弁護士会の委員会の議事録を取ったり、外出先で作業をする際に、モバイルPCは重宝します。

 その際に最も重視するのは、持ち運びに苦労しない軽さです。

 私は、NECのPCを使っています。なんと、重量わずか964gです。

 

 

・モバイルルーター 月額約4,000円

 



 そして、モバイルPCとともに必要となるのが、外出先でインターネットに接続するためのモバイルルーターです。

 Y!mobileには、通信制限が厳しいなど不満な点もありますが、YouTubeを観ないようにするなどの工夫をして使っています。

 

 

・Nozbe 月額680円

 

ツアーを見る:どうやってNozbeでGTDをするの?

 

 時間管理のツールとしてまず投資をしたのが、GTD実践のためのデジタルツール「Nozbe」のプレミアムプランです。

 私の活用方法については、別途記事にしています。

 

 

 

・Taskchute 6,480円

 

タスク管理ツール・TaskChute2(PayPal決済)

 

 Nozbeに欠けている1日ごとのタスク管理を補うために導入したのが「Taskchute」です。

 私の活用方法については、前掲記事「弁護士のタスク管理 ~ストレスフリーを実現するシステムとツール~」で紹介しています。

 

 

・たすくま 3,000円

 

Taskuma -- TaskChute for iPhone

 

 そして、Taskchuteをもってしてもできなかった、私生活でのタスク管理を実現させてくれたのが、iPhone版Taskchuteである「たすくま」です。

 これについては、後日、詳しくレビューを書きたいと思っています。

 

 

・「超」整理手帳 1,836円

 

講談社の「超」整理手帳2014オフィシャルサイト| 商品詳細

 

 仕事においては、タスク管理とは別にスケジュール管理が必要となります。そして、スケジュール管理においては、私は専らのアナログ派です。

 手帳については、「訟廷日誌」、「弁護士日誌」などを試してきましたが、結局、野口悠紀雄先生が監修した「超」整理手帳に落ち着きました。

 

 

・Evernote 月額333円

 



 情報やアイデアを管理するための「第2の脳」として愛用しているのが、「Evernote」です。私は、その機能をフルに活用するために、プレミアムプランを利用しています。

 Evernoteの活用方法については、別途記事を書いています。

 

 

 

・ScanSnap Evernote Edition 49,800円

 



  そして、Evernoteと併せて使うことにより、デスク周りの環境をストレスフリーにしてくれるのが、「ScanSnap Evernote Edition」です。

 デスク周りの整理法については、別途記事を書いているので、よろしければご参照下さい。

 

 

 

・メルティBOX 1回あたり1,200円

 



 ScanSnapでPDF化した後の紙の資料(弁護士会からのFAX文など)の処分に役立つのが、個人事業主向けの文書溶解処理サービスです。

 私は大塚商会が提供する「メルティBOX」を利用しています。

 

 

・Workflowy 月額約400円

 



 文書作成の際のアウトライン作成ツールとして利用しているのが「Workflowy」です。Windows・Mac版のアプリケーションのほか、タブレット、スマートフォン用のアプリケーションが用意されており、いつでもどこでもアウトラインを作成することができます

 「アウトライン」をはじめとする文書作成法については、以下の記事にまとめています。

 

 

 

・タイムズカーシェアリング 15分206円から 

 



 地方の弁護士業務では車が必要となりますが、車を買う場合、購入費に加え、駐車場代、保険料といった諸費用の負担が大きいです。そこで、私は「タイムズ」のカーシェアリングを利用しています。

 タイムズのカーシェアリングは、24時間対応のコールセンターが用意されていたり、車は全国に存在するタイムズの駐車場から借りることができるなど、サービス内容が充実しています。

 

 

・まとめ

 以上、社会人1年目の自己投資について紹介しました。

 その種類は人それぞれであるとしても、社会人になると、快適な執務環境を実現するために様々な投資が必要となります。それは時間のための投資であり、人生のための投資です。

  これから社会人になる方には、実りある自己投資ができますことを願っています。

 

 

■今週の注目記事

 

 

 最近読んだ『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)の著者2人による対談録です。

 「嫌われる勇気」、「承認欲求を否定する」など、同書はセンセーショナルな内容を含んでいますが、「青年」と「哲人」の対話を辿ることによって、読者が無理なくアドラー心理学の体系を理解できるように構成されています。稀に見る良書だと思います。

 後日、同書のレビューを兼ねて記事を書きたいと思います。

新社会人のためのブックリスト15選 ~新人弁護士編~

 月日が経つのは早いもので、もうすぐ仕事を始めて1年になります。事務所にはもうすぐ後輩が入ってきます。

 そこで、主にこれから社会人1年目を迎える方に向けて、1年目の社会人生活を支えてくれた15冊の本を紹介します。

 ※コメント等を今後追記予定です。

 

 

1 ロジカルシンキング

 

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

  • 作者: バーバラミント,グロービスマネジメントインスティテュート,Barbara Minto,山崎康司
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 1999/03
  • メディア: 単行本
  • 購入: 76人 クリック: 775回
  • この商品を含むブログ (279件) を見る
 

 

 

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)

ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)

 

 

 

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

 

 

 

2 人間関係・コミュニケーション

 

人を動かす 新装版

人を動かす 新装版

 

 

 

自分の小さな「箱」から脱出する方法

自分の小さな「箱」から脱出する方法

  • 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/10/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 156人 クリック: 3,495回
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営業の魔法―この魔法を手にした者は必ず成功する

営業の魔法―この魔法を手にした者は必ず成功する

 

 

 

プロカウンセラーの聞く技術

プロカウンセラーの聞く技術

 

 

 

ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)

ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)

  • 作者: ロジャーフィッシャー,ウィリアムユーリー,金山宣夫,浅井和子
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 1989/12/19
  • メディア: 文庫
  • 購入: 19人 クリック: 155回
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ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)

ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた (知的生きかた文庫)

 

 

 

3 時間管理

 

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

はじめてのGTD ストレスフリーの整理術

 

 

 

TQ-心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント (ソフトバンク文庫)

TQ-心の安らぎを得る究極のタイムマネジメント (ソフトバンク文庫)

  • 作者: ハイラム・W・スミス,Hyrum W. Smith,黄木信,ジェームス・スキナー,James Skinner
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2009/11/16
  • メディア: 文庫
  • 購入: 2人 クリック: 18回
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4 キャリア形成

 

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))

 

 

 

仕事は楽しいかね?

仕事は楽しいかね?

 

 

 

抜擢される人の人脈力  早回しで成長する人のセオリー

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー

 

 

 

5 自尊心

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

 

 

■今週の注目記事



 様々なブロガーがオムニバスで記事を書く「サイボウズ式『ブロガーズ・コラム』」の記事。

 「キレる」のは極端としても、明確な意思表示をし、相手とのコミュニケーションを主導するのは大切なスキルかなと思いました。

 

Webにおける情報収集についての再考

第1 普段の生活における情報収集の重要性

 現代においては、インターネットに膨大な量の情報が公開されています。その情報をうまく活用することができれば、様々な場面での学習効率を高めることができるはずです。
 そこで、今回は、私の行っているインターネットでの情報収集の手法についてご紹介したいと思います。

 

第2 Web検索

 0 前提として・・・

 まず前提として、検索エンジンはGoogleを使うことを勧めます。検索の精度が全然違いますから。

 

 1 検索ワードの選定

 では具体論に入っていきます。ここでは例として、"仕事に活きる文章作法"について調べるものとします。

 

 (1) 基準

 まず、検索ワードは何を選べばよいでしょうか。

 ここで私が検索ワードとして勧めるのは、a.調べたい対象を全てを含む最も包括的なワード、次にb.当該分野において鍵となるワードです。

 

 (2) 包括的なワード

 包括的なワードとは、可能な限り抽象化されたワードです。先ほどの例(仕事に活きる文章作法)で言えば、「報告書」の書き方でもなく、「マニュアル」の書き方でもなく、それら全てを含む「(仕事上の)文章」といった語で検索を掛けるのです。

 Google検索は、閲覧数やブックマーク数、SNSでシェアされた回数などのユーザーの行動や、記事の内容とキーワードとの関連性などに基づいて検索結果をランキングしています。そうであれば、より多くのサイトがヒットするようなワードで検索を掛け、Googleによるランク付けで絞るのが効率的といえます。

 

 (3) 鍵となるキーワード

 次に、当該分野において鍵となるワードで検索を掛けることが考えられます。

 どんな分野においても、少し調べてみると、鍵となるワードや概念があることがわかります。そして、役に立つ記事や情報は、そのようなワードや概念を中心に書かれていることが多いのです。

 先ほどの例で言えば、「パラグラフ」というキーワードは、論理的な文章を書く際に欠かせないものだということがわかります。

 そのため、包括的なワードでヒットした記事をいくつか読み、それらの記事に共通して登場するキーワードを見つけたならば、当該キーワードで改めて検索を掛けてみて下さい。きっと求めている記事に辿り着くことでしょう。

 

 2 3つの検索方式

 ところで、Web検索の方法は一つではありません。私の場合、通常検索のほか、PDF検索Amazonの書籍検索を掛けるようにしています。
 順を追って説明していきます。

 

 (1) 通常検索

 通常検索については説明の必要がないでしょう。Googleのトップページや検索窓からの検索を指します。

 

 (2) PDF検索

 PDF検索とは、Googleの検索構文を用いた検索方法です。検索ワードの前または後に「filetype:pdf」を付け足すことにより、PDFファイルのみが検索の対象となるのです。
 インターネット上には、論文やプレゼン資料などがPDFの形式で公開されていることがあります。そうした資料の中には著名人や学者の手によるものも多いのです。

 PDF検索を行うことにより、そのような信用性の高い情報に絞った検索結果を得ることができます。

 

 (3) Amazon検索

 さらに信用性の高い情報を得たいのであれば、書籍に当たるしかないでしょう。書籍の検索に役立つのがAmazon.comです。

 Amazon.comには、書籍の内容のほか、読者からの評価、レビューが記載されます。こうした様々な情報を通して、求める情報に最適な書籍を探し当てることができます。

 ワンクリックで書籍を購入することもできるので便利です。中古であれば、1円から買うことができます。

 

 3 検索ワードを少し変えてみる

 ここまで一通り検索してみたところで、検索ワードを少し変えてみてもいいかもしれません。
 先ほどの例で言えば、「文章 仕事」とか「文章 論理的」というように、検索ワードを一語加えることによって、検索結果が変わってきます。
 また、英文読解に抵抗がなければ、英訳してみることも有効です。「Writing」で検索を掛けることによって、文章作法について書かれた英文記事を見つけることができます。

 

第3 情報の保存

 さて、このようにして見つけた情報をそのままにしておくのは勿体ありません。すなわち、適切な方法で保存し、後に思い出せるようにしておくことが肝心です。

 私の場合、インターネット上の情報は、EvernoteでWebクリップをしています。EvernoteのWebクリッパーは、ワンクリックで起動することができるので便利です。

 また、書籍については、簡単な感想文をEvernoteに作成しています

 

 

第4 まとめ

 以上、インターネットにおける私の情報収集法を紹介しました。

 インターネットは使いようによっては多くの情報を得ることができます。この記事が明日からの情報収集に役立てば幸いです。

 

 

 

■今週の注目記事

 

 

 この記事の通り、ブログのネタは生活のそこかしこにあります。それを記事にすることができないのは、ただ文章として提供するための下準備(アウトラインの作成)ができていないためです。

 そのような意識で、日々の気付きをこれからも記事にしていきたいと思います。

ブロガー用名刺を作ったよ。

名刺作成の動機、依頼した名刺店

 以前、「ブロガーズフェスティバル」に参加した際に、名刺がないことで苦労したため、このたびブロガー用名刺を作成しました

 今回作成を依頼したのは、神戸市にある「前川企画印刷」というお店。メールでのやり取りでしたが、要望に丁寧に応えてくれて、思い描いたとおりの名刺を作ることができました。

 

名刺の写真

 完成した名刺がこちら

 

f:id:odenya2:20141006041031j:plain

 

 こだわった点としては、

  • 認知してもらいやすいように顔写真アイコンを入れたい
  • テーマがわかるように、ブログ紹介文を入れたい
  • フォローしてもらうために、Twitter等のアカウントを入れたい

といった点です。

 担当者の方と何度かやり取りをして、この構成となりました。

 価格は、なんと100枚当たり1,300円でした。

 

今後、イベント等で配布予定

 今後は、ブロガーのイベント等で積極的に配っていきたいと思います。

 職業用名刺とは別に個人用名刺を作っておくことで、肩書とは離れて、自分はこういう人ですよというのを紹介しやすくなると思います。その意味では、ブログをやっていない方にとっても、個人用名刺を作る意義はあるのではないかと思います。

 以下のリンクは「前川企画印刷」の代表者のブログですが、名刺の作成例も載っていますので、興味を持たれた方は是非一度ご覧下さい。



 

■今週の注目記事



 デスク上の「モノ」がコンピューター上のアプリケーションに置き換えられていく様子を示した動画です。

 過去に整理に関する記事を書いた関係で、こういったコンテンツには関心を持っています。結局、コンピューター(とスマートフォン)で代替可能なものについては、積極的に代替していくのが基本的に良いのかもしれません。

明日から業務効率化!PCにおける文字入力に役立つTips集

第1 はじめに

 弁護士の仕事の中でも文書作成は中心的な業務です。そのため、キーボードを使って文字を打つ時間は業務時間の大部分を占めます。

 そこで、今回は、文字入力の際に私が行っている工夫を紹介したいと思います。

 

第2 Microsoft IMEではなく、Google日本語入力を使う

1 Google日本語入力をインストールする

 まず、導入に手間がかからず、しかも文字入力の大幅な効率化をもたらす方法をご紹介します。それは、Windows PCに予めインストールされている文字入力ソフトである「Microsoft IME」の使用を今すぐにやめ、Googleが提供する文字入力ソフトである「Google日本語入力」を導入することです。

 Google日本語入力は、以下のリンクから無料でインストールすることができます

 http://www.google.co.jp/ime/

 

2 Google日本語入力を勧める理由

(1) 変換機能が優秀

 私がGoogle日本語入力を勧める理由としては、まず変換機能が優秀であることが挙げられます。
 変換機能といえば、これまでジャストシステム社の「ATOK」が有名でしたが、Google日本語入力はATOKに引けを取らない変換機能を搭載しています。私自身、つい先日までATOKを使っていましたが、変換機能に大きな違いがない上、次に述べるサジェスト機能が非常に便利だったため、ATOKから乗り換えました。

 

(2) サジェスト機能が非常に便利

 サジェスト(入力候補表示)機能については、Google検索で馴染みがあると思います。しかし、Google日本語入力のサジェスト機能のすごいところは、ユーザーが過去に入力した単語や文章の履歴をもとに入力候補を表示してくれるところです。
 例えば、「株式会社」という単語を打つことの多い私のPCには、「かぶ」と入力した時点で「株式会社」が入力候補として表示されます。したがって、後はそれをTabキーから選ぶだけで「株式会社」という単語を入力することができます。

 同様に、私のPCには、「ちば」と入力した時点で「千葉銀行」が入力候補として表示されます。そのため、「かぶ」「ちば」と入力するだけで、「株式会社千葉銀行」という長い単語を入力することができます

 既に文字入力は「打つ」時代から「選ぶ」時代に移ってきており、効率化のためにこれを活用しない手はないと思います。

 

第3 単語登録を活用する

 前述のとおり非常に便利なサジェスト機能ですが、さらに文字入力をパーソナライズしたいのであれば「単語登録」機能を使うと良いでしょう。PCの画面右下に表示されているGoogle日本語入力のアイコン上で右クリックすると、単語登録のメニューを表示することができます(なお、頻繁に使用する機能なので、「Ctrl+F7」といったショートカットキーを設定しておくことを勧めます。)。

 私が登録している単語としては、例えば、ナンバリングの「(1)~(9)」があります(裁判所に提出する書面においてはナンバリングが「第1」「1」「(1)」「ア」「(ア)」などと指定されているため、見出しを振る際に使うことが多いのです。)。私の場合、「@1」と入力すると「(1)」に変換されるように設定しています

 また、メールアドレスや電話番号、住所などよく入力する文字列を単語登録しておくことも便利です。

 私の場合、

 「あど」→メールアドレス
 「てる」→事務所電話番号
 「じゅうしょ」→事務所住所
 「ゆうびん」→事務所郵便番号

というように長い文字列の入力の手間を省く工夫をしています。

 

第4 ショートカットキーを活用する(主にWordを念頭に)

 さらに、マウス操作を可能な限り減らし、キーボードによる文字入力に集中することができれば、文字入力のスピードを飛躍的に向上させることができます。

 そのためにWindowsには多様なショートカットキーが用意されていますが、今回はその中でも特に使用頻度の高いものを紹介します。

 

【Ctrlキー系】
Ctrl+A       文書全体を選択する
Ctrl+C       選択した文字列をコピーする
Ctrl+X       選択した文字列を切り取る
Ctrl+V       コピーまたは切り取った文字列を貼り付ける
Ctrl+P       文書を印刷する
Ctrl+B       選択した文字列を太字にする
Ctrl+U       選択した文字列に下線を引く
Ctrl+S       文書を保存する
Ctrl+Z       一つ前の操作を元に戻す
Ctrl+Y       一つ前の操作を繰り返す
Ctrl+W       文書を閉じる
Ctrl+H       置換する
Ctrl+E       中央揃えにする
Ctrl+R       右揃えにする
Ctrl+L       左揃えにする
Shift+Ctrl+J     文字の均等割り付け
Shift+Ctrl+<     文字のサイズを小さくする
Shift+Ctrl+>     文字のサイズを大きくする

 

【Altキー系】
以下のスクリーンショットを参照。

 

f:id:odenya2:20140928115534p:plain

 

【Shiftキー系】
Shift+方向キー    文字列を選択する
Shift+スペース    半角スペース

 

【Fnキー系】
Fn+← or →     左端・右端に移動する
Fn+↑ or ↓      ページをスクロールする

 

【Fキー系】
F6         全角ひらがなに変換する
F7         全角カタカナに変換する
F8         半角カタカナに変換する
F9         全角英数字に変換する
F10         半角英数字に変換する

 

第5 終わりに

 以上が、文字入力の際に私が行っている工夫です。

 私は、業務効率化の本質は、しなくてよい無駄な作業を省くことにあると考えています。文字入力に関して言えば、①マウスを使う回数を減らすことと、②キーボードで打つキーの数を減らすことがこれに当たります。
 ①について言えば、ショートカットキーを使うことで、マウスポインターを動かしたり、右クリックを使ったりする無駄を省くことが可能です(「第4」)。
 また、②について言えば、サジェスト機能や単語登録を使うことで、同じ文字列を入力するに当たっても、より少ないキー操作で入力の目的を達することができます(「第2」、「第3」)。キー操作の量を減らすことは単純に入力時間を短縮する上、ミスタイプを減らすことにもつながるので、さらに時間の短縮につながります
 

 弁護士に限らず、PCによる文字入力は多くの業種において不可欠のものとなっていると思います。

 本記事が明日からの業務改善の参考になれば幸いです。

 

 

■今週の注目記事



 Evernoteの活用方法に関する記事。「名前を思い出せない人と再会したときなどに、Evernote でみつけたりしています」という記載に、「あるある」と思ってしまいました。

 情報が洪水のように流れてくる現在、情報管理は「記憶」でまかなうよりも「記録」してしまうほうがはるかに現実的です。要は、「記録」を検索できる仕組みを作っておけばよいのであり、そのための仕組みはEvernoteにビルトインされています。

  この記事に限らず、Evernote日本語版ブログには、Evernoteの活用に関する記事が豊富に掲載されているので、是非購読をお勧めします。

Evernoteと私 ~知的生産のシステム~

第1 はじめに

 今年7月に「Evernote Days 2014」に参加して以来、Evernoteの活用法について考えてきました。このたび一定の方法論が確立したので、紹介したいと思います。

 

 

第2 ノートの作成

 

f:id:odenya2:20140921212902p:plain

 

 「ノート」とは、Evernoteにおける記録のことです。上の写真では、「kz(livetune)とDRIVING KIDS with TOYOTAが・・・」とタイトルの付いている記事がノートに当たります。

 そして、「ノートブック」とは、個々のノートが収納されているフォルダのようなものです。上の写真のノートは「Inbox」というノートブックに収納されています。

 

 さて、私の場合、ノートは次の5通りのルートを通じて作成されます。

 

 1 テキスト入力

 まず、タッチパネルまたはキーボードによるテキスト入力です。

 私の場合、簡単なメモ書きはノート上部のタイトル欄に記入しており、本文欄は基本的に使っていません。

 

 2 Webクリッパー

 次にWebページのクリップです。

 現在はPC、Android、iOSそれぞれのEvernoteアプリにWebクリッパーが搭載されているため、簡単な操作でインターネット上の情報をEvernoteに記録することができます。

 実際、私のノートの中でもWebクリッパーを通じて作成されたものが大部分を占めています。

 

 3 Feedly

 購読しているブログ等の記事は、RSSリーダーのFeedlyから直接Evernoteに取り込んでいます

 

 4 ScanSnap(スキャナー)

 弁護士会から届くFAX類などは、職場のデスクに置いてあるScanSnapで電子データ化しています。スキャンした書類は自動でOCR処理されるため、後に検索するのに便利です。

 

 5 カメラ(iPod touch)

 iPod touchのカメラで撮影した写真は、アプリを通じてEvernoteにアップロードしています。

 

第3 Inbox方式

 1 全てのノートは一度Inboxに入る

 上記のルートを通じて作成されたノートは、一度全て「Inbox」と名付けられたノートブックに入ります。この手法を「Inbox方式」と呼びます。
 Inbox方式のメリットの一つは、ノート作成の際にどのノートブックに振り分けるべきか迷う必要がなくなることです。

 

 2 一日に一度Inboxを空にする

 Inboxに入ったノートは一日に一度然るべきノートブックに振り分けます。そして、Inboxを空の状態を保つようにします。この作業を「日次レビュー」といいます。

 日次レビューを通じて、全てのノートを必ず一度は読み返すことになります。すなわち、Inbox方式のもう一つのメリットは、ノートを読み返すきっかけを作るという点にあります。

 

第4 月次レビュー

 また、本ブログに掲載する「月報」を書くために、1か月に一度その月のノートを見返しています。この作業を「月次レビュー」と呼びます。

 月次レビューのメリットは、ノート作成時にはなかった視点からノートを読み返すことによって、新たな発想が生まれることにあります。特に、1か月単位でノートを読み返すと、ノート相互の関係にも注目することになるため、その組み合わせによって新たな発想が生まれることが多いのです。

 

第5 終わりに

 上記の5通りのルートを通じてあらゆる情報(※事件関係書類を除く。)をEvernoteに入力するようになって、身の回りの情報が整理されたように感じています。そして、あらゆる情報がEvernoteに入っており、そこを探せば欲しい情報が見つかるようになったことで、情報探しの手間が省けるだけでなく、心に安心をもたらしました。

 そして、Inbox方式と月次レビューを通じて、Evernoteを単なる情報の倉庫としてではなく、発想法のツールとして使うことができるようになりました。そのことはブログ記事作成の際などに役立っています。

 

 もっとも、Evernoteは本来使い方の定まっていないツールであり、当然、今回紹介した私の活用法が唯一ということはありません。Evernoteの使い方はオーナーである“あなた”が決めるものです。

 本記事がその参考になれば幸いです。

 

 

■今週の注目記事



 少し前の記事ですが。

 最近、iPod touchを買ったことをきっかけに「たすくま」(iOS版タスクシュート)を使い始めました。上記記事は、本家タスクシュートとたすくまの使い分けについて述べた記事です。その整理は私にとって非常にしっくりくるものでした。

月報2014年8月

第1 業務について

 1 整理法の確立

 先月は、職場にScanSnap Evernote Editionを導入し、これに伴って書類の整理法を確立しました。
 その方法については、先々週に記事にしたとおりです。

 

  

第2 プライベートについて

 1 富士登山

 8月初旬、昨年に引き続き、富士登山に行ってまいりました。

 この日は登山を開始する直前に激しい雨が降り、無事に登れるか心配しましたが、登山を開始するころにはすっかり晴天になり、絶好の登山日和となりました。そして、無事三年連続の登頂を果たすことができました。

 

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-天候が良かったため、伊豆半島を一望することができました!

 

 

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-ご来光を拝むのは三年連続ですが、何度見ても感動するものです。

 

 

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-まさに空中庭園。富士山頂から眺める景色は言葉に尽くせないほど幻想的です。

 

 

 2 群馬日帰り旅行

 また、8月中旬には、日帰りで群馬県に旅行に行きました。短時間ながら、世界遺産登録された富岡製糸場や温泉街として有名な伊香保温泉郷を満喫することができました。

 

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-富岡製糸場の木骨煉瓦造の建物。煉瓦の赤が青空に映えて美しかったです。

 

 

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-伊香保温泉の有名な石段街。階段に沿って源泉を流し、両脇に立ち並ぶ温泉宿に通してきました。昔の人々の知恵ですね。
 
 

 今回の旅行では、往復とも新幹線を利用しました。新幹線を利用すれば、日帰りで遠方まで旅行でき、しかも泊まりがけに比べると費用も割安になることを知りました。今後、新幹線で行く日帰り旅行プランを色々と開拓していきたいと思います。

 

 3 ブロガーズフェスティバル

 そして、8月の後半には、「ブロガーズフェスティバル2014」に参加しました。
 その様子は、以前記事にしたとおりです。

 

第3 まとめ

 以上が8月の月報です。弁護士業務に徐々に慣れてきたこともあり、本ブログの活用を含むプライベート面の確立に意識が向かった1か月間でした。
 この仕事、本業とその他の両立がなかなか難しい仕事ではありますが、むしろ本業のためにも「その他」の部分をしっかり持っていたいと思っています。
 では、本日はこのへんで。

 

 

■今週の注目記事 

 

 最近、個人的にホットになっているアウトライナーに関する記事。

 アウトライナーは“書く”ためのツールにとどまらず、“考える”ためのツールとしても活用ができると思います。Workflowy など、打ち込んだ内容が即時に同期されるツールも生まれていることから、今後、人が思考する方法そのものを変える可能性を持っていると思います。

弁護士が実践する!論理的な文章を書くための3ステップ

第1 文章作成の3ステップ

 文章は意識的・無意識的に次の3ステップを辿って作成されます。

 つまり、

 

 1.素材を集める

     ↓

 2.アウトラインを作る

     ↓

 3.推敲する

 

です。

 

 今回は、そのことについて、先週書いた記事『弁護士の整理法 ~書類探しの手間を省く3つのルール~』の作成過程を通じて紹介していきたいと思います。

 

第2 【ステップ1】素材を集める

 1 メモを取る習慣

 まず、文章を書くためには、普段から素材を集めておくことが肝心です。そのためには、月並みではありますがメモを取る習慣が重要となってきます。

 社会人であれば、メモ帳を常に携帯するように指導されるはずです。手書き派の方はもちろん、そうでない方にとっても、電子機器の使えない場面ではメモ帳による記録が素材集めの中心となってきます。

 また、スマートフォンやタブレット端末の普及した現代では、電子機器による記録が主流となっています。特に、電子機器では、文字による記録だけではなく、写真や動画による記録が可能であり、ブログのような表現媒体ではこうした非文字情報による記録が重要となってきます。

 2 具体例 

 「弁護士の整理法 ~書類探しの手間を省く3つのルール~」を書こうと思ったきっかけは、野口悠紀雄『「超」整理法』(中公新書)を読んでいる過程で整理法についての考えがまとまってきたためです。私は同書の読書メモをEvernoteに残しています。

 

 “クリアファイル内でも「押し出し方式」を実践する”

 “整理の目的は検索することにある”

 

 そして、記事を書くに当たっては写真があったほうがよいと思い、デスク周りの写真を撮影しておきました。

 

f:id:odenya2:20140827062816j:plain

 

 このように、一つの記事を書くに当たっては、事前の素材集めが必要となってきます。

 

第3 【ステップ2】アウトラインを作る

 1 Wordでアウトラインを作成する

 このようにして文章を書くための素材が集まったら、思考の体系に沿って各素材を整理していきます。この作業がアウトラインの作成です。

 アウトラインとは、文章の構成のことをいいます。

 プレゼンなどで他人に何かを説明するとき、事前に箇条書きのようなメモを作成する人は多いと思います。これを文章作成の際にも徹底して行うということです。

 アウトラインは手書きで作成しても構いません。しかし、後にコピー&ペーストすることを考えると、デジタルツールで作成するほうが便利です

 そして、アウトライン作成ツールとして私が薦めるのが、Microsoft Wordのアウトライン機能です。「表示」タブの「文書の表示」の中にある「アウトライン」をクリックすると、表示が切り替わり、アウトライン機能が起動します。

 

 2 具体例

 以下に掲載するのが『弁護士の整理法 ~書類探しの手間を省く3つのルール~』のアウトラインです。

 

f:id:odenya2:20140907072158p:plain

 

 ところどころ単語のみになっていたり、ですます調になっていない部分がありますが、記事の骨格は既に出来ていることがわかります。

 

第4 【ステップ3】推敲する

 最後に、出来上がったアウトラインを文章の形に完成させていきます。このステップを推敲といいます。

 推敲は、コツらしきコツの存在しない地道な作業です。ひたすら文章を読み返して、無駄な部分を削ったり、論理的につながっていない部分を補っていきます

 その作業を終えたとき、ようやく一つの文章が完成します。

  



第5 まとめ

 以上が文章を書くための3ステップです。

 なお、実際には、【ステップ1】“素材を集める”と【ステップ2】“アウトラインを作る”は同時並行的に行われるのが通常であり、そのほうが効率的といえます。この点は、仕事の進め方の基本である「仮説思考」とも関係する部分なので、いずれ詳しく記事にしたいと思います。

 

 文章を書く全ての人の参考になれば幸いです。それでは、今回はこのへんで。

 

第6 参考文献

 1 素材を集める

 山田ズーニー『伝わる・揺さぶる!文章を書く』(PHP新書)

 2 アウトラインを作る

 バーバラ・ミント『新版 考える技術・書く技術』(ダイヤモンド社)

 木下是雄『理科系の作文技術』(中公新書)

 倉島保美『論理が伝わる世界標準の「書く技術」』(ブルーバックス)

 3 推敲する

 本多勝一『日本語の作文技術』(朝日文庫)

 阿部紘久『文章力の基本』(日本実業出版社)

 4 アウトライン作成ツール

 Android・・・ハルナ アウトライン free - Google Play の Android アプリ

 iOS・・・Outline Creator - iTunes 

 両方・・・WorkFlowy - Organize your brain.

 

 

 

■今週の注目記事 

 

 今回から毎回の記事の最後に私が注目したWEB記事を紹介していくことにします。

 第1回目の今回に紹介するのは、愛読させていただいている「No Second Life」の記事。人が変わるためにはどうすればよいのか?我が身を振り返って考えさせられる良記事でした。

弁護士の整理法 ~書類探しの手間を省く3つのルール~

第1 私のデスク周り

 

f:id:odenya2:20140827062816j:plain

 

 私のデスク周りです。自分で言うのも何ですが、かなり綺麗なほうだと思います。

 ところで、私は普段から3つのルールに基づいてデスクの整理を行っています。

 すなわち、①紙で保管する必要のないものはデータ化する②紙で保管する必要のあるものについて保管のルールを確立する③デスクに出すのは一度に一案件とする、というものです。

 本日は、思いつくままに私の実践している整理法について書いてみたいと思います。

 

第2 弁護士会からのFAX等 →PDF化してEvernoteへ

 1 紙に振り回されていた従来の状況

 同業の方であればわかると思うのですが、弁護士の事務所には、弁護士会や業者などから一日に何回もFAXや郵便物が届きます。例えば、研修のお知らせや法律相談の割振りなどです。

 また、月例の委員会や年に2回開かれる総会の後には、膨大な量の資料が手元に残ります。

 こういった書類を、従来、私は紙のままで保管していました。その量はバインダー約10冊分。こうなると、たった1枚の紙を探すために膨大な紙を引っ張りださなければならず、書類探しに無駄な時間を費やしていました

 

 2 スキャナーを導入してからの変化

 しかし、あるとき気付きました。データで管理すればいいじゃないかと。そこで、バインダー約10冊にもなった書類群を、思い切ってスキャナーに取り込みました。

 

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 私のスキャナーです。ここに取り込むことにより、自動的にEvernoteにファイルが保存されるようになっています。

 そして、Evernoteの何よりの強みが強力なOCR機能(文字認識機能)です。

 OCR機能と検索エンジンのおかげで、これまで記憶に頼って手作業で探していた資料を、瞬時に取り出せるようになりました。委員会活動などでは、意外に過去の書類を参照することが多いため、書類探しの手間が省けたことは大きな効率化をもたらしました。

 

第3 事件関係書類 →押し出しファイリング方式

 1 紙で保管する必要のある書類

 これに対し、一定の書類はデータ化に適さず、紙のままで保管する必要があります。その典型は、証拠書類などの事件関係書類です。

 しかし、その量もやはり膨大になるため、紙の書類の保管ルールを確立しなければ、書類探しに追われる羽目になります。

 そこで、私が徐々に確立していった方法が、押し出しファイリング方式です。

 

 2 押し出しファイリング方式とは

 押し出しファイリング方式とは、野口悠紀雄『「超」整理法』(中公新書)で紹介されている整理法です。

 本家押し出しファイリング方式は、次のように行うものとされています。

 

 (1) 角型2号の定型外封筒をたくさん用意する

 (2) 案件ごとに書類を封筒に入れて、本棚に立てる

 (3) 使った封筒は左端にしまう

 

 非常にシンプルな整理法です。

 この方法によれば、最近使った書類ほど左側に置かれているため、最近使った書類を探すときは本棚の左のほうを探せば見つかります。反対に、最近使っていない書類を探すときは、本棚の右のほうを探せば見つかります。つまり、時間軸によって検索を容易にするシステムなのです。

 

 3 私の具体的手法

 

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 私は、上記の押し出しファイリング方式を多少アレンジして使っています。

 具体的には、書類の保管には封筒ではなくクリアファイルを用いています。なぜなら、クリアファイルであれば中身の書類が見えるため、封筒よりも探すときに便利だからです。そして、クリアファイルの左上にはラベルを貼り、プロジェクト名がわかるようにしています。

 クリアファイルを本棚に立てる際には、ファイルスタンドを使用しています。各ファイルスタンドには、①進行中事件、②終結済事件、③会務、④弁護士業一般というラベルを貼り、書類の属性がわかるようにしています。

 また、本家押し出しファイリング方式では使った書類を左端に収納しますが、私は使ったものから右端に収納しています。この辺りは個人の好みなので、どちらでも構わないと思います。

 さらに、クリアファイルの中の書類についても、使ったものから上にしまっています。すなわち、ファイル内でも押し出しファイリング方式を適用しています

 

第4 デスクに出すのは一度に一案件(デスク上一案件の原則)

 最後に、デスクに出して作業するのは、一度に一案件と決めています。これには少なくとも2つの効用があると思っています。

 第1に、書類の紛れ込みを防ぐことです。仮に、一度に複数の案件の書類をデスクに出した場合、ある案件の書類を他の案件のクリアファイルにしまってしまう恐れが生じます。

 押し出しファイリング方式の本質は、”そこを探せば必要な書類が見つかる”という点にあります。つまり、ある案件のクリアファイル内にはその案件に必要な全ての書類が収納されていることが保証されていることが必要であり、書類の紛れ込みは決して許してはならないのです。

 また、第2に、デスク上には常に一つの案件の書類のみを出しておくことにより、現在行っているタスクが可視化されます書類を入れ替えるときはタスクを切り替えるときです

 デスク上一案件の原則は、ワークスペースの状態をタスク管理と連動させるものであり、現在実行しているタスクに集中することを促します。

 

第5 まとめ

 以上、私の実践している方法を紹介しました。

 おわかりのとおり、上記の方法は非常にシンプルであり、いずれも導入するのに手間は掛かりません。また、費用についても、スキャナーを除けば、クリアファイル、ラベル、ファイルスタンドなど安価で手に入るものばかりです(スキャナーについても、費用対効果は非常に良いので是非導入を勧めます)。

 私の整理法の大本には、整理とは検索の便宜のためにするものであるという前提があります。

 物に溢れた状態は検索を妨げます。そこで、デスクに物を溜めないためにデスク上一案件の原則が導かれます

 そして、保管している書類は、その保存形式に応じて常に検索可能な状態に置かれます。すなわち、データで保管している書類はEvernoteの検索エンジンで検索し、紙で保管している書類は押し出しファイリング方式による時間軸で検索が可能です。

 これから弁護士になる皆さんのご参考になれば嬉しいです。

ブロガーズフェスティバルに参加して ~弁護士ブロガーではなく、弁護士・ブロガーへ~ #ブロフェス2014

第1 ブロガーズフェスティバルとは

 

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 8月23日(土)、京急蒲田駅近くの太田区産業プラザで開催された「ブロガーズフェスティバル2014」というイベントに参加しました。

 ブロガーズフェスティバルとは、その名のとおり、“ブロガーによるお祭り”です。プロブロガー、すなわちブログの収益で生活していたり、WEB上の連載を持っているの方々による講演が聞けるほか、ブロガー同士の交流の機会が設けられていたりと、最初から最後まで楽しめるイベントでした。

 ところで、今回、このイベントに参加しようと思ったのは、最近ブログ活用の方向性に悩んでいたからです。 

 私は、大学1年生の終わり頃にYahoo!ブログを開設して以来、ブログを書いてきました。当初は旅行やイベントのレポートを中心に書いていましたが、ロースクールに入ったことをきっかけに司法試験ブログの色彩が強くなっていきました。ところが、司法試験が終わって以来、テーマが曖昧になり、今後どのような方向に向かっていけばよいのかわからずここまで来たところがあります。

 そこで、他のブロガーの方々がどのようにブログを活用しているのか聞きたいと思い、イベントへの参加を申し込みました。

 

第2 セッション~懇親会

 イベントは、プロブロガーの方々による各50分のセッションが3つの会場でそれぞれ3つずつ行われた後、メイン会場において登壇者が各5分でプレゼンを競う「LT(ライトニングトーク)大会」が行われ、最後に懇親会が開かれました。

 

1 narumiさんによるセッション

 私が参加したセッションのうち、最も印象的だったのが元WEBライターのnarumiさんの講演です。講演のテーマは、「Webのコンテンツを作る上で、人に読まれるためのノウハウを全部授ける」というものでした。

 その講演内容はブロガーにとってはとても有意義なものであり、詳しくは他の方が作成されているまとめ記事等を参照していただきたいのですが、私が最も衝撃を受けたのは、「ブログに文字は必要ない」という発言でした。

 ブログを読んでいただけばわかると思うのですが、私はこれまで文字を中心にブログを書いてきました。その理由は、文章とは文字で意図を伝えるものだという前提があったためだと思います。

 しかし、ブログによる表現では、写真、動画、イラストなど多彩なツールを使うことができます。narumiさんはそのことを実例を示して教えてくれました。私も今後は文字以外の表現手段をもっと大事にしなければと反省しました。

 

2 LT(ライトニングトーク)大会

 

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 その後、メイン会場でLT(ライトニングトーク)大会が行われました。

 このLT大会、登壇者は参加者の中から抽選で選ばれているようでした。主客の関係を固定しない点もこのイベントの素晴らしい点だと思いました。

 なお、今回のLT大会では、「ブログも人も見た目が9割」というテーマでブログヘッダーの重要性について講演したはるぅなさんが優勝しました。

 

3 懇親会

 

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 そして、懇親会。

 懇親会では、多くのブロガーの方とお話をさせていただき、名刺交換をさせていただきました。

 なお、私はブロガー用の名刺の作成が間に合わず、下の画像にある手書きの名札で自己紹介しました(トホホ) 今後、こういったイベントでは、事前にそのための名刺を用意しておくべきだと反省しました。

 

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 「モンハコ」のタカオさんや「My Favorite, Addict and Rhetoric Lovers Only」のファーレンハイトさんなど有名な方ともお話しさせていただきました。

 

第3 ブログ活用の方向性について考えるきっかけとなった

 1 ブログは手段である

 今回、講演を聞いたプロブロガーの方々の話に共通していたのは、「ブログは手段である」という点です。そして、多くの方がブログを書く目的として話していたのは、ブログを通じて自分をブランディングするということです。

 この点について、私はこれまでよく考えてきませんでした。ともすると、ブログを書くこと自体を目的にしていたと思います。

 その結果、自分をどうブランディングしていくのか、方向性が不透明になっていたと思います。

 

 2 今後の方向性

 そこで、大雑把ではありますが、今後の発信の方向性を決めました!

 

 「弁護士 × ライフハック × 知的生産」

 

 を主たるテーマとして発信を行っていきます。

 

 ライフハックも知的生産も、ブログ界隈では先行者のたくさんいる分野ではありますが、弁護士がそうした分野についての発信を行ってきたことはあまりなかったのではないかと思います。その意味で私なりの色を出せるのではないかと思います。

 今後はイベントにも積極的に参加する予定なので、そのレポートなども書いていきたいと思います。

 

第4 まとめ

 色々考えるきっかけとはなりましたが、とても楽しいイベントでした。必ず来年も参加します!

  最後に、蒲田の中華料理店「歓迎」で食べた羽根付き餃子です。非常に美味でした。

 

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月報2014年7月

第1 本記事の目的
 仕事を始めてから、月日が過ぎるのが早くなりました。特に、5、6月以降、事務所から任される事件が増え、仕事が生活の多くを占めるようになりました(とはいえ、地方の事務所ですから、「激務」で有名な東京都内の事務所と比べると、まだゆとりがあると思います。)。
 忙しいと、ついつい日々の出来事を振り返ることを怠ってしまいがちです。そう思って、最近、Evernoteに残してきた日々の記録を読み返してみたところ、意外にも新しい試みをしていたり、様々なことを考えていたことに気付きました。
 そこで、この1か月を振り返る機会として、ブログ上に月報を書いてみたいと思います。


第2 仕事上の出来事
 1 アウトライン・プロセッサを文書作成に導入した
 先月読んだ本の一つに、バーバラ・ミント『新版 考える技術・書く技術』(ダイヤモンド社)があります。

 Amazon.co.jp: 考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則: バーバラ ミント, Barbara Minto, 山崎 康司, グロービスマネジメントインスティテュート: 本

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 この本の要点は、「ピラミッド・ストラクチャー」で考えをまとめ、表現しようというものです。ピラミッド・ストラクチャーとは、考えの構成のことであり、例えば1つの結論を3つの理由が支えている場合、上記のようなピラミッドを形作ります。著者は、そのような考えの構成を常に頭に描き、表現する際もその構成が明確に伝わる形で表現することを説いています。
 ピラミッド・ストラクチャーの構成に従って文書を作成する際の前提となるのが、「パラグラフ・ライティング」です。パラグラフ・ライティングとは、1つのトピック(話題)によって1つのパラグラフ(段落)を構成するという文書作成の作法です。そして、トピックの要約文である「トピック・センテンス」は、多くの場合、パラグラフの冒頭に置かれ、各パラグラフの冒頭を読むだけで文書の趣旨を理解することができるようになっており、論理的な文書作成方法とされています。
 そして、パラグラフ・ライティングで文書を作成する際に役立つのが、「アウトライン・プロセッサ」というツールです。私は、先月来、Microsoft Wordに搭載されているアウトライン機能を使って文書を作成しています。
 アウトライン・プロセッサを導入したことによるメリットは、自ずと「見出し」→「トピック・センテンス」→「その他の本文」という、パラグラフ・ライティングの順序に従って文書を作成するようになることです。そして、正しい順序で文書を作成する結果、文書作成に要する時間を大幅に短縮することができます。
 今では、仕事の文書はもちろん、ブログ記事のような文章もアウトライン・プロセッサによって作成しています。


 2 個人事件の受任
 仕事の内容面では、先月は縁あっていくつかの個人事件を受任することができました。
 これまでは国選弁護や当番弁護を除くと、仕事の100%が事務所事件でしたが、徐々に個人事件が増えてきたことにより、仕事の幅が広がったように感じています。それは分野の幅ということではなく、依頼者様との間で契約を結び、事件処理や報告・連絡・相談を全て自分の責任で行うことによって、弁護士としてできる仕事の幅が広がったということです。
 また、その事件の処理において、これまで事務所事件を通して得た経験が活きていることを実感することができました。この点では、ただボスに感謝するのみです。


 3 時間について考えるようになった
 (1) 時間不足を解消する3つの方法
 事務所事件、個人事件に加え、弁護士会の委員会活動をやっていると、徐々に時間が足りなくなってきます。

 そして、その解決方法は、おそらく3つです。すなわち、a. 時間を増やす、b. 時間の使い方を工夫する、c. 時間を買う、です。


 (2) 時間を増やす
 このうち、a. 時間を増やすことについては、睡眠効率を高め、朝起きの習慣を身に付けました。どうやら私は早寝早起きをしたほうが睡眠効率が良いらしく、単純に睡眠時間を減らすことができた上、朝早くから精力的に活動できるようになりました。


 (3) 時間の使い方を工夫する
 b. 時間の使い方の工夫とは、タスクを管理し、効率の良い段取りで仕事を進めることです。私の考えについては、別途記事にまとめたので、興味があればご参照下さい。

 弁護士のタスク管理について - おでんやのひとりごと日記


 (4) 時間を買う
 c. 時間を買うとは、従来自分が行っていた作業をアウトソーシングすることです。この点について、現段階でできる工夫として、各種アプリケーションを利用するようにしています。
 まず、家計簿作成においては、「Dr. Wallet」というアプリを利用しています。このアプリは、スマートフォンやタブレット端末でレシートを撮影するだけで、オペレーターが家計簿を作成してくれるという優れものです。
 また、名刺管理については、「Eight」というアプリを利用しています。これもスマートフォンやタブレット端末で名刺を撮影することにより、オペレーターが氏名や所属先、連絡先などを打ち込んでくれるものです。
 常に「これ、自分がやる必要あるのか?」と疑問を持つことにより、他人にアウトソースできる作業がないか考えるようになりました。


第3 プライベート
 1 Evernote Days 2014
 プライベートにおける大きなイベントは、Evernote Days 2014に参加したことです。内容については別途記事を書いているため、ご参照下さい。

 Evernote Days 2014に行ってきた。 - おでんやのひとりごと日記

 

 2 Evernoteの使い方を再考中
 Evernote Days 2014に参加して以来、Evernoteを活用する方法について考えるようになりました。
 私は、Evernoteを本格的に使い始めてから3年半ほど経っており、Evernoteを使いこなしていると思っていました。しかし、Evernoteアンバサダーや他の参加者と意見交換してみたところ、皆それぞれ、私の知らなかった活用法を実践しており、自分の知識が狭いことに気付かされました。そして、これを機に、Evernoteに関するブログ記事や本を読むようになり、少しずつEvernoteの使い方を再考しています。
 Evernoteの活用法については、徐々に考えがまとまりつつあるので、近いうちに記事を書きたいと思っています。


第4 まとめ
 以上が7月に起こった出来事や考えてきたことです。やはり仕事が生活の中心にあり、その関連で様々なことを考えてきたことがわかります。
 これに対し、8月は富士登山やブロガーズ・フェスティバル、高校の同窓会など、プライベートの予定が多く入っています。来月の月報では、そのようなことについても書くことになると思います。
 それでは、今日はこの辺りで失礼します。