弁護ハック!-若手弁護士によるライフハックブログ

「弁護士 × ライフハック × 知的生産」をテーマに、若手弁護士が日々の”気付き”を綴ります。

月報2014年7月

第1 本記事の目的
 仕事を始めてから、月日が過ぎるのが早くなりました。特に、5、6月以降、事務所から任される事件が増え、仕事が生活の多くを占めるようになりました(とはいえ、地方の事務所ですから、「激務」で有名な東京都内の事務所と比べると、まだゆとりがあると思います。)。
 忙しいと、ついつい日々の出来事を振り返ることを怠ってしまいがちです。そう思って、最近、Evernoteに残してきた日々の記録を読み返してみたところ、意外にも新しい試みをしていたり、様々なことを考えていたことに気付きました。
 そこで、この1か月を振り返る機会として、ブログ上に月報を書いてみたいと思います。


第2 仕事上の出来事
 1 アウトライン・プロセッサを文書作成に導入した
 先月読んだ本の一つに、バーバラ・ミント『新版 考える技術・書く技術』(ダイヤモンド社)があります。

 Amazon.co.jp: 考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則: バーバラ ミント, Barbara Minto, 山崎 康司, グロービスマネジメントインスティテュート: 本

                   f:id:odenya2:20140810161756p:plain

 この本の要点は、「ピラミッド・ストラクチャー」で考えをまとめ、表現しようというものです。ピラミッド・ストラクチャーとは、考えの構成のことであり、例えば1つの結論を3つの理由が支えている場合、上記のようなピラミッドを形作ります。著者は、そのような考えの構成を常に頭に描き、表現する際もその構成が明確に伝わる形で表現することを説いています。
 ピラミッド・ストラクチャーの構成に従って文書を作成する際の前提となるのが、「パラグラフ・ライティング」です。パラグラフ・ライティングとは、1つのトピック(話題)によって1つのパラグラフ(段落)を構成するという文書作成の作法です。そして、トピックの要約文である「トピック・センテンス」は、多くの場合、パラグラフの冒頭に置かれ、各パラグラフの冒頭を読むだけで文書の趣旨を理解することができるようになっており、論理的な文書作成方法とされています。
 そして、パラグラフ・ライティングで文書を作成する際に役立つのが、「アウトライン・プロセッサ」というツールです。私は、先月来、Microsoft Wordに搭載されているアウトライン機能を使って文書を作成しています。
 アウトライン・プロセッサを導入したことによるメリットは、自ずと「見出し」→「トピック・センテンス」→「その他の本文」という、パラグラフ・ライティングの順序に従って文書を作成するようになることです。そして、正しい順序で文書を作成する結果、文書作成に要する時間を大幅に短縮することができます。
 今では、仕事の文書はもちろん、ブログ記事のような文章もアウトライン・プロセッサによって作成しています。


 2 個人事件の受任
 仕事の内容面では、先月は縁あっていくつかの個人事件を受任することができました。
 これまでは国選弁護や当番弁護を除くと、仕事の100%が事務所事件でしたが、徐々に個人事件が増えてきたことにより、仕事の幅が広がったように感じています。それは分野の幅ということではなく、依頼者様との間で契約を結び、事件処理や報告・連絡・相談を全て自分の責任で行うことによって、弁護士としてできる仕事の幅が広がったということです。
 また、その事件の処理において、これまで事務所事件を通して得た経験が活きていることを実感することができました。この点では、ただボスに感謝するのみです。


 3 時間について考えるようになった
 (1) 時間不足を解消する3つの方法
 事務所事件、個人事件に加え、弁護士会の委員会活動をやっていると、徐々に時間が足りなくなってきます。

 そして、その解決方法は、おそらく3つです。すなわち、a. 時間を増やす、b. 時間の使い方を工夫する、c. 時間を買う、です。


 (2) 時間を増やす
 このうち、a. 時間を増やすことについては、睡眠効率を高め、朝起きの習慣を身に付けました。どうやら私は早寝早起きをしたほうが睡眠効率が良いらしく、単純に睡眠時間を減らすことができた上、朝早くから精力的に活動できるようになりました。


 (3) 時間の使い方を工夫する
 b. 時間の使い方の工夫とは、タスクを管理し、効率の良い段取りで仕事を進めることです。私の考えについては、別途記事にまとめたので、興味があればご参照下さい。

 弁護士のタスク管理について - おでんやのひとりごと日記


 (4) 時間を買う
 c. 時間を買うとは、従来自分が行っていた作業をアウトソーシングすることです。この点について、現段階でできる工夫として、各種アプリケーションを利用するようにしています。
 まず、家計簿作成においては、「Dr. Wallet」というアプリを利用しています。このアプリは、スマートフォンやタブレット端末でレシートを撮影するだけで、オペレーターが家計簿を作成してくれるという優れものです。
 また、名刺管理については、「Eight」というアプリを利用しています。これもスマートフォンやタブレット端末で名刺を撮影することにより、オペレーターが氏名や所属先、連絡先などを打ち込んでくれるものです。
 常に「これ、自分がやる必要あるのか?」と疑問を持つことにより、他人にアウトソースできる作業がないか考えるようになりました。


第3 プライベート
 1 Evernote Days 2014
 プライベートにおける大きなイベントは、Evernote Days 2014に参加したことです。内容については別途記事を書いているため、ご参照下さい。

 Evernote Days 2014に行ってきた。 - おでんやのひとりごと日記

 

 2 Evernoteの使い方を再考中
 Evernote Days 2014に参加して以来、Evernoteを活用する方法について考えるようになりました。
 私は、Evernoteを本格的に使い始めてから3年半ほど経っており、Evernoteを使いこなしていると思っていました。しかし、Evernoteアンバサダーや他の参加者と意見交換してみたところ、皆それぞれ、私の知らなかった活用法を実践しており、自分の知識が狭いことに気付かされました。そして、これを機に、Evernoteに関するブログ記事や本を読むようになり、少しずつEvernoteの使い方を再考しています。
 Evernoteの活用法については、徐々に考えがまとまりつつあるので、近いうちに記事を書きたいと思っています。


第4 まとめ
 以上が7月に起こった出来事や考えてきたことです。やはり仕事が生活の中心にあり、その関連で様々なことを考えてきたことがわかります。
 これに対し、8月は富士登山やブロガーズ・フェスティバル、高校の同窓会など、プライベートの予定が多く入っています。来月の月報では、そのようなことについても書くことになると思います。
 それでは、今日はこの辺りで失礼します。

弁護士のタスク管理 ~ストレスフリーを実現するシステムとツール~

第1 私のタスク管理手法  ~GTD(Getting Things Done)~

 私は、デビッド・アレン氏が考案したGTD(Getting Things Done)と呼ばれるタスク管理手法を用いています。同氏の著書『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』(田口元監訳、二見書房)によると、GTDの手法は次の3つに要約されています。

 

  • 頭の中の「気になること」を“すべて”頭の外に追い出そう。
  • それらすべての「気になること」について、求めるべき結果と次にとるべき行動を決めよう。
  • そうして決めたとるべき行動を、信頼できるシステムで管理し、定期的に見直そう。

 

 以下では、弁護士1年目の私が、GTDの実践として行っている作業をご紹介したいと思います。

 

第2 私のGTD実践ツール
 私は、GTDを実践するツールとして、「Nozbe」「Taskchute」という2つのアプリケーションを使用しています。
 Nozbeは、GTD実践のために開発されたアプリケーションであり、そのシンプルな操作性が気に入っています。Windows / Mac用のアプリケーションに加え、スマートフォンやタブレット用のアプリケーションが用意されており、いつでもどこでもタスク管理を可能にしてくれます。
 Taskchuteは、『シゴタノ!』を運営する大橋悦夫氏が開発したタスク管理ツールです。Taskchuteのコンセプトについては、佐々木正悟『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』(技術評論社)に非常に良くまとめられていますので、同書を読んでみることを勧めます。
 それでは、Nozbeで行っている作業とTaskchuteで行っている作業に分けて、私の行っているGTDの実践について説明していきます。

 

1 Nozbe

  

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(1) 1日~3週間(あるいはそれ以上の)単位のタスク管理
 まず、NozbeとTaskchuteの使い分けですが、Nozbeは1日~3週間(あるいはそれ以上)単位のタスクを全般的に管理するために使用し、TaskchuteはNozbeで管理した全タスクのうちからその日に実行するものをリスト化するために使用しています。言い換えれば、全タスクをNozbeという「倉庫」に保管しておき、その日に実行するタスクをそこから棚卸ししてTaskchuteという「行程表」に並べるというイメージです。

 

(2) 日次レビュー
 Nozbeに入っているタスクを常に最新の状態に保つために、私は毎日早朝に20分ほどをかけていわゆる「日次レビュー」を行っています。GTDにおける「レビュー」とは、定期的にタスクリストを見直し、新規タスクを登録したり、既に完了したタスクを削除したりすることを言います。
 早朝にレビューを行うのは、他の予定が入る心配がないためです。弁護士の場合、月に何度かは夜に委員会や飲み会などの予定が入りますが、早朝に予定が入ることはほとんど(というか今まで一度も)ありません。そのため、日次レビューを漏れなく実行することができます。

 毎日欠かさずレビューを行うのは、弁護士の仕事がそれだけ刻一刻と状況の変化するものだからです。そのため、日次レビューによってタスクリストを常に最新の状態に保っておくことが必要になります。


(3) 依頼者ごとのプロジェクト作成
 Nozbeでは、個々のタスクを束ねる「プロジェクト」と呼ばれる単位でタスクを管理することができます。私は、依頼者ごとにプロジェクトを作成し、そこに個々のタスクを登録しています。
 依頼者単位でプロジェクトを作成するのは、依頼の趣旨を達するまで仕事は継続するからです。したがって、「○○請求訴訟事件」、「○○交渉事件」というように事件単位でプロジェクトを管理するよりも、事前交渉から民事執行までの全過程をカバーする依頼者単位のプロジェクト管理が適しています。
 また、このような依頼者単位のプロジェクト管理は、Nozbeだけでなく、あらゆるタスク管理ツールに適用することができます。私の場合、Taskchuteのプロジェクト名にも依頼者名を登録していますし、紙ベースの資料を保管するクリアファイルにも依頼者名を記載したラベルを貼って管理しています。

 

2 Taskchute

 

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(1) 1日単位のタスク管理
 Nozbeで1日~3週間単位のタスクを管理しているのに対し、Taskchuteではその日に実行すべきタスクを管理しています。
 私は、Taskchuteで1日単位のタスク管理を始めるまで、いわゆる「割り込みタスク」に振り回され、本来取り組むべきタスクに集中することができていませんでした。その結果、本来取り組むべき重要性の高いタスク(ex.書面の起案)は先送りにされ、締切直前に慌てて取り組むこともしばしばでした。私は、タスクの先送りを防ぎ、本来取り組むべきタスクに集中する方法を探していました。
 また、当時の私は、毎日“色々と”頑張った記憶はあるものの、具体的に“いつ”“何を”したかの記録が残っていなかったため、仕事を“やった”実感を持つことができないでいました。その一方で、なぜか積み重なっていく仕事の量にフラストレーションを感じていました。私は、本当の充実感を感じるために、1日ごとの行動記録を取る必要に迫られていました。
 そのときに出会ったのがTaskchuteでした。


(2) 本来取り組むべきタスクに集中することができる
 Taskchuteを使用し始めてから、私は徐々に本来取り組むべきタスクに集中することができるようになりました。その理由は、第1に、タスクに対する甘い見積もりができなくなったためであり、第2に、割り込みタスクに取り組むことによる予定の遅延(ひいては帰宅時間の遅延)が可視化されるようになったためです。

 ア Taskchuteは甘い見積もりを許さない

 まず、私の場合、タスクを先送りしてしまう主な原因は、「明日の自分に過度に期待してしまうこと」にありました。すなわち、「明日の自分は本来2時間掛かるタスクを30分で終えることができるだろう」と期待し、気の重いタスクを先送りしていました。
 しかし、2時間掛かるタスクの所要時間は、いつ取り組んでも2時間です。そして、Taskchuteでは、見積もり時間と実績時間が記録されるため、その現実に向き合わざるを得ません。私はタスクを先送りする言い訳を失い、気の重いタスクに取り組まざるを得なくなりました。

 イ Taskchuteは全タスクの終了時刻を可視化する

 また、タスクごとの見積もり時間を記載する結果、Taskchuteではその日の全タスクが終了する時刻が可視化されます。そのため、例えば午後8時に全てのタスクが完了するように予定を組んでいた場合、30分掛かる割り込みタスクに取り組んでしまうと退所時間が午後8時30分にずれ込んでしまいます。

 このときの選択肢としては、①割り込みタスクに取り組んで退所時間を30分遅らせる、②割り込みタスクに取り組みつつ、他の予定を先送りして退所時間を守る、③割り込みタスクを先送りにする等がありますが、いずれにしても反射的に割り込みタスクに取り組んでいた頃と違い、優先順位を踏まえてどの選択肢を選ぶか判断するようになりました。

 そして、優先順位の高いタスクに多くの時間を割くことができるようになりました。


(3) 行動記録
 Taskchuteのもう一つの効用は、1日の行動記録が明らかになることです。
 しばしば誤解されることですが、Taskchuteは、タスクの開始“予定”時刻と終了“予定”時刻を予め定めておくツールではありません。その代わりに、実際にタスクを開始した時刻と終了した時刻を記録するツールなのです。開始予定時刻と終了予定時刻は、1~2時間の枠で大ざっぱに定めておくに過ぎないのです(画面上「A」~「L」の記号が付いているのがそれです。)。
 なお、開始時間と終了時間の記録は、「Ctrl」+「:」のショートカットキーを使うことによって一瞬でできます。Taskchuteは、1日の行動記録を完全に、そして手軽に実現する優れたツールです。

 

第3 まとめ
 以上が私のタスク管理手法です。

 念のため申し添えておきますが、弁護士1年目の私は、経験を積んだ弁護士の先生方に比べると仕事ができません。その理由は、個々のタスクを処理する能力が、その完成度・効率ともに未熟だからです。弁護士の能力の本質が、個々のタスクを処理する能力、すなわち書面を作成する能力や交渉に当たる能力にあることを考えれば、タスク管理手法にいくら習熟したとしても仕事ができるということにはなりません。したがって、弁護士としての成長目標を、そうした個々のタスクを処理する能力の向上に置かなければならないことは言うまでもありません。
 他方で、実務に出て必然的に直面するのは、司法修習までと異なり、弁護士の仕事はマルチタスクだということです。しかも、年数を重ねるにしたがってタスクの量は増える一方です。その意味では、タスク管理手法を学ぶ必要は全ての弁護士にあります。私は、個々のタスクを処理する能力とタスク管理手法とは、弁護士にとって車の両輪の関係にあると考えています。
 ところが、個々のタスクを処理するノウハウについて多数の書籍・記事が存在するのに対し、弁護士のタスク管理手法について書かれた書籍・記事はほとんど見られません*1。そこで、参考までに私のタスク管理手法を公開してみようと思い立った次第です。
 本記事が、これから実務に出る司法修習生や法科大学院生のご参考になれば幸いです。

 

Evernote Days 2014に行ってきた。

第1 Evernote Days とは

 Evernote Daysとは、エバーノート株式会社が主催するユーザー参加型のイベントです。

 今回のテーマは、「記憶の未来」。

 「過去から現在、そして未来につながっていく記憶(情報)が、デジタル化や社会の変化とともに、日常生活や仕事の中でどう変わっていくのか、あるいは変わっているかを来場者と共に考える場」(公式広報)ということで、登壇者とユーザーが共に考えるイベントでした。

 イベントは7月11日(金)と12日(土)の2日間にわたって行われ、1日目に「仕事」をテーマとしたセッション、2日目に「生活」をテーマとしたセッションが行われました。私は2日目のセッションに参加してきました。

 

第2 石井裕氏による基調講演

  石井裕氏について

 石井裕氏は、マサチューセッツ工科大学の教授で、コンピューターを専門に研究しています。

 Hiroshi Ishii 石井裕 (ishii_mit) on Twitter

 今回の基調講演では、Evernoteのヘビーユーザーで、5万以上のノートを保有するという石井氏が、「未来記憶」をテーマに講演を行いました。

 

 2 雲海墓標

 石井氏の講演の中で最もインパクトを感じたキーワードが「雲海墓標」です。そのコンセプトは、ある人の生きた痕跡がクラウドの中で永遠に生き続けるというものです。

 その一例として、石井氏が紹介するのが、同氏の亡きお母様のツイッターBotです。

 石井 和子 (Kazuko_Ishii) on Twitter

 

 このツイッターBotは、お母様が生前に作った短歌を自動でつぶやくように設定しています。つぶやかれた短歌を通じ、お母様の記憶が生き続け、それを読んだ人々の記憶にも生き続ける。素晴らしいコンセプトだと思いました。

 なお、石井氏は、死後に備えて自身のBotも既に作ってあるそうです。

 

 3 2200年を生きる人に何を残したいか?どのように思い出されたいか?

 その後、石井氏の研究成果が動画で紹介されました。

 


Amazing Technology Invented By MIT - Tangible Media - YouTube

 

 石井氏の研究は、デザインとして美しいだけでなく、幅広い応用の可能性を感じさせるものでした。

 

 そして、石井氏は、講演の締め括りとして、私たちに次の問いを投げ掛けました。

 

 「自分の死後である2200年を生きる人に何を残したいか?そして、その未来を生きる人々に自分をどのように思い出されたいか?」

 

 石井氏の研究成果にしても、同氏のお母様の短歌にしても、人が生き続けるためには「作品」が必要だと思います。

 私は「作品」を残すための活動をしているだろうか。自分を問い直すきっかけとなりました。

 

第3 セッション

 その後、複数の会場に分かれ、Evernoteの活用に関するセッションが行われました。私は、次の2つのセッションに参加しました。

 

 1 「ノートから始まる夢への一歩」/ 伊澤諒太氏・佐藤大地氏

 まず、Evernoteアンバサダーの伊澤諒太氏と佐藤大地氏によるセッションに参加しました。

 テーマは「ノートから始まる夢への一歩」。参加者各自が過去のノートを読み返すことを通じて、これからの行動を考えようというものでした。

 私は普段あまりノートを読み返さないのですが、改めて読み返してみるとノートから色々な傾向が見えてきました。一例を示すと、ここ数か月は仕事関連のノートばかりになっており、趣味や私生活のノートをほとんど作っていないことに気付きました。これからは趣味や私生活のノートを増やしていきたいと思いました。

 また、このセッションは5人一組のグループで行われ、他の参加者の方と交流することができました。ノートブックの整理法やアプリの使い方など、十人十色の使い方があって、自分の知らなかったEvernote活用法に気付くことができました。

 

 2 「パパ・ママ向けEvernote講座」/ 五藤隆介・宮原礼智

 その後、Evernoteアンバサダーの五藤隆介氏と宮原礼智氏による「パパ・ママ向けEvernote講座」に参加しました。五藤隆介氏は夫婦間の情報共有について、宮原礼智氏は親子間の情報共有について、それぞれのノウハウを紹介しました。

 家族との情報共有については、私も漠然とやりたいと考えていたので、両氏による先進的な取り組みを知ることができ、非常に参考になりました。

 加えて、両氏は、紙の資料を全てEvernoteに取り込み、徹底的にペーパーレスを実現することを強調していました。ちょうど紙の資料の保管場所や検索方法に悩んでいたところだったので、これを機にペーパーレスを目指してみようかなと思いました。まずは私生活の資料から始めてみたいと思います。

 

第4 まとめ

 今回のイベントには、定員300人のホールが埋まるほどの参加者が来場していました。しかも、首都圏以外から参加している方も多く、全国にEvernote好きがこれほどたくさんいることを嬉しく思いました。

 今後、Evernoteのユーザー交流会などがあったら是非参加したいと思います。

新社会人にRSSの購読を勧めたい仕事術ブログ5選

 リンクの紹介のみです。

 

1.なぜあなたは出世できないのか?-出世の教科書

 

2.明日使えるビジネスノウハウを探すなら U-NOTE【ユーノート】

 

3.アシタノレシピ -明日を楽しくするレシピ集-

 

4.ザ・チェンジ

 

5.5セカンズ

 

一年目の弁護士が紹介する仕事関連記事8選

0.はじめに

 月日の流れは早いもので、弁護士登録から既に半年が経ちました。

 今回は弁護士としてではなく、あくまで一年目の社会人として、私が日々参考にさせていただいている仕事関連記事8つを紹介したいと思います。

 

1.習慣、マインド

① 新社会人の君へ|ライフネット生命 社長兼COO 岩瀬大輔のブログ

 新社会人としての基本的な姿勢については、この記事に書かれていることを心掛けています。折に触れて読み返し、襟を正しています。

 

② 「あ、この人、仕事できるんだろうな」って思う9つの瞬間 - Six Apart ブログ

 こんな人がいたら絶対「仕事できる!」と思ってしまいますね。

 なかなかこの記事のとおりにはできないとは思いますが、読み返すたびに自分に足りないものを教えてくれる記事です。

 

③ 仕事が遅い人の共通項 | Decent Point

 この記事は、司法試験受験生時代に読んだものです。「素直さ」がなければ人は成長しないことに気付き、頑固で独善的だった当時の自分を変えるきっかけになりました。

  

2.コミュニケーション

④ 他人の利害や感情に関心が無いタイプの「空気読めない人」への第一選択薬 - シロクマの屑籠

 この記事も司法試験受験生の頃に読んだものです。自分自身のコミュニケーションの取り方を反省するきっかけになった記事です。

   

3.タスク管理

⑤ 写真でわかるGTD(初回編) (1/4) - 誠 Biz.ID

 タスク管理手法の一つであるGTDについて解説している記事です。私は、この記事を読んでGTDを始めました。

  

4.主体性、先読み

⑥ 「仕事がデキる人」と「仕事をする人」の違いと習慣 - UEI shi3zの日記

 「デキる人」の条件として、先読み行動を勧める記事です。

 この記事の具体例などを参考にして、日々、先読み行動ができるように頑張っています。

 

5.成長、業務効率化

⑦ 新人におくる、怠惰な社会人になるための7の方法 - nanapi社長日記 @kensuu

 頑張ることは大切ですが、業務を効率化するためには、「いかに頑張らないか」を考えること、すなわち工夫が欠かせません。

 この記事では、仕事の仕方を工夫する際の視点について書かれています。

 

⑧ メタ認知や抽象的思考ができない人が心がけ実践すべき3つの事柄: DESIGN IT! w/LOVE

 そして、業務を効率化するためには、具体的な事例から本質を抽象し、別の具体的な事例に応用することが必要です。

 この記事では、抽象的思考を鍛えるための具体的方法について言及されています。 

 

6.終わりに

 以上、8つの記事を紹介させていただきました。

 私自身、社会人としては未熟であり、他人に自慢できるような仕事の進め方はできていませんが、これらの記事などを参考にして日々頑張っています。

 私と同じ新社会人やこれから社会人になる方の参考になれば幸いです。

本試験及び受験後に気を付けるべきこと【自作資料から引用】

本試験で気を付けるべきこと 

・下見は行なうべき(シミュレーション)。 

・椅子はパイプ椅子で、クッションがほとんどない。東急ハンズ等で座布団を準備しておいたほうがいい。 

・試験会場の室内では、電子機器は一切使えない(部屋を出れば使える。)。勉強道具を PDFファイル等で管理している人は注意。 

・試験会場が開くのは、集合時刻の 1 時間前。トイレが気になる人は、会場が開いた直後に済ませておくといい。 

・試験時間終了後に書き続けることは不可能と考えたほうがいい。不正対策はとてもしっかりしている。 

・答案用紙は、左上をホチキス留めしてある。 

・試験会場は、温度変化が激しい。試験開始直前はエアコンが強めにかかるため寒いが、試験が始まると自分や周りの受験生の熱で暑くなる。脱ぎ着できる服装が良く、ボタンやファスナーを締めることのできるシャツやパーカーだとなお良い。 

・上記の通り、試験開始直前の会場は寒いため、風邪を引きやすい人はマスクを持っていくといい。 

・ホテルを取る友人が多いため焦るはずだが、一長一短があることに注意。環境の変化が緊張を生み、前夜の午前 2 時まで眠れなかった友人がいた。また、ホテルにうるさい受験生が多く、余計なストレスを抱えた友人もいた。結局、自分の性格に合った選択をすることが肝心。 

・ホテルを取らない場合、会場の最寄り駅のコインロッカーに荷物を預けておくと便利。 

・「本試験は時間の流れが速い」と言われるが、真実。 

・構成用紙は A3 サイズ。これが使いにくかったため、私は試験開始直前に構成用紙を半分に折りたたみ、A4 サイズに変えて使っていた。文字を記入することは不正行為だが、構成用紙を折りたたんだことで試験監督から注意を受けることは一度もなかった。 

 

受験後に気を付けるべきこと 

・再現答案の作成は、速やかに着手すべき。先延ばしにすればするほど、予備校の出す講評などの情報が耳に入ってくるため、作成が辛くなる。また、記憶も日が経つほど薄れる。6 月まで延ばし延ばしにしていた友人は、皆苦しそうにしていた。 

 本試験の日程に合わせ、試験 1 日後に選択科目と公法系、試験 2 日後に民事系、試験 3 日後に刑事系というように、一思いに終わらせてしまうのが最も良いと思う。 

・短答式の成績通知は、法務省による解答の発表日の翌週の木曜日発送という噂があり、昨年と今年はこれと一致した。 

・予備校の短答式解答速報は、かなり確度が高い。 

・受験後は、「アットリーガル」という就活サイトを欠かさずチェックする。 

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PC作業が捗る!画面切り替えに役立つショートカット集

0.はじめに

 最近、ショートカットキーに凝っておりまして、このブログでもPC作業に役立つショートカット集を紹介していきたいと思います。

 今回は、画面切り替えに役立つショートカット集です。

 

1.「Windowsキー」+「1」~「9」

 予め、画面下部の「タスクバー」に、ショートカットアイコンをピン留めしておきます。

 ショートカットアイコンをピン留めするためには、アプリのアイコンを右クリックし、「タスクバーにピン留めする」を選択します。

 私のPCのタスクバーには、次の通りアイコンが並んでいます。

 

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 タスクバーにピン留めすることにより、左から「Windowsキー」+「1」~「9」のショートカットキーが自動的に割り当てられます。

 例えば、「Windowsキー」+「1」を押すと、Google Chromeが起動されます。

 

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 同様に、「Windowsキー」+「5」を押すと、Wordが起動されます。

 

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 即座にアプリを起動したり、アプリを切り替えたりするときに重宝するショートカットです。

 

2.「Ctrl」+「F6」

 これは、一つのアプリで複数のウィンドウを切り替えるときに役立ちます。

 試しに、Wordで二つの文書を同時に開いてみます。

 

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 ここで、「Ctrl」+「F6」を押します。

 

 

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 文書が切り替わりました。

 

 Wordだけではなく、ExcelやAdobe Readerなど、複数のウィンドウを開くことの多いアプリをつかうときに役立ちます。

 

3.Google Chromeのタブ切り替え

 Google Chromeには、独自のショートカットが設定されています。

 そのうち、特に役立つのが、タブ切り替えの際のショートカットです。

 

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 これは、最初の画面です。

 まず、「Ctrl」+「Tab」で、右隣のタブに切り替えます。

 

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 「Ctrl」+「Shift」+「Tab」で、左隣のタブに切り替えます。

 

 

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 また、「Ctrl」+「1」~「9」を押すことにより、左から数えて1番目から9番目のタブに切り替えることができます。

 試しに、「Ctrl」+「4」を押して、左から4番目のタブに切り替えます。

 

 

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 「Ctrl」+「t」を押すと、新たなタブを開きます。

 

 

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 「Ctrl」+「w」を押すと、現在表示しているタブを閉じます。

 

 

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4.ウィンドウを縮小、最小化するショートカット

 Google Chromeからファイルをダウンロードすると、ウィンドウの下部にダウンロードされたファイルが表示されます。これをデスクトップ等に移動する際などに役立つショートカットです。

 

 

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 ウィンドウ下部にダウンロードしたPDFファイルが表示されています。

 ここで「Windowsキー」+「↓」を押します。

 

 

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 ウィンドウが縮小されました。

 これで、PDFファイルをドラッグ&ドロップしてデスクトップに移動させることができます。

 なお、ウィンドウを最大化するときは、「Windowsキー」+「↑」を押します。

 

 

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 ウィンドウを最小化するときは、「Windowsキー」+「↓」を二度繰り返します。

 現在起動しているアプリ全てのウィンドウを最小化するときは、「Windowsキー」+「d」を押します。

 

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5.おわりに

 いかがでしたでしょうか。

 ショートカットキーを覚えることによって、今までマウスによって行っていた操作を短縮することができます。

 今回ご紹介したものほかに画面切り替えに役立つショートカットをご存知でしたら、是非私にも教えて下さい。

 

司法試験ツイートの個人的まとめ【学生時代の記事の再掲】

 2011年9月8日~2012年9月11日の私のツイートのうち、司法試験に関するものをまとめました。RTさせていただいた他のユーザーのツイートも含まれています。

 http://togetter.com/li/374407

論文式の答案についての考え方。【学生時代の記事の再掲】

 「院」の在学生との個人面談でもお話ししたことですが、「答案の書き方」というような厳密なルールは法律答案に存在しないと思います。評価される答案とは、結局出題趣旨によく応えている答案のことを言うのだと思います。

 もっとも、少ないながら法律家の文章として必須の条件というものがあります。その典型的なものが①法律要件を全て満たしたときに法律効果が発生するという論理、そして②法的三段論法(大前提→小前提→結論)ではないでしょうか。過去の「出題趣旨」を読んでいても、上記の2つだけは当然の前提とされています。

 それを除けば、いわゆる事実重視(羽広政夫『平成20年再現答案集 羽広式分析版』(早稲田経営出版)がいうところの「書き写し型」答案)ではないかと考えます。

 なお、読み手に対する配慮として一文ごと、段落ごと、ナンバリングごとのトピックが明確になるような心掛けはしていました。

 参考資料として、私が今年の3、4月に書いた平成23年度の答案(公法系、刑事系)を掲載します。民事系が含まれていないのは、他の系統よりも年度ごとの出題趣旨によるところがあり、「民事系の答案」として形式面で守るべき点はそれほど多くないのではないかと考えたためです。その点ご容赦下さい。

https://www.dropbox.com/sh/v6o9rycdyqmsa4y/icbEVN-wzj

×だけど、○。【学生時代の記事の再掲】

 報告が遅れましたが、無事「院」の卒業が決まりました。

 2年間の「院」生活は、友人もたくさんでき、とても楽しいものでしたが、学業面では必ずしも順風満帆というわけにはいきませんでした。特に、1年目(2学年)の後期では民事法総合Ⅲ(民事訴訟法)で落第し、その後半年間下級生と一緒に講義を受けることになりました(落第者は学年で29人。10%。)。今日はその時期から現在までを振り返ってみようと思います。

 1.落第(2011年3月)

 私の「院」では、必修科目で一度落第(評定でいうと「E」)を取ると、その二週間後に再試験を受けることになります。そして、再試験で及第点(評定でいうと「D」)を取ることができれば、次の年度での再履修を免れることができます。つまり、落第した私は、一度目の試験でEを取り、再試験でもEを取ったということです。

 今だから言いますが、私は一度目の試験が終わったとき手応えを感じていました。しかし、結果はE。自分ではBは堅いと思っていたため、とてもショックでした。

 本来だったらここで結果を深刻に受け止めるべきですが、当時の私はEなんて何かの間違いだと思っていました。自分の実力が見えていませんでした。そのため、再試験に向けた勉強もほとんどしませんでした。「当然何とかなる」と思っていました。

 その結果は、既に述べた通りです。

 2.「不合格」の味(2011年4月~7月)

 民事法総合Ⅲを再履修するため、発展科目である民事法総合Ⅳを3学年前期に履修することができなくなりました。これは私たち再履修組にとってキツイ宣告でした。クラスメートが民事法総合Ⅳを履修している最中、下級生と一緒に別の授業を受けなければならないからです。私のクラスの再履修組は6人(47人中)でしたが、まるでクラスから爪弾きにされたように感じました。

 民事法総合Ⅲに出席する時間と、クラスメートが民事法総合Ⅳを受けている時間がとにかく嫌でした。民事法総合Ⅲを受けている姿や、本来民事法総合Ⅳを受けているはずの時間にうろついている姿を、他人に見られないかすごく気になりました。落第のショック自体からは3月いっぱいで立ち直りましたが、再履修していて「恥ずかしい」という気持ちは3学年前期の最後まで続きました。

 3.悪人正機(2011年4月~7月)

 再履修になった理由については、実は成績発表の直後にわかっていました。結果を見て居ても立ってもいられず、教授の研究室に問い詰めに行ったからです。

 教授には非常に厳しいことを言われました。二三例を挙げれば、「この答案は学部でもC。ロースクールでは通用しない。」、「お情けで単位をもらおうという気が透けて見える。」、「s法試験合格率と成績は相関関係がある。Aランクの人は大半が受かる。君らCランクの連中は5割どころの騒ぎじゃない。」等々。

 ここでようやく、自分の答案がボロボロであることがわかりました。実際、教授の指摘するように、私の答案には不要記載があまりに多く、問いに応える姿勢がまるでありませんでした。

 その後は、勉強姿勢にせよ答案の作成法にせよ、他人のアドバイスに謙虚に耳を傾けるようにしました。その時はまだ、クラスメートとゼミを組めるような状態ではなかったので、「試験」を終えた先輩に会ったりして吸収できることは何でも吸収するようにしました。破れかぶれだったからこそ、ゼロから勉強の方針を立てることにしました。

 4.転機(2011年8月~9月)

 その甲斐あってか、民事法総合Ⅲは「A」を取ることができました。また、他の科目も軒並み「A」か「B」でした。3学年前期だけ見れば、GPAは3.5を超えていました。

 小さい成果ではありますが、この結果を受けて私の中でわだかまっていたものが吹っ切れました。成績が悪くても取り戻せない後れではないこと、発想を転換しさえすれば好成績を取ることも不可能ではないことに気付きました。

 また、この時期にはもう一つ転機となる出来事がありました。一つ上の学年の友人(他大ロー)が200番以内の上位で「試験」に合格したことです。比較的身近な人が上位合格した事実に加え、一見しんどそうな顔を見せなかったその友人が影で血の滲む努力をしていたことに、素直な驚きと尊敬の念を覚えました。

 その後、その友人に言われた通り「趣旨」、「採点実感」、「ヒアリング」をバインダーにまとめて、折に触れて読むようにしました。当然、これまでも「趣旨」等は過去問演習の際に読んでいましたが、改めて読み物として読んでみると数え切れない発見がありました。「試験」勉強は結局ここに書いてある出題者の要求に従うためにするものだと気付き、勉強の方向性が初めてはっきりしました。

 5.小さな結果を積み重ねることの大切さ(2011年10月~現在)

 その後は、「趣旨」等や合格者ブログを適宜参照しつつ、勉強の目標と方法を常に再点検してきました。落第した時の恐怖は今でも残っていて、全く独自の勉強法や答案作成法にはためらいを感じてしまいます。皆と同じ方法では良い結果は出せないと知りながらも、他面では自分の考えの根拠・裏付けを外部に求めてしまいます。石橋を叩いて渡る状態ですが、これを守っている限り少なくとも過去の失敗を繰り返すことはないと思っています。

 それから、授業にしても模試にしても、成果を求めるようにしました。「成果の出る勉強が正しい勉強だ」と、これも誰かの合格者ブログに書いてあったからです。ホームランでなくていいので、ヒットを一本一本積み重ねるようにしました。

 ありがたいことに、私の打ったヒットのいくつかを見ていてくれた人もいたようです。

 6.終わりに

 民事法総合Ⅲで「E」を取ったとき、目の前が真っ暗になりました。教授の言う通り、このままでは「試験」も不合格だと思いました。そして、このままではまずいとわかっていても、踏み出す方向がわかりませんでした。

 多かれ少なかれ周りの同級生も私のことをそういう目で見ていたと思います。「ああ、あの人は×だな。」と。一度大きな失敗をすることは、失敗のレッテルを貼られることでもあります。

 しかし、そこで腐ってしまっては、「あの人はやっぱり×だった。」で終わってしまいます。

 私がこの1年を通して学んだことは、失敗を成果に転換させることの大切さです。そして、小さな成果を積み重ねたとき、他人は過去の失敗よりも現在の成果を見てくれます。人間はそうしたプラグマティックな生き物です。

 さて、話が長くなりました。最後のヒットを打つためにもうひと頑張りすることになりそうです。

修習でお世話になったリンク集

・民裁修習

「【余談】 修習に役立つ書籍・民事編」/ "教えるとは希望を語ること 学ぶとは誠実を胸に刻むこと"

http://etc-etc-etc.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-e9a8.html

 

「民事裁判における効果的な人証尋問 前編:基調講演」/ "東京弁護士会 LIBRA"

http://www.toben.or.jp/message/libra/pdf/2011_05/p02-19.pdf

 

「裁判官検索」/ "新日本法規"

http://www.e-hoki.com/judge/index.html

 

 

・刑裁修習

「刑裁修習(二回試験を含む。)に役立つ書籍」/ "新司法試験・上位合格者のメソッド(勉強法・基本書等)"

http://blog.livedoor.jp/lawprofessional/archives/1431148.html

 

 

・検察修習

「取調べ(基礎編)」/ "警察庁"

http://www.npa.go.jp/sousa/kikaku/20121213/shiryou.pdf

 

 

・弁護修習

「弁護士情報検索」/ "日本弁護士連合会"

http://www.nichibenren.or.jp/bar_search//index.cgi

 

「弁護士の登録番号と修習期の早見表紹介」/ "小松亀一法律事務所"

http://www.trkm.co.jp/sonota/12103101.htm

 

民事訴訟マニュアル 書式集」/"ぎょうせい オンライン"

http://shop.gyosei.jp/contents/cs/info/3100518/html/minso0101.html

 

 

・任官、任検

「任官,任検」/ "masoブロ"

http://hayamaso.blog91.fc2.com/blog-entry-125.html

 

 

・集合修習起案、二回試験

「【修習】修習における起案の成績って??」/ "ボクのべんきょう日記~弁護士実務と司法修習と司法試験の巻~"

http://ameblo.jp/bokuben/entry-10982927669.html

 

「起案対策の付録(民事系科目起案・民事裁判)」/ "masoブロ"

http://hayamaso.blog91.fc2.com/category4-4.html

 

 

・就職活動、開業準備

「書類選考~司法修習生のための履歴書考」/ "前川弁護士blog"

http://shinmeilaw.blog91.fc2.com/blog-entry-557.html

 

「[修習関係]修習にて思うこと(1)-特に弁護士の就職活動事情について」/ "実験農場-Life is Fake-"

http://d.hatena.ne.jp/he_knows_my_name/20120318/1332054395

 

「即時・早期独立開業マニュアル 三訂版」/ "日本弁護士連合会"

http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/legal_apprentice/data/sokuji_soukidokuritumanual.pdf

 

「今の司法試験合格者・修習生に伝えたいこと~就職活動,二回試験,修習の実,その他」/ "弁護士NOBIのぶろぐ"

http://blog.goo.ne.jp/deppa/e/2a35e5edbe4b76c9b5a9a631a0c48d7c

 

「全国の弁護士会費一覧表キター!」/ "PINE's page"

http://puni.at.webry.info/201107/article_11.html

 

 

・その他

「法律コラム(総論)Vol.1~法曹のバッジ」/ "Tribune~弁護士 鈴木成公の婆娑羅ブログ~"

http://ameblo.jp/tribune-ns0731/entry-11169870843.html

 

「公用文の書き方」/ "ISOZAKI, YOUSUKE"

http://www012.upp.so-net.ne.jp/KASHIWADANI/kouyoubunnokakikata.pdf

途中答案は100%防げる?【学生時代の記事の再掲】

 論文式試験の試験時間は120分あり、前半の答案構成パートと後半の記述パートに分けることができます。その比率は人それぞれだと思いますが、私は答案構成パート30~35分、記述パート85~90分を目安にしています。

 そして、圧倒的に大切なのは約30分間の答案構成パートです。「大工は家を二度作る」と言われますが、「試験」もまさにそんな感じです。記述パートで作られる現実の答案は、答案構成パートで観念上作られる答案を文章化したものです。「観念」以上のものを作ることができないからこそ、「観念」をそのまま再現することが求められます。

 

1.答案構成パートでしなければならないこと

 答案構成パートでしなければならないことを整理してみます。

 まず、①設問を読むことです。「試験」は、設問に正しく答えることに尽きます。その重要性については私自身苦い経験がありますし、過去の記事でも何度か触れてきたところなので、あえて繰り返すことはしません。

 次に、②問題文(+会話文)を読むことです。新「試験」が旧「試験」と異なる部分は、問題文が長いことです。これは書かなければならない事実が多いことも意味しますが、同時に出題者の意図を読むためのヒントともなります。問題文を深く読むことの重要性も改めて繰り返すことはしません。

 そして、①、②を踏まえて、③答案構成をすることです。

 以上です。

・・・と言うと、「アレ?」と思う人もいれば、「そうそう」とうなずく人もいると思います。私もつい最近まで③で終わっていました。

 しかし、合格者ブログ等を読んでいると、答案構成パートでは少なくとももう一つの作業をしなければならないようです。それが、④答案の配分を決めることです。

 

2.途中答案の原因

 恥ずかしながら、これまでの私の途中答案率は半端ではありません。学部時代も含めると優に50%を超えるのではないでしょうか。しかも、「以上」と書けない途中答案がそれだけある上に、後半が急激に尻すぼみになる実質途中答案を含めると、その率は8割を超えるかもしれません。

 その原因として、私はずっと書く分量が足りないからだと思ってきました。しかし、周りを見渡してみれば、私よりも分量の少ない人がきちんと答案を完成させています。その一方で、私は6頁書けるようになっても途中答案をやる。

 よく考えてみれば、たとえ答案を3頁しか書けない人であっても、一つ一つの項目を簡潔に書けば答案を完成させることができます。途中答案の原因、それは例外なく配分ミスにあることに気付きました。

 

3.配分の具体的方法

 平成23年刑訴を素材として配分の具体的方法を書いてみます。

 

(1) 設問・問題文を読み、設問ごとの仮の配分を決める

 「仮の」と書きましたが、設問ごとの配点が決まっている民法、民訴、行政法については、設問ごとの配分はこの時点で確定します。これに対し、刑訴のように配点の明示されていない科目は、答案構成前に仮の配分を決めておく必要があります。

 設問・問題文の中でも、最も参考にすべきは各設問に関する事実の量だと思います。他には設問中の小問の量も参考にします。

 平成23年刑訴であれば、設問1には小問が4つ(【逮捕①】~【逮捕④】)あり、さらに小問ごとに論ずべき問題点が2つずつ(逮捕と身柄拘束)あります。そして事実の量も多い。これは骨が折れそうだな、と思います。

 他方で、設問2には小問が2つ(【資料1】と【資料2】)です。しかし、資料を読むと登場人物が多くて、それぞれの供述について伝聞該当性、伝聞例外の要件具備を検討するとなると、こちらもそれなりに負担がある。

 そこで、配分は6:4かな、と考えます。

 しかし、ここで重要なのが、配分を行うそもそもの目的です。それは「途中答案を防ぐこと」、「書き過ぎによる配分ミスをしないこと」でした。

 そのため、あえて冒頭の設問の配分は少なめに見積もっておきます(ただし、配点の明示されている科目は除く。)。そこで、仮の配分は5.5:4.5などとします。

 

(2) 答案構成をし、設問ごとの配分の確定、小問ごとの配分の確定を行う

 仮の配分を念頭に答案構成をします。

 すると、設問2が思った以上に重いことに気付きます。「ん?この問題は被告人が二人だから、伝聞例外の適用条文がややこしくなるぞ・・・。」。結局、保険の意味も込めて、設問1の配分を減らし、設問2の配分を多めに見積もることにしました。最終的に、設問1:設問2=5:5と確定しました。

 さらに、小問ごとの配分を決めておくことにより、設問内での書き過ぎを防ぐことができます。設問1につき、【逮捕①】:【逮捕②】:【逮捕③】及び【逮捕④】=2.5:1.5:1などとします。設問2につき、【資料1】:【資料2】=4:1などとします。このときにも、あえて冒頭の小問の配分は少なめに見積もっておきます。

 

(3) 行数に割り振る、答案用紙にマークを付けておく

 配分の仕方は、時間で管理する方法もあると思いますが、私は行数で管理しています。

 残り時間を前提に、自分の書くことのできる行数を計算します。このときも、配分の目的を意識して少なめに行数を見積もっておきます。

 5頁(115行)→110行

 5頁半(126行)→120行

 6頁(138行)→130行

 6頁半(149行)→140行 

 7頁(161行)→150行

 といった具合です。(ページ数×2+1)×10と覚えておくといいかもしれません。

 6頁(130行)なら、1割で13行、0.5割で6行となります(7行じゃなくて6行になる理由については省略)。

 そして、設問ごと、小問ごとに、答案用紙の書き始める予定の行に鉛筆でマークを付けておきます。先ほど決めた配分でいえば、【逮捕①】は32行で書くことになるので、33行目に【逮捕②】のマークを付けます。

 

4.まとめ

 複雑で面倒くさい、あるいは形式ばっていて嫌だと思う人もいるかもしれません。計算を本番で間違えたときは致命的だと思うかもしれません。

 答案の配分については個人のセンスも大きいような気がします。元々できる人にとって、ここで説明してきたような方法はかえって時間の無駄にしかならないのかもしれません。

 しかし、私の目下の「落ちる原因」は途中答案や尻すぼみ答案なので、突き詰めて考えてみました。私と同じような悩みに直面している方の参考になれば十分だと思っています。

 

お世話になった受験資料まとめ【学生時代の記事の再掲】

1.書籍

 ・ 永山在浩『これが司法試験の正体だ!』(辰巳法律研究所

 ・ 羽広政夫『平成20年再現答案集 羽広式分析版』(早稲田経営出版)

 ・ 中野次雄編『判例とその読み方』(有斐閣

 ・ 池田真朗編『判例学習のAtoZ』(有斐閣

 ・ 野矢茂樹『論理トレーニング101題』(産業図書)

 ・ 山島達夫『法律答案の構造的思考』(辰巳法律研究所

 ・ 末永英夫ほか『犯罪事実記載の実務 刑法犯』(近代警察社)

 

2.雑誌記事

 ・ 「新司法試験 The Topの世界」 (ハイ・ローヤー2012.02)

 ・ 「上位合格者答案から学ぶ答案の書き方 公法系・民事系・刑事系」(受験新報2012.01)

 ・ 「憲法合格答案の書き方 -平成18~23年度上位答案の分析」(受験新報2011.12)

 ・ 高橋和之違憲審査方法に関する学説・判例の動向」(法曹時報61巻12号)

 ・ 宍戸常寿「憲法 解釈論の応用と展開 第29回 総合演習3 事案の重視と判例の学習」(法学セミナー2010.08)

 ・ 青柳幸一「法令違憲・適用違憲」(講座憲法訴訟第3巻)